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6…胸を張る

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「スポット、も、ポルチオ、も、全部、俺が、」

「ゔア♡う、ん、」

「み、のり…さ…」

「どもや、ぐんッ♡」

 貧相な体でぎゅうと抱き付いて、ぐりぐりと良いところを探す。

 接地面積が多いほど気持ち良いのは何故なんだろう、「ひとつになる」とか「合体する」とはよく言ったものだと思う。

「サラッとしてんのも、かわいーのも、胸も、全部、好きなんすよ、どんどん…増えてる、俺、こんなタイプじゃなかったのに、美紀さんに出会ってから、すっげえ、恋、してる、」

「(素が出てるなぁ、『俺』って)」

「知れば知るほど、波長が合うっていうか、もう、好きなんすよ、あー…いっぱい入りたい、」

「(ぽるちお、痛気持ちい…意識飛びそ……あ、あ♡♡♡)」

 甘い告白は嬉しいが気絶しそうなくらい翻弄されて、フニャフニャとろとろになった私は何度目かの深挿しで先に達してしまった。

「み、のりさッ……っあー……イクなら言って…スパートかけて一緒にイキてぇのに…あ、キッツ、」

「はふ♡もぉ、わけ分かんな、い♡」

「思い通りになんねぇ、あー、イク、美紀さん、俺も、奥で、美紀さんの奥でッ!………♡♡♡ッあ…さ、いこー…」

「朋也くん、しゅごい、しゅが出てりゅ…」


 もはや素って何だろう、日中の朋也くんより情熱的で語気だけ荒々しいその姿をじぃと見上げる。

 喧嘩でもして怒ったら見え隠れするのか、それとも普段から心の中ではこうなのか。


 くったり項垂うなだれる朋也くんは汗を拭いてスキンを片付けて、

「美紀さん、愛してる」

と小さな胸の上に頭を置いた。

「…愛してくれてありがとう……私も、愛してるよ」

「この先、ずっとこんな雰囲気で仲良くしていきたいんです…ジブンと、結婚して下さい」

 彼の低い声が、薄い胸を通してまだバクバクの心臓へ届く。

 きちんとお願いされたのはこれが初めて、プロポーズ記念日を制定するならば本日ということになるのだろう。

「事後プロポーズ…まぁ、良いけど…うん、よろしくお願いします」

 トントンと背中を叩いて少しお姉さんかもせば、朋也くんは満ち足りた表情でフニフニと顔を胸にうずめた。

 しかしすぐにピタと止まり、改まったように顔を上げこちらを見つめる。

「約束、してもらって良いですか」

 真っ直ぐな目に、はてどんな婚前契約だろうとドキッとなる。
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