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第六章
「はじめまして」
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はじまりからして、空気は異様なまでの緊張感を孕んでいた。
先ほどまでしきりと噂話に興じていた参加者たちが、ぴたりと口をつぐんで黙り込んでいる。
だからといって、この後何が起きるのか、事前に情報を得ていた様子はない。落ち着かない素振りできょろきょろと辺りを窺い、「何?」と口に出さずに目配せを送り合っている者も多かった。
それでも、口火を切って喋りだす者はいない。
胃の腑まで押さえつけられるような、強烈な圧迫感が場を支配している。
沈黙の中、緋毛氈《ひもうせん》で設《しつら》えられた一段高い王族席へ、ずらずらと向かう行列が現れた。
先導する者や横に従う者で全容が見えにくいが、囲まれて進んでいるのは国王と王妃である。
(殿下は……?)
真正面ではないにせよ、二、三列目の比較的近距離で一団を臨《のぞ》める位置にいたジュディは、首を伸ばすようにして視線をさまよわせた。
フィリップスはジュディの見識からすると「まあまあ不良」だが、れっきとしたこの国の王位継承権一位である王太子殿下だ。
行事には顔を出したり出さなかったりとは聞いていたものの、大々的にお触れの出された夜会の場をすっぽかすことは、よほどの事情がない限りありえないはず。
もっとよく見たい、と背伸びしようとしたところで、目の前を背の高い男性に遮られて視界が埋められてしまった。
一方で、右隣にいたガウェインと、左隣りにいたステファンが、同時に何かに気づいた。閣下、とステファンが小声で囁く。
ガウェインのまとう空気が、冷ややかで鋭いものになった。
「今晩は王家主催の夜会『花の宴』にようこそ。これほど多くの、気高きわが同胞を迎えられたことを嬉しく思う――」
国王の口上が始まる。にこやかなのは国王夫妻のみで、会場は身動きすら迂闊にできないほどの沈黙に包まれている。
花の宴。
広間の至るところに、花が飾られていた。
生花が折り重なって放つ匂いは、存外に強い。なかでも、ひときわ強い百合の匂いが、空気が揺らぐたびに濃密に香る。
その中に、鼻につく刺激臭があるような感じられて、ジュディの胸にはまたたくまに不安の暗雲が広がった。
(血の匂い。血の匂いが、しませんか)
隣に立つガウェインへ手を伸ばして触れると、片腕で強く抱き寄せられる。
国王の口上に続き、黒絹のレースを肩に羽織った王妃が笑顔で進み出てきた。
「今日はこの場で、皆さんに大変うれしい知らせがあります。実は、ずっと行方知れずでいた第一王子フィリップスが、このたび見つかりまして。晴れてこの王宮に迎えることができました」
大広間に居合わせたひとの間には、その瞬間、反応らしい反応がなかった。
おそらく「王妃様がいったい何を言い出したのか」正確に理解できた者がほとんどいなかったのだろう。
フィリップスが長く行方不明などという事実は、ない。
素行不良で知られているとはいえ、彼はこれまで主要な行事にはきちんと姿を見せていたのだから。
ただし、噂はあった。
王妃がフィリップスに関して「取り替えられた子、私の子ではない」と言い張り、自分に近づけもしないと。
(私はそれを、噂ではなく殿下の口から直接聞いたわ。誘拐されて東地区に捨てられ、閣下に発見されて王宮に戻った後、王妃様は殿下のことを、決して我が子と認めなかったと。それは今も続いていて)
だが、あくまでそれは母と子の亀裂であって、フィリップスの人間形成に暗い影は落としたものの、対外的には取るに足りぬ話題のひとつなのだと、信じていた。
ジュディにとってフィリップスは「まあまあ不良」でありながらも、輝ける光を宿した、まごうことなきこの国の王子であったのだから。
「フィリップス、愛しい私の我が子。またこの腕に抱ける日が来るなんて……」
王妃に呼ばれて、ひとりの青年が人垣の間から姿を見せる。
その横顔は、ジュディのよく見知った人物によく似ていた。そしてまた、国王と王妃が背にしている肖像画の人物にも、非常に似通った顔立ちをしていた。
髪の色はプラチナブロンド。瞳は黄金。
笑みを浮かべて王妃に歩み寄る。
両腕を広げて彼を胸に抱き寄せる王妃。
