婚約破棄されたから能力隠すのやめまーすw

10◆エドワード視点

僕はクエストで、[薬草採取]をしていた。
採取もスキルでどこにあるかはわかるけど、数がいるから地味に大変なんだよね。

それで、コツコツ頑張っていたらどこかから声がしたんだ。

？「おーーい！銀髪さーーん！」

誰が銀髪さんだ。

男性の声がするけど、どこにもいなくてキョロキョロしていたら、男性は上だと言った。

それで上をみたら………いた。

背がわりと高い木の…ほとんど先端の部分にしがみついていた。

？「助けてくれーーー！！」

ずいぶん距離があるから、僕のことは髪の色しか認識できなかったのかもしれない。

とりあえず、急がないと男性が力尽きたら落ちてしまう！！

確実に即死する高さなので、素早く男性を救助した。

ちなみに、『飛行』のスキルで飛んで男性のところに行って、『怪力』のスキルで男性をお姫様抱っこした。

怪力を使った理由は、その男性がゴリマッチョだったから僕の腕の力が足りないと思ったんだ。


そして助けた男性は、セインというらしい。

セイン「いや～助かった！ありがとうな！」
エドワード「何故木の先端にいたんですか？」

あははと笑うセインに、疑問を素直に聞いてみたが……笑い事ではないよ？
 
セイン「ちょっと散歩していたら迷子になった。木に登れば現在地がわかると思ったが降りられなくなった」

内容がなんとも子供っぽいけど、明らかに成人男性だ。

………ちなみに、24歳らしい。

さらに、服装が薄いシャツにズボンとブーツ…この服装で森の奥にいるのは変な気がして聞いたら………発想が脳筋だった。

話をまとめると、セインはこの森より少し離れた国で騎士をしている。
性格は、身体を動かすのがとにかく大好きで、軽い散歩のつもりでフラッと遠く離れた場所にも平気で行く。
ちなみに、財布しかもっていない。
帰りのことは、帰るときに考える。
ついでに、方向音痴でもある。


………。

エドワード「心配とかされないんですか？」

純粋にそう思った。

余計なお世話かもしれないけど、フラッといなくなるのは僕だったら嫌だな。

セイン「皆二回目で慣れるぞ！」

ドヤ顔で言われても、返事に困ってしまうよ。