にゃんこの日常〜飼い主よ、俺を愛して！〜

14◆セス視点

なんだか、とても頭がスッキリするような………身体が軽いような………今日はずっと不思議な感じがする。

………だからだろうか？

とても………前向きなことを考えてしまうのは………。



「………」

私は、ずいぶん久しぶりの実家に来ていた。

………でも、やはり私は顔を出さない方がいいだろうと思い直し、家の前まで来たのに家に背を向けた。

足を進めようとしたその時………。

「兄さん？」

！！

そこには、クリスがいた。

久しぶりに会ったクリスは、なかなかの好青年になっていた。

それに………初めて『兄さん』と言われた！

「クリス………」

「兄さん！今までどこほっつき歩いてたんだ！父さんも母さんも心配してたんだぞ！ちゃんと家に顔出せよな！」

「え！？あ、ごめんなさい……」

「まったく、お帰りなさい………俺の兄さん」

照れたように笑うクリス。

あぁ、私は夢をみているのか？

あのクリスが、私に笑みを向けるなんて………！

私は、あまりのことに涙が溢れてきてしまった。

「あぁもう！こんなところで泣かないの！俺がいじめたみたいじゃないか！ほら、突っ立ってないで、早く入れよ。久しぶりの我が家なんだから」

「はい……はい……！」

クリスに手を引かれて、私は久しぶりにこの家に足を踏み入れた。