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「…あったかい……あの、私、その…気持ち良くなかったらごめんね」

高まる緊張、想いが本当に通じ合っての営みに薫の不安も跳ね上がる。

「そんなこと気にしてるの?」

「だって、あれ以来してないから…も、求められなかったから」

 確かに聡太は薫とのセックスで達したことは無いが、判断材料が破瓜はかの一戦だけなのだからもう無記録と同じだろう。

 そして疑念を抱いたまま旨みだけ頂くなんて、双方の性格を考えればそんな都合の良い関係になれるはずがなかった。

 あれは前哨戦でテストでリハーサル、これからが本番だと言葉にせずとも薫だって理解しているようだった。


「信用云々の話だから……さて、」

 準備をして目が泳ぐ薫を見下ろして、聡太は

「薫ちゃん、初めての男は誰?」

と改めて問答を繰り出す。

「だから、聡太、くん…」

「2番目の男は?」

「聡太くんだって…あ、あ…」

 二人の距離が密になってゼロになってマイナスになる。

 入り込まれる異物感に薫の目が大きく開いて瞳が揺れた。


「処女膜、再生してないかな」

「してないッ…ごめんなさい、もう嘘つかなイ……あ、あ、」

 弱みを使って罪を責めて、罰に怯えるのに与えられるのは震えるような高揚感と快感。

 初めての夜よりもっと甘く、薫は聡太の腕の中でか弱く鳴いた。


「(可愛い…気持ち良いな…キツい…この前まで処女だったんだもんな…あー…すぐイキそ…気持ち良い…)」

「(声、我慢できない…気持ち良い…言ったら引いちゃう?すごい、気持ち良い…)」

「(デレてる、もっと奥に入りたいな…痛いかな…みっちり…すげぇ…)」

「(聡太くん…なにこれぇ…あ、赤ちゃんできちゃう…でももっと、奥まで来て…)」


 最中の会話は吐息と喘ぎ声だけ、二人は心中でそれぞれに想いをぶちまけては身体を合わせて汗をかく。

 そして聡太はまず1回達して、ピロートークもそこそこに2回目を始めて…「聡太くん、もう、変になっちゃう」なんて薫が涙目で伝えた瞬間に2発目のフィニッシュに至った。


 事後も言葉は少なく感想も言わず、その代わり狭いベッドでぎゅうとくっ付いて口付けては愛情を示した。
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