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第三章 スライムウィザード編

第31話 正面突破

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 外は暗闇に包まれ虫の鳴き声しか聞こえない状況の中、私とアニエラは飛行士ながら洞窟の砦を目指していた。

「ハルカ、洞窟が見えてきたよ。」
「うん、見張りは1体だね。私が先行して処理するから待機しててね。」
「OK!」

 運良く見張りは1体しか居ないので、私は潜空鳥ダイバードに変化して見張り役《ゴブリン》に近付き水魔法を放った。

「〚水の針ウォーター ニードル〛!」
『シュンッ!』

 水を圧縮させて作った〚水の針ウォーター ニードル〛が見張り役ゴブリンの頭を貫通すると、声をあげる事もなくその場に倒れた。
 私が見張り役《ゴブリン》を処理した事を確認したアニエラがやって来て、音が出ない程度の優しいハイタッチをした。

「アニー、ここからが本番だよ。」
「うん、私達なら絶対に殺れるよ♪」

 軽く言葉を交わして洞窟砦に侵入した。
 私達は低速飛行で狭い通路を進み最初の分岐点を左へ進むもうとすると、並列思考セレブロがゴブリンの気配を感知して教えてくれた。

『ゴブリンが1体近付いてくるよ。』
「アニー、ストップ。ゴブリンが1体来る。」
「OK!私が仕留めるね。」

 私は壁に変化してアニエラを隠す。そして近付いて来たところを血剣ブラッドソードで心臓を一突きすると、全ての血液を一瞬で吸い尽くし干物のような姿へと変わった。

 そのまま先を進むと上下に分かれる分岐点に差し掛かった。

「ハルカ、先ずは上の戦士級ファイターからだね?」
「うん、上がったら土魔法で壁を作って逃げ道を塞ぐね。それから皆殺しにするよ!」
「OK!行こう♪」

 私達は上に向かうと土魔法で逃げ道を塞ぐ。

「塞いだら攻撃開始だよ。〚岩壁ロックウォール〛!」

 岩壁が逃げ道を塞ぐと同時にアニエラは動いた。血剣ブラッドソードを発生させて、視界に入ったゴブリン達を片っ端から突いて、全ての血液を一瞬で吸収して行った。完全に出遅れた私はアニエラの猛攻を眺める事しか出来なかった(汗)その姿を見た並列思考セレブロは冷静に語る。

『上位種は戦闘を好むとはいえ、アニーはかなりの戦闘狂なのかも知れないね。』
『そうかも知れないけど頼りになるね♪』
『あぁ、本当に頼りになるよ。』

 並列思考セレブロと話してると、アニエラは満面の笑みで戻って来て、ゴブリン達を全滅させたと報告したの。

「全部殺っちゃったよ♪」
「お疲れ様♪あれだけ吸血しても平気なの?」
血剣ブラッドソードは血液の消費が激しいから殆ど使い切っちゃうよ。」
「確実に仕留める時に限られる感じ?」
「下では、この戦い方は無理だと思う。」
「了解!それじゃ下へ降りよう。」

 私は下へ向かう為に岩壁を解除しようとすると、並列思考セレブロが止めた。

『下から数体のゴブリンがやって来る。解除する前に戦闘態勢を整えて!』

 どうやら下のゴブリン達に気付かれたみたいなので、私とアニエラは戦闘態勢を整えた。
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