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第一章 学生編
授業内容:兵装について
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「授業を始めるぞ。午後は基礎的な兵装の説明と、戦術の話だ」
「よろしくお願いします。あれ、テキストは?」
授業の開始と共に須我の拍子抜けな声が飛んでくるも「敬語使え」と一喝。
「あ、悪い」
「おい」
「すんません」
注意してもなかなか直らない須我の口調には難儀させられている。
「この話はテキストにはない。本当は数学を進めておきたいんだが、お前ももうすぐ識別輪(しきべつりん)の貸与があるしちょっと実践的な話をしておこうと思ってな」
「ふーん」
「おい!」
「すんません」
入隊してからもこの調子では非常にマズい。そろそろ本気で修正しなくては。
既に十月も半ばで寒さを伴う季節に差し掛かってきている。新年を迎える前に二年次恒例の神仕の儀が待っており、識別輪の貸与も行われる。そこからは本格的に兵装のレプリカを使用しての訓練をしなければならない為、事前知識を与えておいた方が良いと、亀井さんとの話で決めていた。
「まずお前、猟特隊全部を”鬼狩り”だと思ってたりしない?」
「違うの?」
キョトンとした顔で須我が言うので、やはりと内心溜め息を吐く。
「違う。というかその俗称自体あんま使うなよ。前にも説明したけど、第一と第二、第三で役割が違うのは分かるよな?」
「第一大隊が鬼門周辺の担当で、第二と第三大隊が関東地方の警邏だっけ?」
「まあ概ねその認識だ。”鬼狩り”は第一大隊所属のみを指して、第二と第三が”鬼追い”と呼ばれている。理由は単純で、高い等級の暗鬼を狩って最前線で戦い続けているのが第一大隊で、第二と第三は関東地域に出現する暗鬼の処理を行う隊だからだ。猟特隊内でもヒエラルキーは存在しているから気を付けろよ」
俺の言に対し、ふーんと興味無さげに頷くだけなので軽く頭を小突く。叩かれた理由を察したようで舌を出して謝るような仕草を見せるが無視した。
「そんで、兵装の種類だとかは覚えている前提で話を進めるぞ。今更その部分には触れないから自分でやっとけよ?
まずこの現代において何故銃以外の兵装が存在するか、だ。銃火器というのは現状完成された武器と言っていい。飛距離は数百メートルにも及び、威力は言わずもがな。そして短期間の訓練で誰でも使用できるようになる。あらゆる点でこの武器に勝てるものは無い。だが何故刀剣や槍、はたまたハンマーや手甲、弓矢まで作られ運用されているのか。分かるか?」
「んー……暗鬼が堅いから?」
「それもあるが、少し別の理由だ。籠められる流気の出力の違いと特性に寄るというのが正しい。奴らの纏っている瘴気はあらゆる物質の運動を阻害し、減退させる謎の多い物質だ。原理すらよく分かっていない。それに加え外皮の堅さと伸縮性、再生能力の高さなどが相まって異様な防御力を誇る。だから自動小銃も機関銃も、はたまた戦車砲やミサイルでさえ通さない暗鬼も居る。それに対抗する術として作られたのが”兵装”だ」
ホワイトボードに幾つかの単語を書きながら説明する。
「その辺はさすがに分かるよ……おっと、承知しております。しかし、”狐火(きつねび)”や”蜂火(ほうか)”のような銃型の兵装も存在しますよね」
散々注意したのでようやく気を付け始めたようだ。まあアウトなので叩いたが。
「その通り、識別輪を通して流気を流し込み、弾丸に瘴気を中和し分解する”瘴散燐(しょうさんりん)”を纏わせて撃ち込む。炸薬の他に流気の出力を合わせるから、遣い手によって威力が変わったりもする。ここからが本題だが、狐火は放つ際に銃内に溜めた流気を弾丸に纏わせる関係上、弾丸自体の瘴散燐は多くない。そして放った後は距離が離れる程に減衰してしまう、というのは分かるか?」
「何となくは理解できます」
「お前は見ているから分かると思う。狐火はアサルトライフル型だが、基本的には対四級以下を想定して作られている。これ以上の等級のものとなるとサイズが機関銃や大型ライフル程の大きさである必要性が出てくる。運ぶ事はできても展開時は固定砲台のようになって小回りが利かなくなる。それに対して刃桜は準三級までなら相手にできるし、”八雷(やくさのいかづち)シリーズ”の中にも刀剣タイプの物があるぐらいだ。つまりサイズに左右されず、高等級用の兵装を造れる。遠距離型でも対一級用の弓矢型の兵装もあるぐらいだしな」
幾つかの兵装の名前を書き出し、それぞれの必要出力も書いていく。