それを、じっと見つめる国王。
目の前が黒く染まるような、茶番だった。
「殿下は……」
かすれた声で呟いたジュディは、視線を彷徨わせたその先に、縛られて跪く青年の姿を見つけてしまった。
甘く香る百合の芳香に混ざり込む、一筋の金錆びた香り。
それは血の色をしていた。
金色の瞳をした悪魔が段上からジュディを見つけて、声もなく笑った。
「殿下!」
ジュディはスカートをつまみ上げて、闇雲に走り出した。走りやすい特別製のドレスと靴のおかげで、足取りは軽かった。
ジュディのその行動は、誰が制止をしても、止められるものではなかった。
誘拐されて暗黒に落とされ、母親に見捨てられた少年が、いま再び地獄でその身も心も焼かれて、晒し者にされようとしている。
自分は何者でもない、彼にとって大切な誰かではない。だが彼の教師で、彼と共に歩み、年長者として導くと約束をした。
ただそれだけの繋がりを胸に、ジュディは侍従たちをかきわけ、跪くフィリップスの元へと駆け寄った。
床に膝をつき、腫れ上がって血に染まった頬へと、手袋をしたままの手を伸ばしてそっと指先で触れる。
フィリップスは、ぐったりとして目を閉ざしたまま、ぴくりとも動かない。唇まで切れて、顎に血が伝った跡があった。すでに干からびるほどに乾いているのが、ひどく痛々しい。
「殿下、どうして」
侍従達が、「おい」とどやしつけながらジュディの肩に手をかける。その手を、背後に立ったガウェインが強く払った。
「彼女に触れるな。自分たちが何をしているのか、わかってやっているのか?」
瞳から炎を迸らせるほどに激昂したガウェインが、冷たく澄んだ声音で言い放つ。
「しかし、閣下。これは他ならぬ国王陛下と王妃様の」
侍従たちは、相手が宰相ガウェイン・ジュールと知って、すぐには手を出せない様子。睨みで黙らせてから、ガウェインは王族席へと向き直る。
「死ぬほど酔狂な催しで、反吐《へど》が出るかと思いました。このつまらぬ余興を考えたクッソ趣味の悪い方は、一体どこのどなたですか」
開口一番、一切の躊躇も遠慮もない宣戦布告。
受けて立ったのは、扇を開いて口元を覆った王妃である。肥満気味の頬を震わせ、目を細めて笑って答えた。
「おお、さすがジュール某《なにがし》は、顔つきにも言葉にも育ちの悪さが出ている。花の匂いでもかき消せぬ、ヘドロにまみれたドブの匂いをまとっているのはそなたであったか。汚らわしい」
「さて、この距離で私の匂いが王妃様に届くとも思われませんが。悪臭が香るのであれば、ご自身からではないですか。鼻が曲がっていて、気付かないのですか」
花の顔《かんばせ》。繊細優美な外見と武芸に秀でた貴公子。
三十年以上前に、この場の視線をさらったであろう肖像画の人物と、ほとんど違わぬ出で立ちの青年は、恐れを知らぬ不遜な態度で王妃へと言葉を叩きつける。
「卿は、まことにこの国に蔓延る毒草のような男。身の程をわきまえよ。誰の許しを得て発言をしている。その小うるさい口を閉ざせ」
王妃は憎々しげに顔を歪めて、吐き捨てた。
そのとき、王妃のそばにあった青年が、慈愛に満ち溢れた清らなかな笑みを浮かべて、口を開いた。
「母上さま、どうぞ言葉の剣を収めてください。今日はそういった場ではないはず。私のためにこの国の重臣と王妃である母上さまが争うなど、いけません。……私の願いは、聞いて頂けませんか?」
小首を傾げて、悲しげに微笑む。
ああ、この子は本当に……、と王妃は感極まったように言って青年に手を伸ばした。その手を優しく受け止めながら、青年はガウェインを振り返った。
そして、口の端を魅力的な笑みの形に吊り上げて言った。
「はじめまして。お会いしたかったです、ガウェインさま」
先ほどまでしきりと噂話に興じていた参加者たちが、ぴたりと口をつぐんで黙り込んでいる。
だからといって、この後何が起きるのか、事前に情報を得ていた様子はない。落ち着かない素振りできょろきょろと辺りを窺い、「何?」と口に出さずに目配せを送り合っている者も多かった。
それでも、口火を切って喋りだす者はいない。
胃の腑まで押さえつけられるような、強烈な圧迫感が場を支配している。
沈黙の中、緋毛氈《ひもうせん》で設《しつら》えられた一段高い王族席へ、ずらずらと向かう行列が現れた。
先導する者や横に従う者で全容が見えにくいが、囲まれて進んでいるのは国王と王妃である。
(殿下は……?)
