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12◆エドワード視点

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セイン「よし、わかった!結婚しよう!!」
エドワード「!?」

何故そうなった?

ハグを求めた理由は、ハグは抱き締めるだけの行為だからこの場でさっとできて、お金もかからない。

そんな理由だったんだけど、何でいきなり結婚しようなんて言葉を言われたのかよくわからない。

キリッとした顔しているけど、お断りだよ?

そして、僕は躊躇いなしにお断りの言葉を言ったんだけどね………。

セイン「エドは照れ屋なんだな!可愛いぞ!!」

……何故だろう。
好感度が上がってしまったようだ。

困惑の表情で何度もお断りしても無駄だった。

意味が、正しく伝わらない。
こんな人はじめてだよ………ちょっと疲れた。


とりあえず、迷子のセインを国に帰そうと思ったからそう言ってみた。

ところが、セインがキョトンとした表情で言ったことに…軽く頭が痛くなった。

セイン「俺はエドの夫なんだから、ずっと一緒にいるぞ?」

………待て。

いつ結婚した?
ちゃんと何回もお断りしたよね?

なんで夫にレベルアップしているんだ!?


僕は、これ以上どうしたらいいかわからなくて逃げた。

走って逃げた。
けど、セインは当たり前のように隣にいる。
走る程度では逃げられないらしい。

僕は『速度上昇』のスキルを足に使って走る速さを上げたけど、残念ながら無駄だった。

速度上昇は、速度を上げるスキルで身体の一部に使うことも全身に使うこともできる。

結局逃げられないことがわかって、疲れたので諦めてしまった。

どうしても逃げたくなったら転移すれば逃げられるので、必死になる必要はないんだ。


仕方ないけど、二人で行動することになった。

[薬草採取]のクエストに必要な薬草もしっかり集めたので、あとは町に帰るだけだと思っていたが………。

セイン「エド、この果実は実に美味いんだ!」

パクパク美味しそうに果実を食べて、僕にもくれているけど………ちょっと待って!?

エドワード「それは猛毒の果実ですよ!?死にますよ!!ぺっ!と吐き出してください!早く!!!!」

あの果実は、匂いは甘くいい匂いだが…見た目は紫の皮に黒のぶつぶつがあって……不気味で有名な猛毒の果実。

どのくらいの威力の毒かというと、人間や動物なら即死レベルの猛毒。

………つまり、セインはこのままでは死んでしまう!!

と、人の心配なんて何のその……相変わらずパクパク食べている。

セイン「猛毒?そうなのか。俺はよく食べているんだが平気だぞ。まぁ、俺が平気でも毒なんだったら人にオススメはもう止めよう」

そう言って、モグモグゴックンといまだに食べている。

エドワード「……身体、なんともないんですか?」
セイン「ピリピリしていて、甘い香りなのにスパイシーでいて爽やかな味わいでとても美味しい!」

………。
どうやら、セインはもはや人外のレベルなんだなと………笑うしかなかった。

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