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6…胸を張る

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 ズラリと並んだドレスから該当するものを数点ピックアップしてもらい、中でも胸元から首への透け感が美しいものに目が留まる。

「これ、可愛い…これにします…朋也くん、どうかな」

「良いと思います」

 朋也くんもシルバーグレーのタキシードを選んで、それぞれ試着室へと入る。


「おぉ、こんな感じなのか」

 下着を外して、貸し出し用のブライダルインナーを着ける。

 胸元はパカパカするが、そんなのも覚悟はしていた。

 自虐は自虐であって、第三者に迷惑と気苦労をかけてはいけない。

 スタッフさんだって、経験から私の体型を察しているだろうし。

「詰めたりしなくて良いんで」

「かしこまりました」


 さっきの澤條さんは、プリンセスラインというのかボリューミーで分かりやすくお姫さまなドレスを着ていた。

 スタイルも良さそうだったし、似合っていて良いと思う。

 でも私はあれは似合わない。

 胸元は余るし髪型もフィットしなさそうだ。

「(…朋也くん、過去の彼女の胸と私を比較した時にそれっぽいこと言ってたもんな)」

 彼は私が無理を言い胸の比較をさせた際に、「片手で鷲掴みした時に肉が両端から漏れる、一番大きい人はそんな感じでした」などと言っていた。

 胸の大きさは相対的なものだから一概に大小は語れないと言う朋也くんの、記憶を暴いて披露させたのだ。

 その過去イチ巨乳なのが澤條さんなのかな、嫉妬というか朋也くんへのヤキモチがチリチリと胸の奥でくすぶり出す。

「(あんなん、絶対私よりエッチしてて楽しいでしょ…私なんかと比べ物にもなんないじゃん…恥ずい、)」

 ただの他所の花嫁さんならこんな気持ちにならずに済んだのに。

 だからカップル同士がバッティングしないように計らうんだよね、1日1組限定って配慮の塊だなぁと納得した。
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