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しおりを挟むトイレをして席へ戻ると、お姉さんは通路に立って俺を待っていた。
「お待たせしました」
「いえいえ」
俺は窓側へ、お姉さんは通路側へ、それぞれ着席する。
彼女の前の座席は、さっきよりも大きく倒れていた。
窮屈だろうが、半歩で通路に出られるから我慢できるだろう。
「…あの、」
お姉さんが明らかに俺に対して喋りかけた。
「…はい、」
「何関係の…お仕事なんですか?」
「えーっと、食品の販売、営業ですね」
「もしかして、お醤油ですか?」
「え、なんで⁉︎」
そう、俺は醤油をメインに扱う食品会社に勤めている。
今回は販路拡大のために近畿への遠征をかけている訳なのだが…まさか言い当てられるとは思っていなかった。
「良い匂いがするので」
「それは、おかきでは?」
「いいえ、最初から。だからお好きなのかなって思ってあれにしたんです」
「えー、すごいな…そう、醸造蔵がメインで、発酵食品とか…あ、試作品の瓶があるからそれかも…フタはしてるんですけど匂いましたか」
「良い匂いです…私、お醤油好きなので」
何だか好感触、「俺も貴女のお尻が好きです」と言ってしまいたくなる。
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