「弓型でここまで強い物が作れる理由は、矢の方を大型化し直接流気を流し込む形式を取れるからだ。銃型の方は機構の関係上そうはいかない。それに纏衣(まとい)のお陰で人間の腕力では引けない強さの強弓を作れているのもあるけどな。射程は下手するとキロ単位にもなるぞ」
「弓強いんですね」
感心したように溜息を吐きながら須我が見ている。
「銃と違って扱うにはかなりの修練が必要になるけどな。そんな理由もあって、銃一強という状況じゃなくなっている。まあ基本は銃型を使って囲んでの制圧戦になるのは間違いないが、鬼門周辺のように高い等級の暗鬼が出現する地域では効果が薄くなる。現代に於いて言うならば近接戦は理に適っていないし、反撃を喰らう危険を伴うが、そうしなければならない状況でもあるって事だ」
「なるほど……」
理解しているのかしていないのか、少し惚けながら聞いている須我を見て、一つの不安が頭を過った。
俺の知らない世界ではあるが、少しばかり心構えをさせた方が良いだろうか。
「お前は多分、第一大隊所属になる。だから言っておくと、鬼門周辺は森林と山岳地域だ。整備も開拓もできていない手つかずの山林地帯での戦闘を想定して訓練した方が良いと思っている。勿論班単位、小隊単位での作戦行動もあるから集団行動の訓練もな。纏衣が使えるようになったらそっちの訓練もやるから心に留めておけよ」
「俺、先生みたいに町を守る方になりたいと思ってるんだけど。そっちの方が大事な仕事だと思うし」
「お前な……いいか、仕事に関しては大小も高低も無い。どれも大切だし、どれかが欠けても駄目なんだ。お前には高過ぎる陽流気がある。だから特例で編入を許可されたし、こんな形で特別に教育も施されているんだ。間違いなく、上層部はお前を戦力として使う算段でいる」
ここまで言ってしまって良いものか迷いはあったが、隠す方がこいつの為にならないと思い言葉が出てしまう。
「俺の知らない、過酷な戦地での戦いになる。古来からそうだが、強過ぎる個人は称賛もされるがそれ以上に危険な場所に放り込まれるのが常だ。だから……」
思わず言葉に詰まってしまう。本当は言いたい事があるのだ。「怖ければ逃げてもいい」「巻き込まれたお前が命を賭ける必要はないと」「その役目は、自ら志願した隊員がすれば良いのだ」と。
「だから?」
止まった事を不審に思ったのか、須我が尋ねてくる。
「……ちゃんと、訓練しろよ。学生の期間の内に、出来る事は全部やれよな」
「おう、まあ、当たり前じゃね? ……いでっ!」
また口調が悪くなっているので教本の背で一発。
本当はこんな事言うつもりじゃ無かったんだけどな。
俺の気も知らず、目の前の少年は恨めしそうな顔で俺を睨んでいた。
「よろしくお願いします。あれ、テキストは?」
授業の開始と共に須我の拍子抜けな声が飛んでくるも「敬語使え」と一喝。
「あ、悪い」
「おい」
「すんません」
注意してもなかなか直らない須我の口調には難儀させられている。
「この話はテキストにはない。本当は数学を進めておきたいんだが、お前ももうすぐ識別輪(しきべつりん)の貸与があるしちょっと実践的な話をしておこうと思ってな」
「ふーん」
「おい!」
「すんません」
入隊してからもこの調子では非常にマズい。そろそろ本気で修正しなくては。
既に十月も半ばで寒さを伴う季節に差し掛かってきている。新年を迎える前に二年次恒例の神仕の儀が待っており、識別輪の貸与も行われる。そこからは本格的に兵装のレプリカを使用しての訓練をしなければならない為、事前知識を与えておいた方が良いと、亀井さんとの話で決めていた。
「まずお前、猟特隊全部を”鬼狩り”だと思ってたりしない?」
「違うの?」
キョトンとした顔で須我が言うので、やはりと内心溜め息を吐く。
「違う。というかその俗称自体あんま使うなよ。前にも説明したけど、第一と第二、第三で役割が違うのは分かるよな?」
「第一大隊が鬼門周辺の担当で、第二と第三大隊が関東地方の警邏だっけ?」
「まあ概ねその認識だ。”鬼狩り”は第一大隊所属のみを指して、第二と第三が”鬼追い”と呼ばれている。理由は単純で、高い等級の暗鬼を狩って最前線で戦い続けているのが第一大隊で、第二と第三は関東地域に出現する暗鬼の処理を行う隊だからだ。猟特隊内でもヒエラルキーは存在しているから気を付けろよ」
俺の言に対し、ふーんと興味無さげに頷くだけなので軽く頭を小突く。叩かれた理由を察したようで舌を出して謝るような仕草を見せるが無視した。
「そんで、兵装の種類だとかは覚えている前提で話を進めるぞ。今更その部分には触れないから自分でやっとけよ?
