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しおりを挟むけれどそこにもうひとつ、上乗せされている気持ちがある。
言わずもがな、「互いの初めての相手になれた」ということへの喜びである。
童貞は捨ててなんぼ、でも出来るなら好きな奴に相手してもらいたい。
今日はフェラチオだったが、するのもされるのも初体験というのが堪らなく嬉しい。
そんな俺の感情は表情にも出ていたのだろう、阿久津はモノから口を離し
「なに、芝塚って処女厨?」
と冷めることを言う。
「そんなんじゃねーし…でも、初めては嬉しい。俺、クラス替えの時から阿久津のこと美人だなって、気になってた」
「見た目?」
「第一印象は仕方ないだろ。賢いし掃除もキッチリやるし、良い奴だと思ってたよ。連むグループが違うから関わらなかっただけで」
人と人の関わりはそんなものだろう。
個人を認識していながらも、特別なきっかけが無ければ距離は縮まらない。
接近するでもなく避けるでもない、ただのクラスメイトならそれが普通だと思う。
でもお互いにちょっぴりの好意があって、仲良くなるためのスパイスが投入されることで意識して、その気になって燃え上がれば。
恋愛に限らず、友人でもそうなのだろう。
意気投合すればたちまち親友、俺たちはそこに性的趣向が挟まってはいるからこうなっただけだ。
「そっか」
俺の気持ちを聞いた阿久津はニンマリ笑って、膝をついたまま腰を上げる。
前屈みの俺の股間から、ニョキっと好みの男が生えてきたみたいで面白かった。
「うお」
「芝塚、」
「あ、」
西日でオレンジに染まる部屋の中、俺たちは手を固く繋いだまま、2度目の口付けを交わした。
ぷるぷるの唇が心地良い、しかし舌が入って来そうだったので俺は「ぶへっ」と首を振り引き剥がす。
「…なに、照れてんの?」
「違う、お前、その口でさっきまで俺のちんこ舐めてたろうが」
「あ、そんなこと気にすんの?」
「する、自分のちんこの味とか知りたくねぇもん」
「あははっ」
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