103 / 122
第十一章 友達とか家族とか(前編)
勇者の影
しおりを挟む
全然知らないひとに重ねられることに戸惑ったり反発ばかりしている場合じゃない。
知ろう。
決めた。
今の自分が小さいこと弱いことばかり気にしていた。それは何より「ルミナス」に対しての恐れに起因していた。
救国の英雄。聖剣の使い手。年齢不詳、性別不詳の美丈夫。
きらびやかなイメージは、実物の弱さや脆さを覆い隠す。
(ルミナスだって人間だ。弱点も欠点もあったはず。だけどみんなの英雄だから。そういうのを掘り返しちゃいけない気がして。クロノス王子なんか、ものすごく近くにいたくせに、ばかみたいに心酔しているし)
あいつのせいだあいつの、なんて八つ当たり気味に思い出して。
そんな不満はくしゃくしゃに丸めて遠くに投げ捨てる。そのイメージで青空を見上げた。
肝心の相手がどこかに行ってしまったから、今さら「なんでそんなにルミナスが好きなの!? どこがいいの!?」なんて聞けない。
(結構キツかったんだよ。僕じゃないのに、無いものねだりみたいに見られるの。別にクロノス王子のことなんか好きじゃないのに、「失望させたらいけない」てすっごいプレッシャーだったんだからね!?)
思いに応える必要もないのに、そんな関係性じゃないのに。
あまりにも彼がルミナスのことを好きなんだと気付いたら、裏切ってはいけないような気がした。
好きじゃないのに。揺さぶられて。他の人を選んだらこの人は大丈夫なのかなって変に後ろ髪をひかれて。
ルミナスの影が重くて、しんどかった。
知ろう。
何者なのか。何を考えていたのか。
もし今この時代に生きていたら、何をしていたひとなのか。
(ルミナスのやりたかったことを、僕が引き継ぐのは違う。だけど、もし死ぬつもりじゃないタイミングで死んでしまったとして、何か果たしたいことがあったというのなら。少しくらい)
ルミナスになりたい気持ちなんか今だって全然ないけど。拒絶ばかりしたら死んでも死にきれないに違いない。
* * *
模擬試合の後、少し休んでジュリアはすぐに立ち直った。
その反応を見て、クライスは悟る。
(手加減していた。やっぱり)
五人と戦った後だからといって、彼は本来クライスが易々と勝てる相手のはずがない。
もし手加減するとすればそれは「罪悪感」だろう。もとより、隠し事が苦手な性格なのかもしれないが、彼は今この場面で明らかにする必要が無い事実を明かしてしまった。
二人になり、王宮を案内しがてら、クライスはその件について尋ねた。「なんで男だと、言う気になったの」と。
「焦らせたような気がして。昨日なんか完全に闇落ちしていたから。別にあなたを追い詰める為にここに来たわけじゃない」
ジュリアは一息にそこまで言ってから、前を向いて続けた。
「仲間になりに来たんです。俺は『女性』として採用されています。男だと明らかにすることで、あなたのそばにいられなくなる可能性もある。だけど、俺個人としては秘密にしたいわけでもない。男だ女だといいたい訳じゃ無いけど、本来のあなたの戦い方を忘れて欲しくないと思いました。俺はいざとなれば力押しでも何でもするけど『女性でもあれだけ力が強い』みたいな変なことは考えないで欲しいんです。筋肉のつき方を見ても、クライスはそういう戦い方する人じゃない」
「そうだね。確かに目標間違えかけてた。今までは体格の不利は自覚していたんだけど、『女性』のジュリアを前にしたら、それが全部言い訳みたいな焦りが出ていた」
「今回の件はともかく、俺の方が強いのは間違いないので。早く、五回に一回は勝てるようになってくださいね」
「うっ……」
涼しい顔で釘を刺されて、クライスは反論は控えた。
問い詰めても、手を抜いた件そのものを正直に白状するとは思えない。
(それでも、僕の弱さが、ジュリアに手加減をさせてしまった。それが全てだ。ジュリアはジュリアの判断で、あの場では他の者の前で僕に勝利を譲った)
そんなことさせないほど、クライスが強ければ良かった。
悔やむよりは前を見て、強くならなければ。
「ジュリアに勝ちたい。やることがたくさんある。無茶苦茶強くなりたいし。ルミナスのことを知りたいし」
「それは同感です。俺も知りたかった。ルミナスとは何者なのか」
もはや二人のときは男性を隠すつもりもないのか、ジュリアが男の声で呟く。
「知りたかった? どうして?」
何の気なく、肩を並べて歩くジュリアを見上げて問う。