まずこの現代において何故銃以外の兵装が存在するか、だ。銃火器というのは現状完成された武器と言っていい。飛距離は数百メートルにも及び、威力は言わずもがな。そして短期間の訓練で誰でも使用できるようになる。あらゆる点でこの武器に勝てるものは無い。だが何故刀剣や槍、はたまたハンマーや手甲、弓矢まで作られ運用されているのか。分かるか?」
「んー……暗鬼が堅いから?」
「それもあるが、少し別の理由だ。籠められる流気の出力の違いと特性に寄るというのが正しい。奴らの纏っている瘴気はあらゆる物質の運動を阻害し、減退させる謎の多い物質だ。原理すらよく分かっていない。それに加え外皮の堅さと伸縮性、再生能力の高さなどが相まって異様な防御力を誇る。だから自動小銃も機関銃も、はたまた戦車砲やミサイルでさえ通さない暗鬼も居る。それに対抗する術として作られたのが”兵装”だ」
ホワイトボードに幾つかの単語を書きながら説明する。
「その辺はさすがに分かるよ……おっと、承知しております。しかし、”狐火(きつねび)”や”蜂火(ほうか)”のような銃型の兵装も存在しますよね」
散々注意したのでようやく気を付け始めたようだ。まあアウトなので叩いたが。
「その通り、識別輪を通して流気を流し込み、弾丸に瘴気を中和し分解する”瘴散燐(しょうさんりん)”を纏わせて撃ち込む。炸薬の他に流気の出力を合わせるから、遣い手によって威力が変わったりもする。ここからが本題だが、狐火は放つ際に銃内に溜めた流気を弾丸に纏わせる関係上、弾丸自体の瘴散燐は多くない。そして放った後は距離が離れる程に減衰してしまう、というのは分かるか?」
「何となくは理解できます」
「お前は見ているから分かると思う。狐火はアサルトライフル型だが、基本的には対四級以下を想定して作られている。これ以上の等級のものとなるとサイズが機関銃や大型ライフル程の大きさである必要性が出てくる。運ぶ事はできても展開時は固定砲台のようになって小回りが利かなくなる。それに対して刃桜は準三級までなら相手にできるし、”八雷(やくさのいかづち)シリーズ”の中にも刀剣タイプの物があるぐらいだ。つまりサイズに左右されず、高等級用の兵装を造れる。遠距離型でも対一級用の弓矢型の兵装もあるぐらいだしな」
幾つかの兵装の名前を書き出し、それぞれの必要出力も書いていく。
「弓型でここまで強い物が作れる理由は、矢の方を大型化し直接流気を流し込む形式を取れるからだ。銃型の方は機構の関係上そうはいかない。それに纏衣(まとい)のお陰で人間の腕力では引けない強さの強弓を作れているのもあるけどな。射程は下手するとキロ単位にもなるぞ」
「弓強いんですね」
感心したように溜息を吐きながら須我が見ている。
「銃と違って扱うにはかなりの修練が必要になるけどな。そんな理由もあって、銃一強という状況じゃなくなっている。まあ基本は銃型を使って囲んでの制圧戦になるのは間違いないが、鬼門周辺のように高い等級の暗鬼が出現する地域では効果が薄くなる。現代に於いて言うならば近接戦は理に適っていないし、反撃を喰らう危険を伴うが、そうしなければならない状況でもあるって事だ」
「なるほど……」
理解しているのかしていないのか、少し惚けながら聞いている須我を見て、一つの不安が頭を過った。
俺の知らない世界ではあるが、少しばかり心構えをさせた方が良いだろうか。
「お前は多分、第一大隊所属になる。だから言っておくと、鬼門周辺は森林と山岳地域だ。整備も開拓もできていない手つかずの山林地帯での戦闘を想定して訓練した方が良いと思っている。勿論班単位、小隊単位での作戦行動もあるから集団行動の訓練もな。纏衣が使えるようになったらそっちの訓練もやるから心に留めておけよ」
「俺、先生みたいに町を守る方になりたいと思ってるんだけど。そっちの方が大事な仕事だと思うし」
「お前な……いいか、仕事に関しては大小も高低も無い。どれも大切だし、どれかが欠けても駄目なんだ。お前には高過ぎる陽流気がある。だから特例で編入を許可されたし、こんな形で特別に教育も施されているんだ。間違いなく、上層部はお前を戦力として使う算段でいる」
ここまで言ってしまって良いものか迷いはあったが、隠す方がこいつの為にならないと思い言葉が出てしまう。
「俺の知らない、過酷な戦地での戦いになる。古来からそうだが、強過ぎる個人は称賛もされるがそれ以上に危険な場所に放り込まれるのが常だ。だから……」
思わず言葉に詰まってしまう。本当は言いたい事があるのだ。「怖ければ逃げてもいい」「巻き込まれたお前が命を賭ける必要はないと」「その役目は、自ら志願した隊員がすれば良いのだ」と。
「だから?」
止まった事を不審に思ったのか、須我が尋ねてくる。
「……ちゃんと、訓練しろよ。学生の期間の内に、出来る事は全部やれよな」
「おう、まあ、当たり前じゃね? ……いでっ!」
また口調が悪くなっているので教本の背で一発。
本当はこんな事言うつもりじゃ無かったんだけどな。
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