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しおりを挟む新大阪へ着いて、俺たちは一緒にコンコースまで降りて改札を抜けた。
「私、こちらなので」
「はい、あの、また、」
「はい、また…お食事でも」
桜井さんはペコリと頭を下げて、スーツケースを引き北口へと歩き出す。
数時間前と変わらず魅力的なお尻、手の届く距離に近付いたとあってその輝きたるや眩し過ぎる。
「(…何だろうな、イケる気がすると恐れ多く感じるな)」
グラビアを批評するのとは違う、生身の人間と関わる重責。
簡単に「触らせて」なんて言えない、ましてや「繋がりたい」などとは。
これから距離を縮めて、交際に発展させて、時期を待って。
それまで熟成させるのだから、実食時の感動たるや…想像もつかない。
「(お尻もそうだけど、顔も可愛かったし…朗らかで良い子だったな)」
優しそうだし気も利くし、あの腰の低さがなんとも奥ゆかしくて良い。
従えたい訳ではないが、人に謝れるのはひとつの技能と考えているので良い印象を持った。
「(良い匂いって言われちゃったよ)」
染み付いた仕事道具の匂い、それを褒められたとあっては嬉しいが溢れる。
仕事の張りになる、原動力になる。
桜井さんのおかげで頑張れそうだ…取引先へ向かう足取りはかつて無く軽かった。
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