華奢な引きこもり魔術師と、マッチョな押しかけ女房

18◆マチルダ視点

「マチルダ……その、デートをしないか？」

ジルベルトの衝撃の発言に、思わず私の胸筋が高鳴ってしまった。

「いいのか？外は苦手だろ？」

ジルベルトが外に出るのが苦手なのは、ちゃんと理解しているつもりだ。

だから、ジルベルトからのデートの誘いは嬉しいのだが、私はジルベルトのことを心配してしまう。

「俺達は婚約しているんだから、婚約者らしい………男女の付き合いをしたいんだ」

赤面しているジルベルトが、ものすごく尊いような可愛さをみせている………お持ち帰りしていいだろうか？

あ、ここは家だったな。

私は、ジルベルトの手を握り微笑んだ。

「ジルベルトの誘いを、断るわけがない。喜んで地の果てまで行くとしよう」

「地の果てまでは行かないよ！？」

私は、さりげなくジルベルトの腰を抱き寄せてみた。

ジルベルトの華奢な身体を、私のゴツい身体と密着させて、私を意識させようという作戦だ。

「マチルダ、くっつきすぎだ………」

「婚約者なのだから、いいだろう」

みるみる内に真っ赤になるジルベルト。

少しは、私を意識してくれているのだろうか？

早く私の男にしたいものだな。