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しおりを挟む俺は仕事で大阪へ向かう予定だ。
さっきのお尻のお姉さんも、同じ新幹線に乗るらしい。
「(車輌は違うだろうから、ここでサヨナラだな、良いお尻のオネーサン……お?お?)」
スーツケースを引いたお姉さんは、俺を先導するように歩く。
まさか同じ車輌なのか、そのまさかが起こるようだ。
俺はしれっとお姉さんの後ろに立ち、しかし適度な距離を取って斜め上から尻を眺めた。
「(さっきは見上げだったからね)」
ぷりんとして、でも小振りではない。
女性は大きなお尻を恥じる人もいるだろうが、俺にとってはチャームポイントだ。
大きければ良いというものでも無いが、小さいより大きい方が俺は好みである。
「(あ、見とこ)」
鞄の中に入れているビニール袋を出して、漏れてないか確認する。
これは言わば仕事道具、売り込む商品のひとつなのだ。
どうやら大丈夫っぽい、フタをしてジップを閉めて、また鞄へ収める。
「(しゃがんでおけば、お尻が近いけど)」
そうもいかず、しっかり立ち上がる。
お姉さんは身長は俺より頭1個分は低くて、セクシーなお尻とは裏腹に上半身はカッチリしている雰囲気だ。
裾が長めのシャツは体型より大きめで、それをふんわり纏い長袖で手首まで隠している。
襟元はもちろん上までボタンを留めているのだろう、俺からは見えないがそんな感じがする。
白地に青のストライプが爽やかで、これから旅行にでも出掛けるのかスーツケースはポップな水玉模様だ。
髪型はロングヘアをひとつに括り左側に全て寄せている。
耳たぶにはピアスがひとつ、お洒落でよろしい。
連れはおらずひとりっぽい、だから何だという感じだが俺と同じ境遇なんだなと妙な親近感が湧いた。
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