回廊を吹き抜ける風に目を細めながら、前を向いたままのジュリアが答える。
「俺強いでしょう? 変だと思いません?」
不思議な問いかけだった。
「変と言えば変……なのかな。だけど、それは努力をしたからじゃないの?」
今、クライス自身がずっと悩み苦しんでいる。簡単に強くなる方法なんかないから。
足を止めたジュリアが、見下ろして来てしずかに言った。
「教団はずっと魔族との戦争を想定してきたんです。それは、平和な世の中になっても変わらない。有事には『聖剣の勇者』に選ばれる剣士の育成に励んでいるんですよ。俺は図抜けて強かった。もし俺が生きているうちに戦争があるとすれば、『今度こそお前が聖剣に選ばれろ。教団から勇者を』そういう悲願を背負っていた。自分でも……考えなかったわけじゃない。俺は聖剣の勇者になれるのか。そういった全部をぶん投げて、俺は教団を抜けているから、今はもうその考えから自由ですよ。それでも、王都には『勇者』がいると聞いてちょっと変な気持ちになりました。ほらやっぱり俺じゃないんだとか。悔しいような、ホッとしたような。クライスは?」
唐突に名を呼ばれて、小さく息を飲む。
冗談ではなく。
彼はもしかしたら、聖剣の勇者になる可能性のあったひと。
「どうかと聞かれても、僕はまだ聖剣を手にしていない。選ばれてなんかいない。ジュリアにも、選ばれる可能性はあるんじゃないかな」
「それ、本気? 俺が聖剣の勇者で、クライスはいいの?」
「だめ」
考える間もなく、口が勝手に言った。
「譲りたくない。他の人には。僕より強い人が持った方がいいのはわかっているけど。もし僕に可能性があるなら、逃げたくない」
「どうして」
問い詰められる。心を覗き込むような瞳。
彼にとってもこれは何か痛い。とても痛い話なのだと感じつつ、クライスもまたひけない。
「僕は魔王が好きです。あのひとに関わること、他のひとには任せられない」
前世のルミナスと、決定的に違うであろうその一点において、クライスはクライスなのだ。
ルミナスにはなれないけど、聖剣の勇者にはなりたい。
ジュリアは瞼を伏せながら、顔を背けた。
勇者になれと言われて育てられたという少年の横顔。その頬に、睫毛が陰を落としていた。唇が細かく震えている。
しかし、クライスに視線を戻したときには、すべての感情を叩き伏せたような、凪いだ表情をしていた。
「俺にも好きなひとがいるから、わかる。もしそのひとを完全に殺す方法が世界のどこかにあるなら、絶対に他人になんか譲らない。何がなんでも自分で手にしなければ、自分を許せない」
言い終えてから、ふっと唇に笑みを浮かべる。
クライスは、二、三回意味なく口を開いて閉じた。
やがて言った。
「こんなこと考える僕はおかしいのかなって思うけど。ルミナスが何を考えていたかだってわからないよね。だからさ、ルミナスのことを知ろうと思う。訓練の空き時間にでも」
「俺も興味があるので、ご一緒します」
(未熟な僕たちは正しい答えがわからないまま足掻いてばかり。間違えていたり、不必要だったり、回り道だったり。全然無駄なことをしているのかもしれない。それでも前に進みたくて)
「それじゃ、生前のルミナスと面識ある人間をあたっていこう。まずはアゼルと……」
少しだけ気にかかっていた相手がいる。
この国の王妃。
クロノスが不仲である相手は、おそらく前世との因縁があるに違いない。
(会って、話すことはできるだろうか……)
知ろう。
決めた。
今の自分が小さいこと弱いことばかり気にしていた。それは何より「ルミナス」に対しての恐れに起因していた。
救国の英雄。聖剣の使い手。年齢不詳、性別不詳の美丈夫。
きらびやかなイメージは、実物の弱さや脆さを覆い隠す。
(ルミナスだって人間だ。弱点も欠点もあったはず。だけどみんなの英雄だから。そういうのを掘り返しちゃいけない気がして。クロノス王子なんか、ものすごく近くにいたくせに、ばかみたいに心酔しているし)
あいつのせいだあいつの、なんて八つ当たり気味に思い出して。
そんな不満はくしゃくしゃに丸めて遠くに投げ捨てる。そのイメージで青空を見上げた。
肝心の相手がどこかに行ってしまったから、今さら「なんでそんなにルミナスが好きなの!? どこがいいの!?」なんて聞けない。
(結構キツかったんだよ。僕じゃないのに、無いものねだりみたいに見られるの。別にクロノス王子のことなんか好きじゃないのに、「失望させたらいけない」てすっごいプレッシャーだったんだからね!?)
