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10◆アンドレ視点

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僕の可愛いユリス………。

今頃泣いていないだろうか?

お兄ちゃんは心配だよ。

会いたいと弟を思う兄心、毎日ため息ばかりで仕事をして気を紛らわすしかなかった。

しかし、そんな僕を心配した両親が面会の申し込みをしてくれていた!

「アンドレ、ユリスの話を聞いてやるんだぞ」

「アンドレ、ユリスに私たちからの手紙を渡してね。あと、これは私の作ったマカロンよ。頑張って作ったの……しっかり渡してね」

「はい!父上、母上」

アンドレとは僕の名前だ。

昔何かの劇で、アンドレという役者が有名になった時に、母上が熱狂的なファンになってついた名前だ。

ちなみに、熱烈な恋人同士の活躍する劇だったらしい。

それはさておき。

僕は、馬車に乗って愛する弟ユリスに会いに行った。

きっと、ユリスは泣いて喜んで、お兄様と叫びながらお兄ちゃんの胸に飛び込んでくることだろう。

何故なら、ユリスはお兄ちゃん大好きっ子だから!!

感動の再開を夢みて、僕は早くユリスに会いたいと今か今かとソワソワしていた。

しかし………現実は、僕を裏切った。

アリステアの屋敷の応接室にて。

「兄上、お久しぶりです!」

にこやかに挨拶をするユリス。

もうちょっと熱烈な挨拶が、お兄ちゃんはしたかったな。

ちなみに、悲しいことに………ユリスは兄上呼びなんだ。

昔は……まだユリスが小さかった頃は、お兄様呼びだったのに!!

しかも、何故か成長してから敬語になってしまったんだ………お兄ちゃん悲しいよ!!

そして、ユリスの隣には………。

「ユリス……ヒューゴ様は……何をしているのかな?」

「三角木馬に乗って、一応のエチケットでパンツ一丁の亀甲縛り姿で、兄上を歓迎しているんですよ。ちなみに、亀甲縛りはヒューゴのトレードマークみたいなものです」

平然と説明してくれるユリス。

僕の表情筋がピクピク痙攣してしまう。

な……なんだこの変態は!?

あと、なんかユリスの雰囲気が変わったような気がする。

もしかしたら、変態に毒されてしまったのか?

可哀想なユリス………。

本当なら助けてやりたいが、それはできないから、僕は心で泣いた。

「ユリス………これ、父上と母上からだよ」

「ありがとう!兄上、ごゆっくりしていってくださいね!」

「義兄様、ユリスが作ったクッキー美味しいですか?僕の精液入りです!」

「!?」

さっきまで食べていたクッキー。

お茶菓子にと出され、普通に食べていたが………ユリスが作ったというのは嬉しい。

………しかし、ヒューゴ様の精液入り?

………。

オゲェ!!

(現在、一部モザイク処理)

「兄上!!大丈夫ですか?」

「義兄様!?」

あまりの衝撃に、僕は吐いた後気絶した。

チーン。
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