真正面ではないにせよ、二、三列目の比較的近距離で一団を臨《のぞ》める位置にいたジュディは、首を伸ばすようにして視線をさまよわせた。
フィリップスはジュディの見識からすると「まあまあ不良」だが、れっきとしたこの国の王位継承権一位である王太子殿下だ。
行事には顔を出したり出さなかったりとは聞いていたものの、大々的にお触れの出された夜会の場をすっぽかすことは、よほどの事情がない限りありえないはず。
もっとよく見たい、と背伸びしようとしたところで、目の前を背の高い男性に遮られて視界が埋められてしまった。
一方で、右隣にいたガウェインと、左隣りにいたステファンが、同時に何かに気づいた。閣下、とステファンが小声で囁く。
ガウェインのまとう空気が、冷ややかで鋭いものになった。
「今晩は王家主催の夜会『花の宴』にようこそ。これほど多くの、気高きわが同胞を迎えられたことを嬉しく思う――」
国王の口上が始まる。にこやかなのは国王夫妻のみで、会場は身動きすら迂闊にできないほどの沈黙に包まれている。
花の宴。
広間の至るところに、花が飾られていた。
生花が折り重なって放つ匂いは、存外に強い。なかでも、ひときわ強い百合の匂いが、空気が揺らぐたびに濃密に香る。
その中に、鼻につく刺激臭があるような感じられて、ジュディの胸にはまたたくまに不安の暗雲が広がった。
(血の匂い。血の匂いが、しませんか)
隣に立つガウェインへ手を伸ばして触れると、片腕で強く抱き寄せられる。
国王の口上に続き、黒絹のレースを肩に羽織った王妃が笑顔で進み出てきた。
「今日はこの場で、皆さんに大変うれしい知らせがあります。実は、ずっと行方知れずでいた第一王子フィリップスが、このたび見つかりまして。晴れてこの王宮に迎えることができました」
大広間に居合わせたひとの間には、その瞬間、反応らしい反応がなかった。
おそらく「王妃様がいったい何を言い出したのか」正確に理解できた者がほとんどいなかったのだろう。
フィリップスが長く行方不明などという事実は、ない。
素行不良で知られているとはいえ、彼はこれまで主要な行事にはきちんと姿を見せていたのだから。
ただし、噂はあった。
王妃がフィリップスに関して「取り替えられた子、私の子ではない」と言い張り、自分に近づけもしないと。
(私はそれを、噂ではなく殿下の口から直接聞いたわ。誘拐されて東地区に捨てられ、閣下に発見されて王宮に戻った後、王妃様は殿下のことを、決して我が子と認めなかったと。それは今も続いていて)
だが、あくまでそれは母と子の亀裂であって、フィリップスの人間形成に暗い影は落としたものの、対外的には取るに足りぬ話題のひとつなのだと、信じていた。
ジュディにとってフィリップスは「まあまあ不良」でありながらも、輝ける光を宿した、まごうことなきこの国の王子であったのだから。
「フィリップス、愛しい私の我が子。またこの腕に抱ける日が来るなんて……」
王妃に呼ばれて、ひとりの青年が人垣の間から姿を見せる。
その横顔は、ジュディのよく見知った人物によく似ていた。そしてまた、国王と王妃が背にしている肖像画の人物にも、非常に似通った顔立ちをしていた。
髪の色はプラチナブロンド。瞳は黄金。
笑みを浮かべて王妃に歩み寄る。
両腕を広げて彼を胸に抱き寄せる王妃。
それを、じっと見つめる国王。