思いに応える必要もないのに、そんな関係性じゃないのに。
あまりにも彼がルミナスのことを好きなんだと気付いたら、裏切ってはいけないような気がした。
好きじゃないのに。揺さぶられて。他の人を選んだらこの人は大丈夫なのかなって変に後ろ髪をひかれて。
ルミナスの影が重くて、しんどかった。
知ろう。
何者なのか。何を考えていたのか。
もし今この時代に生きていたら、何をしていたひとなのか。
(ルミナスのやりたかったことを、僕が引き継ぐのは違う。だけど、もし死ぬつもりじゃないタイミングで死んでしまったとして、何か果たしたいことがあったというのなら。少しくらい)
ルミナスになりたい気持ちなんか今だって全然ないけど。拒絶ばかりしたら死んでも死にきれないに違いない。
* * *
模擬試合の後、少し休んでジュリアはすぐに立ち直った。
その反応を見て、クライスは悟る。
(手加減していた。やっぱり)
五人と戦った後だからといって、彼は本来クライスが易々と勝てる相手のはずがない。
もし手加減するとすればそれは「罪悪感」だろう。もとより、隠し事が苦手な性格なのかもしれないが、彼は今この場面で明らかにする必要が無い事実を明かしてしまった。
二人になり、王宮を案内しがてら、クライスはその件について尋ねた。「なんで男だと、言う気になったの」と。
「焦らせたような気がして。昨日なんか完全に闇落ちしていたから。別にあなたを追い詰める為にここに来たわけじゃない」
ジュリアは一息にそこまで言ってから、前を向いて続けた。
「仲間になりに来たんです。俺は『女性』として採用されています。男だと明らかにすることで、あなたのそばにいられなくなる可能性もある。だけど、俺個人としては秘密にしたいわけでもない。男だ女だといいたい訳じゃ無いけど、本来のあなたの戦い方を忘れて欲しくないと思いました。俺はいざとなれば力押しでも何でもするけど『女性でもあれだけ力が強い』みたいな変なことは考えないで欲しいんです。筋肉のつき方を見ても、クライスはそういう戦い方する人じゃない」
「そうだね。確かに目標間違えかけてた。今までは体格の不利は自覚していたんだけど、『女性』のジュリアを前にしたら、それが全部言い訳みたいな焦りが出ていた」
「今回の件はともかく、俺の方が強いのは間違いないので。早く、五回に一回は勝てるようになってくださいね」
「うっ……」
涼しい顔で釘を刺されて、クライスは反論は控えた。
問い詰めても、手を抜いた件そのものを正直に白状するとは思えない。
(それでも、僕の弱さが、ジュリアに手加減をさせてしまった。それが全てだ。ジュリアはジュリアの判断で、あの場では他の者の前で僕に勝利を譲った)
そんなことさせないほど、クライスが強ければ良かった。
悔やむよりは前を見て、強くならなければ。
「ジュリアに勝ちたい。やることがたくさんある。無茶苦茶強くなりたいし。ルミナスのことを知りたいし」
「それは同感です。俺も知りたかった。ルミナスとは何者なのか」
もはや二人のときは男性を隠すつもりもないのか、ジュリアが男の声で呟く。
「知りたかった? どうして?」
何の気なく、肩を並べて歩くジュリアを見上げて問う。
回廊を吹き抜ける風に目を細めながら、前を向いたままのジュリアが答える。
「俺強いでしょう? 変だと思いません?」
不思議な問いかけだった。
「変と言えば変……なのかな。だけど、それは努力をしたからじゃないの?」
今、クライス自身がずっと悩み苦しんでいる。簡単に強くなる方法なんかないから。
足を止めたジュリアが、見下ろして来てしずかに言った。
