囚われの踊り手は闇に舞う

徒然

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32 再教育の舞台にて 3

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 弥生が神崎の元に向かい、ガウンの入った籠を見せる。
「服を全部脱いで、これに着替えてて」
 頷いた神崎は、迷いなくシャツのボタンを外す。スラックスも脱ぎ、下着に手をかけた。その脱ぎっぷりに弥生が口笛を吹く。
「思い切りが良くていいね」
 けらけらと笑う弥生の前で、神崎が全裸になる。弥生はその身体を見、頷いた。
「いい身体してる。ペニスも大きいから、舞台に映えるね」
 そんな評価に神崎が肩を竦めて苦笑すると、ガウンを纏って腰紐を軽く縛る。
「あ、もう喋っても大丈夫だよ。えっと、オニイサンはここでレイを抱ける?」
 弥生が舞台上のベッドやソファを示す。
「カメラが見えるでしょ?あれで、レイがセックスしてるとこをどアップで撮って、そのまま壁に映すんだよ。それで」
 弥生がすっと近寄り、神崎の鼠径部をガウンの上から撫でる。
「レイのここにマイクを付けて、犯される音を大音量で流すの」
 すっと離れた手が神崎の顎にかかる。そのまま強い視線で神崎を射抜き、すっと目を細めた。
「レイとのセックスを、皆の目の前で晒せる?……無理なら、僕がレイを犯して悦がらせて、全身ぐちゃぐちゃのドロドロにするから、オニイサンはレイの口にペニス突っ込む程度でいいよ?」
 くすくす笑いながら、弥生が神崎から手を離す。
 明らかな挑発に、神崎がぐっと息を飲む。
 ――俺以外の男に目の前で犯させたくない。けど。
 レイが何を望むのかと、神崎の目に迷いが浮かぶ。弥生はそんな神崎を見つめ、厳しい声で告げる。
「選んで。今すぐ。……レイはもう、あんたを選んだよ」
 神崎がその言葉にはっとする。
 ――そうだ。選ばれたんだ。なら。
「俺が抱く。レイは……レイは俺のものだ。もう、他の男には犯させない」
 神崎の言葉に満足気に頷くと、弥生が中央に行くように促す。
「なら僕は、道具の使い方を教えてあげる。……ちゃんと見ててね」
 ぽつりと呟いた言葉に神崎が頷くと、ヤヒロと話しているレイの元へ向かった。

「レイ。大丈夫そうですか?」
 ヤヒロの問いかけに、レイが笑って頷く。
「ケンが居てくれるから平気だよ」
 ヤヒロは肩を竦め、弥生が神崎にしたのと同じ説明をした。
「弥生とお客様の、どちらとセックスするかは分かりませんが……」
 レイが大丈夫だと頷く。きっと神崎は、弥生に抱かせはしないだろうと信じていた。
「俺が抱くから安心して」
 低い声と共に、神崎がレイを背後から抱きしめる。神崎が腰を押し付け、反り立つペニスの存在をレイに知らせると、レイが頬を染める。
「お前は俺だけ見ていればいい。弥生さんに責められて乱れるお前ごと、愛してやるから」
 甘く囁かれ、レイの口から小さな喘ぎが漏れる。ヤヒロはそんな二人に微笑み、抱擁を解いたレイと神崎、弥生を並ばせた。
「始めましょう」
 ヤヒロの静かな声が告げる。緞帳がゆっくり上がる。いくつもの目が、三人を見つめていた。

「お待たせ致しました。これより開始致します」
 ヤヒロの口上と共に弥生が動く。レイの口に大小二つの輪でできた開口具をねじ込み、後頭部で固定する。舌を押さえつけられ、喉奥まで無理やり晒された様子を、ヤヒロがカメラで撮る。
 弥生がヤヒロに合図をすると、頷いたヤヒロが壁いっぱいに映像を投影した。
 弥生はレイの肩を押して膝をつかせ、顎を取って上を向かせた。
「気持ちよくなるお薬だよ」
 いつの間にか付けていたマイクを通して、弥生の声が会場に響く。それに驚いた神崎が止める間もなく、レイ用の濃いめの薬を開きっぱなしの口内に全て注いだ。半ば溺れるようにごぼりと音を立てながら、喉奥を開閉する動きだけで少しずつ飲んでいく。
 蠢く粘膜の色。それをヤヒロが映し続けると、弥生が神崎を見た。
「このままだと時間がかかるからさ。ペニス突っ込んでかき混ぜて飲み込ませるんだけど、オニイサンがやる?それとも、僕がやる?」
 弥生が、ガウンを押し上げるペニスに触れる。眉を寄せる神崎に、弥生がニヤニヤと笑う。
 ――ケンに、触るな……っ!
 レイが苦しげにしつつ、弥生を睨む。弥生はレイの口に指を差し込み、舌を押す。
「ああ。ついでに精液も混ぜて、飲ませようか。オニイサン、どうする?レイが反抗的だし、僕が犯しちゃってもいいかなぁ?」
 神崎とレイが、同時に弥生を睨む。レイの元へとつかつか歩み寄った神崎が、弥生の手をぐいっと掴んで退ける。
「……俺がやる」
 労わるようにレイの頬を撫でると、レイが神崎のガウンの紐を解く。はらりと落ちたそれを拾いながら、弥生は客席に向かって肩を竦めて見せた。
「じゃあせめて、オニイサンの極太ペニスに犯されるレイを見よっか」
 ヤヒロが神崎のペニスを追いかけるように映し、弥生は別のカメラをレイの口元が映るように固定した。神崎はそれをちらりと横目で見、レイの髪に指を絡ませる。
「いくぞ」
 ぎらりと神崎の目が光る。レイは目を細めて小さく頷くと、軽く前傾して首を反らし、受け入れる形を取った。
 神崎のペニスの先端が、唇に触れる。その熱にレイも身体を熱くしながら、神崎を見上げる。
 そのまま、躊躇いもなく押し込まれるペニス。一気に喉の奥まで届いたそれが、媚薬を押し流す。
 レイの口に赤黒いペニスが出入りするのが、壁に大きく映し出されている。苦しげに涙を浮かべ、縋るように神崎にしがみつくレイ。優しい手つきでレイの頭を撫でながら、容赦なく喉を犯す神崎。
「あれ?根元まで飲み込めてないね。悪い子にはお仕置が必要だなぁ」
 楽しげに言って、弥生が鞭を構える。神崎を見、ニヤリと笑う。
 ビシ、と鋭い音と共に、レイの背筋に鞭が振り抜かれる。壁に映るレイの口元を確認し、弥生がもう一度鞭を構えた。
 ――そういうことか。
 弥生の意図を読んだ神崎が、レイの首筋をすっと撫でる。
「……押し込むぞ」
 神崎の行動に、弥生の口角が上がった。
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