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しおりを挟む新卒で入った仕事を定年まで勤め上げる人ばかりではないから、珍しいことではない。
正社員かどうかも分からないし、非正規であの仕事内容ならむしろ続けない方が良いと和樹は思っていた。
しかし従順に働いていた子が奮起したものだなと…素直に驚く。
「よくよく考えたら変な仕事だし、ストレスも溜まるしで…接待に連れて行かれた時に体を触られて、ブチ切れてそのまま辞めちゃった」
「お、思い切ったね…揉めなかった?」
「よく分からないから、退職代行ってとこにお願いして。そしたらもう退職したことにされてたみたいで。というか、きちんと就業の手続きもされてなかったみたいで。とんでもない会社に入っちゃった、あはは」
「…とりあえず、なんか食べる?」
開店準備は出来たし、いつでもランチは提供できる。
真綾がカウンター下に居ては他の客が寄り付かないから、和樹は退かそうとそんな提案をした。
「そうですね、恩返ししたいので…このロコモコ丼をひとつ」
「まいど」
奢るつもりも無かったから、真綾が千円札を出してくれて和樹は助かった。
自主的に関わったという小さな責任感があるから、無碍にも出来ない。
ゴネられれば無償提供もするが、他の客に申し訳ないので避けたいものだ。
「はい、そこにでも座って食べたら?」
「ありがとうございます」
受け取った真綾は、広場の端の空いたベンチに腰掛ける。
フタを開けて「わぁ」と目を輝かせる、その表情を見れば和樹も料理人冥利に尽きるというものだ。
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