「教団はずっと魔族との戦争を想定してきたんです。それは、平和な世の中になっても変わらない。有事には『聖剣の勇者』に選ばれる剣士の育成に励んでいるんですよ。俺は図抜けて強かった。もし俺が生きているうちに戦争があるとすれば、『今度こそお前が聖剣に選ばれろ。教団から勇者を』そういう悲願を背負っていた。自分でも……考えなかったわけじゃない。俺は聖剣の勇者になれるのか。そういった全部をぶん投げて、俺は教団を抜けているから、今はもうその考えから自由ですよ。それでも、王都には『勇者』がいると聞いてちょっと変な気持ちになりました。ほらやっぱり俺じゃないんだとか。悔しいような、ホッとしたような。クライスは?」
唐突に名を呼ばれて、小さく息を飲む。
冗談ではなく。
彼はもしかしたら、聖剣の勇者になる可能性のあったひと。
「どうかと聞かれても、僕はまだ聖剣を手にしていない。選ばれてなんかいない。ジュリアにも、選ばれる可能性はあるんじゃないかな」
「それ、本気? 俺が聖剣の勇者で、クライスはいいの?」
「だめ」
考える間もなく、口が勝手に言った。
「譲りたくない。他の人には。僕より強い人が持った方がいいのはわかっているけど。もし僕に可能性があるなら、逃げたくない」
「どうして」
問い詰められる。心を覗き込むような瞳。
彼にとってもこれは何か痛い。とても痛い話なのだと感じつつ、クライスもまたひけない。
「僕は魔王が好きです。あのひとに関わること、他のひとには任せられない」
前世のルミナスと、決定的に違うであろうその一点において、クライスはクライスなのだ。
ルミナスにはなれないけど、聖剣の勇者にはなりたい。
ジュリアは瞼を伏せながら、顔を背けた。
勇者になれと言われて育てられたという少年の横顔。その頬に、睫毛が陰を落としていた。唇が細かく震えている。
しかし、クライスに視線を戻したときには、すべての感情を叩き伏せたような、凪いだ表情をしていた。
「俺にも好きなひとがいるから、わかる。もしそのひとを完全に殺す方法が世界のどこかにあるなら、絶対に他人になんか譲らない。何がなんでも自分で手にしなければ、自分を許せない」
言い終えてから、ふっと唇に笑みを浮かべる。
クライスは、二、三回意味なく口を開いて閉じた。
やがて言った。
「こんなこと考える僕はおかしいのかなって思うけど。ルミナスが何を考えていたかだってわからないよね。だからさ、ルミナスのことを知ろうと思う。訓練の空き時間にでも」
「俺も興味があるので、ご一緒します」
(未熟な僕たちは正しい答えがわからないまま足掻いてばかり。間違えていたり、不必要だったり、回り道だったり。全然無駄なことをしているのかもしれない。それでも前に進みたくて)
「それじゃ、生前のルミナスと面識ある人間をあたっていこう。まずはアゼルと……」
少しだけ気にかかっていた相手がいる。
この国の王妃。
クロノスが不仲である相手は、おそらく前世との因縁があるに違いない。
(会って、話すことはできるだろうか……)
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
婚約破棄の場を悪魔族に愛された令嬢が支配する。
三月べに
恋愛
王子が自らの婚約者の悪事を暴いて、断罪するパーティー会場。高らかに、婚約破棄を突き付けた王子は、玉座のように置かれたソファーの前から吹っ飛んだ。
何が起きたかわからないパーティー参加者を置き去りに、婚約破棄を言い渡された令嬢は、艶やかな黒の巻き髪をふんわりと靡かせて、そのソファーにふんぞり返るように腰をかけた。
「それでは、本当の断罪を始めましょう」
琥珀の瞳を蠱惑に細めて、ほくそ笑む。
そのパーティー会場は、突如現れた悪魔族の力によって、扉も窓も開かなくなった。悪魔族達が従うのは、『魔王』の力を持つその令嬢、ただ一人だけだった。
※3万文字数のダークに過激な断罪ざまぁモノ※ハッピーハロウィンテンション♪(2023年10月13日の金曜日♡)※
(『小説家になろう』サイトにも掲載)
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる