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しおりを挟む「えっと…そちらは、お仕事は?」
「服飾関係ですね、デザイナーみたいなものです」
「ほー、オシャレですね」
「いえいえ、私は自分の着る物には無頓着で…よく怒られるんです」
誰にだろう、夫だったら悲しいかも。
「え、会社の方に?」
「はい、プロデューサーに。ブランドを背負うんだから、きちんとしなさい、って…」
「じゃあ今日の服も、自前のですか」
「そうなんです…わ、私はもっと、ゆるゆるした服が好きなんですけど…」
そう言う彼女の、膝が揺れる。
上は余裕のあるシャツだが、下はピタピタのジーンズだ。
たぶんそのことを指しているのだろう、俺は好みだが彼女はそう気に入ってないらしい。
「お似合いですよ」
「あ、りがとうございます…」
「(俺、めっちゃ口説いてるわ)」
ナンパもしたことないのに、変なスイッチが入ってしまっている。
妄想が趣味なだけで遊び人でもない硬派のつもりなのに、悪い印象を持たれたら損だな。
しかし俺の思惑とは裏腹に、彼女とは話が弾んだ。
彼女は仕事で取引先へ行くらしく、緊張しているそうだ。
だからトイレが近い、というのは言及せずとも分かることだった。
お互い独身で、決まった相手もいないということも分かった。
大阪に着くまでに何か起こるか…起こしても良いが尚早かなと思った。
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