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しおりを挟む「白銀さん、ごめんね。親父、重かったろ」
「バイク押したり起こしたりで慣れてるから平気!無事で良かったよ」
「…あれ、白銀さんのか…大型乗るんだな、凄いな」
黒いレーサーレプリカタイプ、和樹はバイクには詳しくないが素直に「カッコいい」とは感じていた。
「えへ…走るの好きでね」
「…法定速度は守ってる?」
「守ってるよ、あの…今はね」
「昔は?」
「…守って、ないときもあった」
真綾が自分から与えた情報によると、彼女は高校で不良っぽいことをしていたという。
不良も「話してみれば良い人」な時もあるが、和樹はどの程度の不良なのか知っておきたいと思った。
父親を救ってくれた恩があるし、この調子だと何となく縁が切れそうにないと感じたのだ。
「白銀さんさ、前にちょいちょい話してくれたけど…どのくらいの不良だったの?」
玄関の小上がりに腰を下ろし、和樹は真綾を見上げる。
「…えっと」
「俺、悪いことは好きじゃないからさ。白銀さんがどの程度悪い人なのか知っておかないと、仲良くなりづらいというか…信用できないヘタレなんだよ」
「そっか、そうだよね」
真綾は靴を履いてヘルメットを腹に抱き、和樹の横に距離を取り座った。
「人を傷付けたりした?」
「…心配かけたりはした……あの、まず私、人見知りで引っ込み思案でね、中学の頃から学校も休みがちだったの。それで勉強も遅れて、近場に行ける高校が無くなっちゃって、山の方の寮付きの高校に入学して…そしたらなんか不良の溜まり場みたいなところで。でもみんな優しいし、憧れもあったし、伸び伸びできたの」
「ふむ」
「か、彼氏ができて、走り屋のレースとか見に行ったり…バイクで真似事したりして…め、免許はちゃんと取ったの、でもその…ノーヘル運転もしたし、スピードオーバーもした。中型免許なのに大型乗ってたし…山奥で検挙されなかったけど…見つかったら捕まってたと思う」
「なるほど」
「悪いことがしたいというよりは、開放感が楽しくて。わ、若気の至りってやつ…かな。もしコケてケガしても逮捕されても私が困るだけだし。せめて周りに迷惑はかけない感じで走ってたけど…い、いまだにこれが青春だと思っちゃってるんだよね」
真綾は恥ずかしそうに、誘い笑いで和樹を窺う。
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