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2◆ミカエル視点

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俺には可愛い弟がいる。

お兄ちゃん大好きっ子で、甘えん坊で、たまに困ったちゃんだけど、俺の大切な弟だ。

俺には、母さんのように強い男になって家族を守れる人になりたいという夢がある。

日々鍛練のために早起きをするんだが、弟のジルは俺よりも早起きなんだ。

「ジル、おはよう」

「お兄ちゃん♡おはよう!」

目を覚ますと、俺はいつもヨダレまみれになっているから、そんな俺をみられるのはお兄ちゃんとしてちょっと恥ずかしい。

でも、ジルが嬉しそうに笑って抱きついてくるから嫌とは言い切れない。

俺の弟が朝から可愛いのは、いつものことだ。

今はまだ幼いジルだけれど、もし恋人なんて連れてきた日には、その恋人を倒してしまう自信がある。

俺の屍を踏み越えていけない奴は、ジルの恋人に相応しくない。

俺の可愛い弟を早々嫁にはやらん。

もちろん、婿にもやらん。



「母さん、父さん、おはよう」

「ママ、パパ、おはよう!」

リビングに行くと、コーヒーを飲んでいる母さんとエプロンを身につけて調理をしている父さんがこちらを向いて、返事をしてくれた。

「ミー君、ジルちゃん、おはよう」

父さんは、穏やかな微笑みを浮かべている。

「ミカエル、ジルベルト、おはよう」

母さんは、武人のような雄臭い微笑みを浮かべた。

リコリス家では、母のポジションと父のポジションが普通の家庭とは入れ替わっている。

母さん(女)が父のポジションで、父さん(男)が母のポジションだ。

炊事洗濯掃除等々は父さんがしているけれど、それは単に母さんに尽くしたくてしていることらしい。

ちなみに、母さんも料理はできる。

ザ・男飯になるが、食べ盛りには嬉しいボリュームなんだ。

………まぁ、ジルにはキツイ量だけど。

父さんにもキツイ量だけど………。

俺と母さんはむしろおかわりしている。

このことについて父さんは、細身故に何度チャレンジしても敗北続きなんだそうだ。



………夫婦の夜については、知りたくないのでノーコメントだ。

どんな風にしているなんて、息子としてとにかく知りたくない。

でも、俺とジルが生まれているんだから………男女の営みをしているんだろう。

実際、ジルを妊娠中はお腹膨らんでいたからね。



「お兄ちゃん、今日も見学に行ってもいい?」

「もちろんいいよ」

俺は騎士見習いとして、騎士団で日々鍛練に励んでいる。

ジルが見学に来てくれるのが、実はすごく嬉しいと思っているんだ。




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