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1学期

24◆梓視点

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転入生の桜崎は、天然パーマに眼鏡だった。

そのせいか、天波がはぁはぁ言っいる。……えぇ。

「はぁはぁ……これは、王道転入生なのでは!?はぁはぁ……」

今の天波は、ジリジリ迫る獰猛な肉食獣だ。

天波の美少女顔が変態顔になっているせいなのか、桜崎もジリジリと後ろに逃げている。

「逃げないでよ……その髪は地毛?それともカツラ?眼鏡は伊達?」

「怖いですよ!?地毛ですよ。眼鏡は本物です。視力悪いんですよ」

桜崎はちょっと怯えているが、聞かれたことにはちゃんと答えている。

「じゃあ、男とのお付き合い経験は?男とキスした経験は?男と性行為した経験は?」

「あるわけないでしょ!?!?」

桜崎は、恥ずかしいことを言われたせいか赤くなっている。

初対面の人に、いきなりキスとか性行為とかの経験聞かれたら、赤くもなるよなぁ………。

可哀想になってきたので、俺は桜崎を助けるためにちょっと背中に庇った。

「セクハラだぞ」

「だって~!!」

プンプン頬を膨らませても、セクハラはセクハラだぞ。

「………僕、彼女一筋なので、浮気する気はないです。あと、ノーマルです」

桜崎は真面目な顔で、彼女がいることをカミングアウトした。

おぉ……もしかしてこれは、変なフラグが立たないように事前に予防しているのかな?

「は!?ノーマル?彼女一筋!?………王道転入生じゃないのかな………ショック」

萎んだ風船みたいに、元気がなくなった天波。

いつも思うけど、欲望に素直だよな。

「彼女一筋のノーマルじゃ、男とイチャコラして、キスしまくって、所構わずアンアンしているドリームパラダイスがみれないよ~!!」

「うわぁ………」

本当に欲望に素直だな!?

「………僕、あの人に嫌われてるんですか?」

桜崎のドン引きが、声からヒシヒシと伝わってくる。

「そういうわけじゃないと思うよ。ただ、男同士のラブラブがみたいだけの人だね」

「………僕、あの人のご期待には添えません」

「添わなくていいと思うよ」

桜崎、転入初日に災難だったな。
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