1 / 14
1◆トモキ視点
しおりを挟む
俺は中井トモキ。
21歳の大学生だったが、今は見知らぬ森にいる。
俺の住んでいる場所の近くに、森なんかありはしない。
そして、俺は森になんてそもそも入っていない。
俺は今、普通に大学の教室にいたんだ。
ではなぜ、森にいるのか?
それは俺にもわからない。
もしかしたら、これは巷で噂の異世界転移かもしれない。
もしかして、今の俺にはチートな能力が備わって、この世界で無双とかしちゃって、ウハウハな人生送っちゃうのかもしれない。
やばい、楽しくなってきた!
俺が一人ウキウキしていると、背後で何かが動く音がした。
もしや、これはヒロインとの出会いでは!?
俺は早速ヒロインと出会っちゃうのかな!?
ワクワクとした気持ちで後ろを振り向くと………そこには顔が半分溶けてしまっているゾンビがいた。
………なんでやねん!!
「ぎゃあーーー!?」
俺は走った。
全力で走った。
ゾンビといえば、噛まれたら俺もゾンビ化する……それがゾンビだろ?
やばい!
生命の危機だ。
走れ走れ俺よ走れ!
メロスも驚くぐらい走るんだ!!
追いかけてくるゾンビを、俺は必死に巻こうとするけれど何気にアイツしつこい。
ストーカー並みにしつこい。
追いかけてくるんじゃねーよ!
俺の食生活は乱れているから、俺を食べても美味しくないよ。
絶対まずいよ。激まずだよ。だから他行け!
しかし、俺は転んでしまいゾンビが追いついてしまった。
あぁ、もう俺は駄目だ。
死んでしまう……いや、ゾンビになってしまう。
クソ!まだ童貞だったのに!
まだ女の子と付き合ったことすらないのに!
なんてこったい!
神様酷いよ………。
そんなことを思っていると、一人の青年が現れた。
「聖なる力よ!闇を祓いたまえ!」
神々しいまでの眩い光が辺りを照らし、ゾンビはその光を浴びて、その身体を光の粒子にして天に昇って消えていった。
「あのゾンビは浄化したので、もう大丈夫です。お怪我はないですか?」
白いローブ姿の青年は、俺に手を差し伸べてくれた。
慈愛の微笑みを浮かべていて、なんて綺麗な人だろうと見惚れてしまう。
女性のように美しいけれど、声は男性なのでたぶん男性なのだろう。
「ありがとう。あの……あのゾンビって一体?」
「あのゾンビは、元は人間だったのですが闇に汚染されてしまった哀れな存在なのです。貴方は見かけない人ですね」
「えっと、俺の名前は中井トモキです」
「私はアシュラ。ナカイトモキとは変わった名前ですね」
「トモキが名前です。中井は家名です」
「おや、ではトモキ。ここは危険ですので、少し移動しましょう。まだ近くにゾンビがいる気配がするのです」
「へ!?は、早く移動しよう!」
またゾンビが出ないうちに、俺達は移動した。
21歳の大学生だったが、今は見知らぬ森にいる。
俺の住んでいる場所の近くに、森なんかありはしない。
そして、俺は森になんてそもそも入っていない。
俺は今、普通に大学の教室にいたんだ。
ではなぜ、森にいるのか?
それは俺にもわからない。
もしかしたら、これは巷で噂の異世界転移かもしれない。
もしかして、今の俺にはチートな能力が備わって、この世界で無双とかしちゃって、ウハウハな人生送っちゃうのかもしれない。
やばい、楽しくなってきた!
俺が一人ウキウキしていると、背後で何かが動く音がした。
もしや、これはヒロインとの出会いでは!?
俺は早速ヒロインと出会っちゃうのかな!?
ワクワクとした気持ちで後ろを振り向くと………そこには顔が半分溶けてしまっているゾンビがいた。
………なんでやねん!!
「ぎゃあーーー!?」
俺は走った。
全力で走った。
ゾンビといえば、噛まれたら俺もゾンビ化する……それがゾンビだろ?
やばい!
生命の危機だ。
走れ走れ俺よ走れ!
メロスも驚くぐらい走るんだ!!
追いかけてくるゾンビを、俺は必死に巻こうとするけれど何気にアイツしつこい。
ストーカー並みにしつこい。
追いかけてくるんじゃねーよ!
俺の食生活は乱れているから、俺を食べても美味しくないよ。
絶対まずいよ。激まずだよ。だから他行け!
しかし、俺は転んでしまいゾンビが追いついてしまった。
あぁ、もう俺は駄目だ。
死んでしまう……いや、ゾンビになってしまう。
クソ!まだ童貞だったのに!
まだ女の子と付き合ったことすらないのに!
なんてこったい!
神様酷いよ………。
そんなことを思っていると、一人の青年が現れた。
「聖なる力よ!闇を祓いたまえ!」
神々しいまでの眩い光が辺りを照らし、ゾンビはその光を浴びて、その身体を光の粒子にして天に昇って消えていった。
「あのゾンビは浄化したので、もう大丈夫です。お怪我はないですか?」
白いローブ姿の青年は、俺に手を差し伸べてくれた。
慈愛の微笑みを浮かべていて、なんて綺麗な人だろうと見惚れてしまう。
女性のように美しいけれど、声は男性なのでたぶん男性なのだろう。
「ありがとう。あの……あのゾンビって一体?」
「あのゾンビは、元は人間だったのですが闇に汚染されてしまった哀れな存在なのです。貴方は見かけない人ですね」
「えっと、俺の名前は中井トモキです」
「私はアシュラ。ナカイトモキとは変わった名前ですね」
「トモキが名前です。中井は家名です」
「おや、ではトモキ。ここは危険ですので、少し移動しましょう。まだ近くにゾンビがいる気配がするのです」
「へ!?は、早く移動しよう!」
またゾンビが出ないうちに、俺達は移動した。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
世界⇔異世界 THERE AND BACK!!
西順
ファンタジー
ある日、異世界と行き来できる『門』を手に入れた。
友人たちとの下校中に橋で多重事故に巻き込まれたハルアキは、そのきっかけを作った天使からお詫びとしてある能力を授かる。それは、THERE AND BACK=往復。異世界と地球を行き来する能力だった。
しかし異世界へ転移してみると、着いた先は暗い崖の下。しかも出口はどこにもなさそうだ。
「いや、これ詰んでない? 仕方ない。トンネル掘るか!」
これはRPGを彷彿とさせるゲームのように、魔法やスキルの存在する剣と魔法のファンタジー世界と地球を往復しながら、主人公たちが降り掛かる数々の問題を、時に強引に、時に力業で解決していく冒険譚。たまには頭も使うかも。
週一、不定期投稿していきます。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも投稿しています。
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
天職はドロップ率300%の盗賊、錬金術師を騙る。
朱本来未
ファンタジー
魔術師の大家であるレッドグレイヴ家に生を受けたヒイロは、15歳を迎えて受けた成人の儀で盗賊の天職を授けられた。
天職が王家からの心象が悪い盗賊になってしまったヒイロは、廃嫡されてレッドグレイヴ領からの追放されることとなった。
ヒイロは以前から魔術師以外の天職に可能性を感じていたこともあり、追放処分を抵抗することなく受け入れ、レッドグレイヴ領から出奔するのだった。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる