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何でも話せる、それは彼女じゃなきゃだめ?
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しおりを挟むふらふらと歩く彼の背中を3秒ほど見送って、素早く扉を閉める。
それから家にある中で一番大きな段ボール箱を組み立てて彼の物を収めることにした。
「…あんなに弱々しい姿、初めて」
最初で最後の弱気な彼は、これまでの不遜な態度からすれば衝撃的だった。
『恋は盲目』と言うし、元々がそうでもないのにキラキラ輝いて見えていたのか。
彼を慕うことで私もまた、彼に優越感を与えていたのかもしれない。
頼りにされると誇らしいし自信に繋がるよね、それは分かる。
でも深く立ち入らない線引きとか、私に悟られない配慮は必要だったはずだ。
虚しい、スカッともしないし報われない恋だった。
あの相談女に痛手は無いんだろうし、新たな依代を見つけるのだろうし。
はぁーと大きくため息をついて、箱に封をした。
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