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しおりを挟む俺がひと目でロックオンされた魅力的なお尻だから、毎日見ている男が気にならないはずが無い。
もし俺が杏奈さんと同じ職場なら、事あるごとに見るし作業と称して触って喜ぶだろう。
杏奈さんはあの夜の喧嘩から俺に幻滅して、段々とフェードアウトするつもりかもしれない。
だって俺は、同じようなことをしている。
そして職場で「彼氏と別れちゃいました」なんて漏らして、「そんな男やめちゃいな、俺がそばに居るから」なんて言われたりして。
そして「近くに居たのに、大切さに気付かなくて」「俺はいつも、可愛いと思ってたよ」「チーフ♡」なんてなんて夜のオフィスで盛り上がったりしちゃったりして。
俺はこの1週間は自慰行為をしておらず、いわゆる"溜まった"状態だった。
動画もグラビアも観る気がしない、モヤモヤとムラムラが極まっている。
阿呆な妄想だが、嫌いになりきれない杏奈さんへの想いが募っては悪い方向に走り出していた。
「藤棚、顔色悪いぞ。大丈夫か?」
俺の異変に気付いた先輩が、声を掛けてくれる。
男の俺にさえこんな親切な先輩がいるんだ、女性の杏奈さんが調子を崩してたら全スタッフが心配するに違いない。
「あの、彼女が、心配で」
「え、体調悪いのか?」
「いえ、何でも…」
もしや今頃、オフィスで複数人にマワされたりしてたらどうしよう、俺の変態妄想は行き着く所まで行ってしまった。
とはいえ仕事を抜ける訳にもいかず、しかし明らかにハイでおかしい俺を同僚も上司も心配してくれた。
なので「今日は上がれ」と定時きっかりで追い出された。
「お疲れさまです!」
杏奈さんの職場が入るビルは、俺の会社から3キロほど離れている。
俺は電車通勤なので足は無し、まだ明るいので走ることにした。
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