平凡ハイスペックのマイペース少年！〜王道学園風〜

夏休み

72◆梓視点

それから少しして、今度は生徒会と別荘に行く日になった。

2泊3日という宿泊だ。

やはり兄ちゃんは俺にしがみついていたけれど、若葉さんのハリセンで大人しくなっていた。

「竜城君、久しぶりですね」

「由良さん、お久しぶりです」

生徒会を代表して、車で迎えにきてくれた由良さん。

他の生徒会メンバーは、各自別荘に向かっているそうだ。

俺は由良さんに促されて、車に乗った。



別荘に着くと、すでに皆到着していた。

挨拶を済ませると、由良さんは俺にあることを提案した。

「私だけ名前呼びなのはズルいらしいので、皆で名前呼びしませんか？」

慈愛の眼差しの由良さん。

………なんというか、由良さんはやっぱりお母さんだなと思ったのは内緒にしてくれ。



「梓君、水着は持ってきましたか？」

せっかく湖があるんだからと、水泳をしようという話になり、水着があるかと問われる。

ちゃんと持ってきておいて良かった！

「梓さん、水着がないなら俺の予備をどうぞ」

そう言って真紅は、兎柄の水着を差し出した。

「俺、ちゃんと水着あるから大丈夫だよ。ありがとう」

その兎柄の水着を穿きたくない俺は、水着を持ってきてすごく助かったと思っている。

「梓、俺の水着はかっこいいだろ！」

「脱げないといいですね」

「脱げねぇよ！？」

巴さんのブーメランな水着は、かっこいいけど巴さんだから……脱げないか心配だ。

「水着なんか不要！」

「穿けよ！？」

カイリさんはすっぽんぽんになって腰を振り、股間のナニを揺らしている。

つい突っ込んでしまったじゃないか！

「カイリ！穿きなさい！」

「嫌だよ～♪」

「待ちなさい！！」

すっぽんぽんのカイリさんを、由良さんが水着片手に追いかける。

そして、逃げるカイリさん。

由良さん……苦労しているなぁ。

「……騒がしくて、すまない………」

「いえ、大丈夫です」

満さんは、カイリさんを呆れた眼差しでみている。

とりあえず、カイリさんは由良さんに水着を穿かされていた。