上 下
45 / 50

45◆ハロルド視点

しおりを挟む
★エドワードがハロルドたちのところから旅立ってから[幸せ大パニック]が起きるまでのハロルドとセイン。




僕とセインは、エド君が心配だからキャンプすることにした。

場所はどこかって?

もちろん、パルマとかいう害虫の屋敷を見張れる山の中。

僕は魔物たちに探してもらって、すでに屋敷をみつけていたんだ。

エド君があの害虫パルマなんかを助けたいって思わなかったら、僕はあの5人を殺すつもりでいたんだよね。

ああん!
エド君はやっぱり優しいな~!
さすが僕の愛するエド君!

セイン「エドに俺たちが近くにいると気づかれないのか?」
ハロルド「結界が得意の魔物に、認識阻害系の結界を張ってもらってるから大丈夫だよ」

仕方ないとはいえ、しばらくセインと二人で生活するから(しかも山の中)僕が魔物に好かれやすいと話しておいた。(スキルの話は内緒のままだけどね)

僕たちのキャンプは、正確にいうと…僕とセインと魔物複数(仲間)でしている。

魔物に好かれやすいって言ったら、セインのやつ笑顔で「すごい」と言っていたんだ。

セイン「こんなに魔物に好かれて、ハロルドは根っからの良い人なんだな!魔物は警戒心が強いと聞くのに、こんなに愛されるのはハロルド自身が良い人だからに違いない!」
ハロルド「……僕のこと……気持ち悪くないの?」

つい、聞いてしまった。
セインは…なんて答えるかな………。



僕は昔、スキルのせいで子供の頃は散々だった。

「気持ち悪い」「怖い」「近寄るな」「悪魔の子」

いろんな人に、心ないことをいっぱい言われて、ときには暴力だって振るわれた。

でも、一番傷ついたのは………。

「お前なんか産まなければ良かった!」
「お前が俺たちの幸せを奪ったんだ!」

母さんと父さんの……罵声と暴力。

僕は、自力で生きられるぐらい成長するまで罵声と暴力を日常的に受けていた。

そして………。

10歳の誕生日に、全てが終わった。

たぶん、限界だったんだと思う。

もう少し耐えるつもりだったんだけど、頭で考えることと心の判断は違った。

家にあった普通のフォークとナイフを全部と、包丁も全て『浮遊』のスキルで浮いて………最初に両親を殺した。

投げるならナイフが一番しっくりきて、ナイフは直接投げた。

両親が死んだら、次にいく。

魔物に頼んで、町から逃げる人は魔物が殺す。

一人も逃がさない。
敵を駆除しないと。

もし、僕に酷い仕打ちをしていない人がいたらその人は生き残ったのに……皆はバカなんだね。

その日、その町は生存者0人で滅んだ。



僕は別の離れた町で、働いて生活していた。

誰にもスキルのことを話していないから皆が優しくしてくれる。

いつしか「ギルドで働いてみないか?」とギルマスからスカウトされて、ギルド職員として頑張るようになった。

でも、どうやら僕はキレると隠し持っているナイフを投げてしまうみたいで、ちょっとだけそれが悩みのタネかな。



セイン「何故気持ち悪く思うと思ったんだ?どこも気持ち悪くないぞ!魔物もハロルドも可愛いぞ!自信をもっていいと俺は思うぞ~アハハ!」

………ちょっとだけ、セインと歩み寄ってもいいと思った瞬間だった。

一番はエド君だけどね!



しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

気づいたら周りの皆が僕を溺愛していた

しののめ
BL
クーレル侯爵家に末っ子として生まれたノエル・クーレルがなんだかんだあって、兄×2や学園の友達etc…に溺愛される??? 家庭環境複雑だけれど、皆に愛されながら毎日を必死に生きる、ノエルの物語です。 R表現の際には※をつけさせて頂きます。当分は無い予定です。 現在文章の大工事中です。複数表現を改める、大きくシーンの描写を改める箇所があると思います。当時は時間が取れず以降の投稿が出来ませんでしたが、現在まで多くの方に閲覧頂いている為、改稿が終わり次第完結までの展開を書き進めようと思っております。 (第1章の改稿が完了しました。2024/11/17) (第2章の改稿が完了しました。2024/12/18)

お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?

麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。

生まれ変わりは嫌われ者

青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。 「ケイラ…っ!!」 王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。 「グレン……。愛してる。」 「あぁ。俺も愛してるケイラ。」 壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。 ━━━━━━━━━━━━━━━ あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。 なのにー、 運命というのは時に残酷なものだ。 俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。 一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。 ★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!

ブレスレットが運んできたもの

mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。 そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。 血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。 これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。 俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。 そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?

繋がれた絆はどこまでも

mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。 そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。 ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。 当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。 それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。 次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。 そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。 その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。 それを見たライトは、ある決意をし……?

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

処理中です...