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14◆アシュラ視点
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不思議な感覚です。
アシュラとしての私の記憶と、アンリとしての記憶がマーブルのように混じり合う。
私とトモキが出会ったのには、ちゃんと意味があったんですね。
僕は……もう諦めていたのにね。
諦めて、世界と共に滅びればトゥーラへの贖罪になると思っていたんだよ。
けれど、私は生きることを諦めたことはありません。
どれだけアンリが死ぬ気だったとしても、それは私とは違う感情です。
嫌な人生でも、生きていたらいいこともあるんですよ。
ほら、生きていたからトモキと出会って一緒に旅をしました。
あぁ、記憶を思い出せたからわかることもあります。
トモキが、聖の力があるのに聖魔術が使えず、武器に力を付与できたのは………。
死を司る神だから、死を与える物になら力を付与できたのでしょうね。
聖魔術は、回復や結界も含む守りの力でもあります。
死を司る神は、守りというより攻めの方が得意でしょう。
だから、聖魔術が使えないんです。
お互いに記憶を忘れてしまっていたから、お互いになかなか気づきませんでした。
「トゥーラ、愛しているよ」
「もう浮気するなよ。アンリ、愛している」
目が覚めると、トモキは毎朝の恒例私の抱き枕になっていました。
「トモキ……はぅ!」
トモキの寝顔に、私は今まで以上にドキドキしてしまいます。
何か昨日あったような気がしますが、思い出せないので特に気にするようなことではないのでしょう。
それにしても、まるで急にトモキに恋心をもったみたいにドキドキします。
恋って、ある日突然落ちるものなんですね。
初恋なので、初めて知りました。
これからは、トモキにも惚れてもらうためにいっぱいアピールしましょう!
私とトモキには、謎の夢の記憶も昨日の記憶もスッポリ消えていました。
そして、世界の脅威である闇が突如世界から消えたと全世界で祝いの祭りや宴なんかが開かれました。
闇の化け物も全て消えたのか、目撃されることがなくなりました。
あの闇は一体、何だったのかは未だにわかりません。
しかし、平和になったならこれからはトモキとスローライフでもしましょうか。
きっと楽しいでしょうね!
「トゥーラ、僕のこと蹴って♡」
「可愛いアンリ。蹴りもいいがキスをしよう」
「トゥーラ、愛してる♡」
「俺もアンリを愛している」
平和になった世界の空で、生の神と死の神は今日も愛しあっています。
完
★
読んでくれてありがとうございました!
アシュラとしての私の記憶と、アンリとしての記憶がマーブルのように混じり合う。
私とトモキが出会ったのには、ちゃんと意味があったんですね。
僕は……もう諦めていたのにね。
諦めて、世界と共に滅びればトゥーラへの贖罪になると思っていたんだよ。
けれど、私は生きることを諦めたことはありません。
どれだけアンリが死ぬ気だったとしても、それは私とは違う感情です。
嫌な人生でも、生きていたらいいこともあるんですよ。
ほら、生きていたからトモキと出会って一緒に旅をしました。
あぁ、記憶を思い出せたからわかることもあります。
トモキが、聖の力があるのに聖魔術が使えず、武器に力を付与できたのは………。
死を司る神だから、死を与える物になら力を付与できたのでしょうね。
聖魔術は、回復や結界も含む守りの力でもあります。
死を司る神は、守りというより攻めの方が得意でしょう。
だから、聖魔術が使えないんです。
お互いに記憶を忘れてしまっていたから、お互いになかなか気づきませんでした。
「トゥーラ、愛しているよ」
「もう浮気するなよ。アンリ、愛している」
目が覚めると、トモキは毎朝の恒例私の抱き枕になっていました。
「トモキ……はぅ!」
トモキの寝顔に、私は今まで以上にドキドキしてしまいます。
何か昨日あったような気がしますが、思い出せないので特に気にするようなことではないのでしょう。
それにしても、まるで急にトモキに恋心をもったみたいにドキドキします。
恋って、ある日突然落ちるものなんですね。
初恋なので、初めて知りました。
これからは、トモキにも惚れてもらうためにいっぱいアピールしましょう!
私とトモキには、謎の夢の記憶も昨日の記憶もスッポリ消えていました。
そして、世界の脅威である闇が突如世界から消えたと全世界で祝いの祭りや宴なんかが開かれました。
闇の化け物も全て消えたのか、目撃されることがなくなりました。
あの闇は一体、何だったのかは未だにわかりません。
しかし、平和になったならこれからはトモキとスローライフでもしましょうか。
きっと楽しいでしょうね!
「トゥーラ、僕のこと蹴って♡」
「可愛いアンリ。蹴りもいいがキスをしよう」
「トゥーラ、愛してる♡」
「俺もアンリを愛している」
平和になった世界の空で、生の神と死の神は今日も愛しあっています。
完
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読んでくれてありがとうございました!
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コメントありがとうございます(*´ω`*)
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