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第四章 スライムヴァンピール編

第12話 宿より借家だよね?

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 掲示板の隣に簡易の周辺マップが置いてあったので、私とアニエラは1枚ずつ手にしてから協会から出て町の外を目指した。

 アニエラは手にしたマップを見ながら〚医心〛で話しかけてきた。

『なんかザックリしたマップなんだね(汗)』
『うん、この草原みたいな所へ行ってみる?』
『そこで問題ない筈だよ。ゴブリンが現れると思うから適当に狩ろう。』
『『了解~』』

 私達は町を出る時に、門兵さんにハンター証を見せて狩りに向かう事を告げてから門を出て草原を目指した。飛んで移動すれば直ぐなんだけど、それでは人ではないと知られるので我慢して歩いた。
 30分ほど歩くと草原に到着して周囲を確認する。草の丈は1m程あってかなり視界が悪く、視界に頼ってると強襲される危険があるね。

 私は草原に入る前に〚以心伝心〛で指示を出す。

並列思考セレブロは〚気配感知センスサーチ〛で周辺を警戒してね。アニーが前私が後ろで草原を進むね』
『『了解』』

 指示を出してからゆっくりと草原を進んで行くと、並列思考セレブロから報告が入る。

『10時の方向、50m辺りにゴブリンらしき気配が4体あるよ。』
『了解、アニーは先頭のままで進んでね』
『は~い』

 私達は小走りで気配がする場所へ進んで行くと、4体のゴブリンが移動してる姿が見えたの。アニエラが後ろの私の方を向いたので、私は『コクン』と頷いて合図を送ると同時に、2人は〚血剣ブラッドソード〛を発動させてゴブリンの背後から強襲した。

『グサッ』
「グェ……」

 両手に握られた〚血剣ブラッドソード〛が同時に4体のゴブリンを貫き血液を吸収して倒した。干乾びたゴブリンは私が全て〚無限収納〛へと収めて魔石を回収したの。

「お疲れ様♪今日はこれで町へ帰ろう。協会で依頼達成の報酬を貰って、泊まる場所も探さないとねいけないから忙しいよ」
「美味しいご飯も食べたいね♪」

 狩りは早々に切り上げて町へ戻る事にしたの。帰りも当然ながら歩くので門に着くまで1時間近く掛かった。町へ入る前に門兵さんへハンター証を見せてから話し掛けたの。

「草原での狩りから戻ってきました」
「おう、ご苦労さま。女の子2人で危険は無かったかい?」
「はい、近場だったので大丈夫でした」

 簡単な会話をしてから町へ入って協会の建物を目指して歩いて行くと、アニエラが話し掛けてきた。

「ねぇ、当分はここで暮らすんだよね?」
「そうなるね。どうかしたの?」
「それなら、宿に泊まるより借家を借りた方が安かったりしない?」

 アニエラの話しを聞いて足が止まる。私はそんな事を全く考えて無かったわ……(汗)アニエラは案外しっかりしてると感心した。

「自炊する必要はあるけど、間違いなく借家が安いよね。アニーはしっかり者だね♪」

 そう言ってアニエラを褒めると、何故か〚以心伝心〛で返事をしてきた。

『借家だとさ、隣の部屋の事を気にしないで、思い切りハルカと楽しめるでしょ♪』

 その言葉を聞いて私の顔は真っ赤になった……アニエラはそんな私を見て悪戯っぽい顔しながら笑っていた。

 私は嫌と言うよりどちらかと言えば好きなので、宿より借家を借りる事にしたの(笑)
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