囚われの踊り手は闇に舞う

徒然

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 もどかしくて、嬉しくて、それより何より気恥しい。
「優しく、できてたら嬉しいよ。傷付けたいわけじゃない、から……っ」
 ローションを足し、腰を進める。ペニスが包まれていくのが、とても不思議だった。
 その頃になってやっと、神崎の顔から緊張が消え、快楽を覗かせる。
「ケン、気持ちいい?」
 時間をかけて埋め込まれるペニスは、まだ中ほどまでしか入っていない。レイが腰を揺らした時、カリの張り出しに前立腺が擦られた。
「っあ、っ……?」
 思わず神崎が喘ぐと、レイの目がギラついた。
「あぁ、こういう感じ、なんだね。喘ぐ貴方が可愛くて……もっと、喘がせたくなる」
 欲を隠さない声に、神崎の背がぞわりと震える。今までの遠慮がちな表情から、「男」の顔に変わったレイ。
 ギラつく目で見つめられながら乳首を摘まれる。ペニスの先端で執拗に前立腺を擦られるたび、神崎が甘く息を吐く。
「っふ、レイ、……っ、もっと奥、来いよ」
 首に絡ませたままの腕でレイを引き寄せて口を開ける。ふ、と笑ったレイは、いつも神崎がするように、そこに唾液を流した。
 ごくり、と神崎の喉が動く。もっととせがむ口に舌を這わせ、ゆっくりと腰を進めた。

「っは、あ、……っ」
 全て挿いる頃には、神崎はどろどろに蕩けていた。普段見られない表情に、レイの興奮が高まる。口付けを解いただけの距離で、神崎の甘い喘ぎを聞きながら、腰を押し付ける。
 無毛のレイの下腹と、神崎の会陰が触れ合う。
「全部、入ったよ」
 ぎゅ、と押し付けて神崎に伝えると、神崎はふにゃりと顔を緩め、下腹を撫でる。
「ああ。……ここにお前が居るの、不思議な感じ……っ、太く、すんなっ」
 神崎の表情や仕草に高まったレイは、くっと笑う。
「無茶言わないで。貴方が煽るのが悪いよ」
 少し上体を起こし、神崎の手に手を重ねてぐっと押すと、ペニスにもそれが伝わった。
 そのまま神崎の掌に擦り付けるように腰を揺らすと、神崎が更に甘く蕩けていく。
「私を見て。貴方を犯している私を」
 神崎が半ば閉じていた目を開く。普段の強気な責めからは考えられないほどに甘い目。
 レイの目からは戸惑いも遠慮も消え失せ、ぎらぎらとした欲が浮かぶ。
「そんなレイは……初めて見る」
「貴方だって。こんなにどこもかしこも甘くなるなんて知らなかったよ」
 レイが身体をなぞるたび、レイを見つめたまま神崎が身体を震わせる。喘ぐために半開きになった口も、シーツを掴んで耐える姿も。
「私だけのものだ」
 シーツから引き剥がした手に口付け、指を絡ませてベッドに押し付ける。
「ああ。お前も……俺だけのものだ」
 神崎は脚をレイの腰に絡ませ、ぐいっと引き寄せる。奥の行き止まりを突くそれを、後孔が締め付ける。
「お前のものに、してくれ」
 レイは誘われるままに腰を振る。神崎も揺られながら、レイを見つめたまま喘ぐ。
「ケン、……、私の、ケン」
 重く腰を打ち付ける。ペニスに送られる快感が弾けそうだ。
「中に、出すよ。私の精液」
 神崎が微笑んで、片手でレイを抱き寄せる。レイの腰の位置に釣られて神崎の後孔が真上を向く。レイがふっと笑い、神崎に口付ける。
「……好きだよ、ケン」
 思わず溢れ出たその言葉に、神崎の中が締まる。口付けを解き、神崎の顔を見ながら腰を真上から突き刺す。深く、浅く刺激しながら、神崎のペニスに手を添えた。
「ま、て、それは、っ」
 ずちゅ、ぐちゅ、と。神崎の体内とペニスから、卑猥な音が響く。レイに囲われ、逃げ場をなくした神崎が、脚に力を込めてレイをねだる。
「好きだ。本当に……、ずっと、好きだった」
 ぽろりと零れた本音が止まらない。神崎を深く犯しながら、レイは青い瞳からぽたぽたと涙を流して微笑む。
「ケン。……愛しているよ」
 ずぶ、と差し込んだその場所で、レイのペニスが膨張する。
「俺も、だ。ずっとお前を愛している」
 神崎の言葉に、レイのペニスが震える。神崎のペニスをきつく扱きながら、レイは激しく腰を打ち付ける。肌が打ち合う音が、水音に混じる。
「イ、く、……レイ、っ」
 神崎がぎゅっと抱きつく。レイは神崎の顔を見つめながら、神崎のペニスの先端を指で擦った。
「一緒に……っ」
 達する寸前の顔を目に焼き付けながら、レイは深く息を吐いた。
「レイ、レイ……っ、あぁぁ……」
 甘く啼いて、神崎が吐精すると同時。レイも腰を震わせ、神崎の中に精液を注ぎ込んだ。

「腹の中にお前が居るのも、精液が出されたのも……、不思議な感じだ」
 神崎の後孔にペニスを差し込んだままのレイが、神崎の腕に抱かれる。
「さっきも言ってたね。……嫌だった?」
 不安げなレイの額をこつんと小突き、神崎が優しく笑う。
「嫌じゃない。幸せだし、気持ちよかったよ」
 小突いた場所を口付けで慰め、腰を揺らしてまだ中にいるペニスを誘う。
「賭けの時に言っただろう?俺は……お前が望むなら、抱かれてもいいと」
 神崎は肘をついて上体を起こし、ベッドサイドから水筒を取る。レイが止める暇もないうちにそれを飲み、口移しでレイにも飲ませた。
「好きだよ、レイ。抱いて、抱かれて……一緒に狂おうぜ」
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