壮年賢者のひととき

茜琉ぴーたん

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12月・勇者は頑是ない

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「あ♡あ、ひィっ!ふッ♡あ!やば…あ、んっ♡は…あ…♡」

 杭打ちのように真っ直ぐ、はらを貫かれた陽菜子は今日一番の高い悲鳴を上げた。

「新庄さん、手を、うん、恋人繋ぎしよう、ね、逃げられないな、はは」

「ちィふ、これっ、だめッ…♡あ、おぐっ♡おぐにッ…あ、」

じわじわと侵食される恐怖と不安、その先のどうしようもない快感に驚いて陽菜子は涙を浮かべる。

「スポットかな、ポルチオかな?」

「そういうの、知らナいからっ…はァ♡もォ…降ろして下さイ…」

「ばァか、離さないよ。新庄さん、ほら、俺を楽しませてよ…笠置は何て言ってた?」

両手を引き付け、ピクピクとナカを刺激して、疲れた様子の恋人は上司の顔で指示を出す。

「あ、た、縦にィっ…あ、動いて…きゅうって…」

「シてみせなさいよ、ほら」

 正直に答えた部下の紅い頬を、悪い顔した上司はじっとりと覗き込み、組んだ手をぐっぐっと押して圧をかける。

 陽菜子は唇を震わせながら腰を浮かせ、沈め、擦れる感触と気持ち良さに涙を零した。

「泣くなよ、ヒナちゃん、もう一発ヒナちゃんのナカでイキたいんだよ…頑張って、ほら」

「ゔっ…は、イ…」

 ひょこひょことつたないながらも上手に浮き沈みするヘソと、派手に揺れる乳房を眺めながら、嘉島は

「なァ、ヒナちゃんは俺のどこが決定的に好きなポイントなの?」

と、かねてより気になっていた事を質問してみる。

「は、?」

「憧れとか、身近にいてっていうのは分かるけど、そこから恋愛感情になるキッカケとかさ、あったんなら教えてよ。それはまだ聞いてない気がするんだよ」

「いま、じゃ…なきゃ、ン♡ダメ…で、すかァ?」

「ウン。動き止めないで、教えてよ」

「イ……いじわ、る……あの、これっていう、の、は…あ♡無くっテ…、」

「うん?」

嘉島は急かすつもりで少し突き上げると、陽菜子は白い喉を見せて大きく仰け反った。

「ひっ!ぐ…ぁ、は♡お、怒らないで、下さい、ね、ふ♡顔、ガ…」

「かお?」

「お顔が…タイプ…なんで、す…あん♡好み、なんデすっ…」

「はァ?詳しく」

 彼は元々整った顔立ちではあるが、キャアキャア騒がれるほどでもなければとうに男としての旬は過ぎている。

「あっ、疲れて、たまに…やつれてテっ…渋いっていうか、あ、ごめッなさッ、やめ、」

「はァ?ヒナちゃん、ジジ専なの?俺がシワシワの爺さんになっても好きでいてくれんのか?あ?」

 弱みを好きと言われれば皮肉にも感じる。

 それ程には嘉島は自分の枯れ具合は自覚しているし、到底格好いいなどとは思えない。

 お返しとばかりに下から突き上げて少々折檻せっかんを加えてやる。

「すき、でスよっ♡あ、はぁ♡らめ、やッ♡アあ♡あ、チーふ、これっあ、だめな、やつッ♡あ、あ、」

「きた?相性がいいのかな、もう少し頑張ろうか、後で俺の疲れた顔見てくれよ、なァ、ヒナ、」

 これだけ頑張ればさぞや、陽菜子好みのやつれた姿を見せてやれる事だろう。

「あッ♡は、イいッ…ら、め、あ、あ、………っ♡♡♡」

若い体は初めての夜と同じように嘉島と組んだ手をぎうと握り込み、大きく仰け反ってぴくぴくと引きつった。

「ん、かわいい……は、ッ♡」

 嘉島はその姿をしっかりと見届けてから、子宮の入り口へ深くキスをしてトクトクと大きく脈打った。



 くったりとした陽菜子、げっそりとした嘉島、二人はお互いのその姿を見てムフフと笑い、服を整えてから布団へ入った。

「しあわせです」

「うん、しあわせだ」

 目尻、口の端、年輪の如く日々深くなる男のシワと目の下のクマを見つめ、陽菜子は心底愛おしそうな顔で笑む。

「ふふっ、元気な健一けんいちさんも、疲れたチーフも、どっちもカッコいいです…好きですよ…」

「フン…ありがとうね…おやすみ」

 これは皮肉ではない、分かっていながらも素直には受け入れられないので嘉島は軽く鼻であしらった。

「おやすみなさい♡」
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