目の前が黒く染まるような、茶番だった。
「殿下は……」
かすれた声で呟いたジュディは、視線を彷徨わせたその先に、縛られて跪く青年の姿を見つけてしまった。
甘く香る百合の芳香に混ざり込む、一筋の金錆びた香り。
それは血の色をしていた。
金色の瞳をした悪魔が段上からジュディを見つけて、声もなく笑った。
「殿下!」
ジュディはスカートをつまみ上げて、闇雲に走り出した。走りやすい特別製のドレスと靴のおかげで、足取りは軽かった。
ジュディのその行動は、誰が制止をしても、止められるものではなかった。
誘拐されて暗黒に落とされ、母親に見捨てられた少年が、いま再び地獄でその身も心も焼かれて、晒し者にされようとしている。
自分は何者でもない、彼にとって大切な誰かではない。だが彼の教師で、彼と共に歩み、年長者として導くと約束をした。
ただそれだけの繋がりを胸に、ジュディは侍従たちをかきわけ、跪くフィリップスの元へと駆け寄った。
床に膝をつき、腫れ上がって血に染まった頬へと、手袋をしたままの手を伸ばしてそっと指先で触れる。
フィリップスは、ぐったりとして目を閉ざしたまま、ぴくりとも動かない。唇まで切れて、顎に血が伝った跡があった。すでに干からびるほどに乾いているのが、ひどく痛々しい。
「殿下、どうして」
侍従達が、「おい」とどやしつけながらジュディの肩に手をかける。その手を、背後に立ったガウェインが強く払った。
「彼女に触れるな。自分たちが何をしているのか、わかってやっているのか?」
瞳から炎を迸らせるほどに激昂したガウェインが、冷たく澄んだ声音で言い放つ。
「しかし、閣下。これは他ならぬ国王陛下と王妃様の」
侍従たちは、相手が宰相ガウェイン・ジュールと知って、すぐには手を出せない様子。睨みで黙らせてから、ガウェインは王族席へと向き直る。
「死ぬほど酔狂な催しで、反吐《へど》が出るかと思いました。このつまらぬ余興を考えたクッソ趣味の悪い方は、一体どこのどなたですか」
開口一番、一切の躊躇も遠慮もない宣戦布告。
受けて立ったのは、扇を開いて口元を覆った王妃である。肥満気味の頬を震わせ、目を細めて笑って答えた。
「おお、さすがジュール某《なにがし》は、顔つきにも言葉にも育ちの悪さが出ている。花の匂いでもかき消せぬ、ヘドロにまみれたドブの匂いをまとっているのはそなたであったか。汚らわしい」
「さて、この距離で私の匂いが王妃様に届くとも思われませんが。悪臭が香るのであれば、ご自身からではないですか。鼻が曲がっていて、気付かないのですか」
花の顔《かんばせ》。繊細優美な外見と武芸に秀でた貴公子。
三十年以上前に、この場の視線をさらったであろう肖像画の人物と、ほとんど違わぬ出で立ちの青年は、恐れを知らぬ不遜な態度で王妃へと言葉を叩きつける。
「卿は、まことにこの国に蔓延る毒草のような男。身の程をわきまえよ。誰の許しを得て発言をしている。その小うるさい口を閉ざせ」
王妃は憎々しげに顔を歪めて、吐き捨てた。
そのとき、王妃のそばにあった青年が、慈愛に満ち溢れた清らなかな笑みを浮かべて、口を開いた。
「母上さま、どうぞ言葉の剣を収めてください。今日はそういった場ではないはず。私のためにこの国の重臣と王妃である母上さまが争うなど、いけません。……私の願いは、聞いて頂けませんか?」
小首を傾げて、悲しげに微笑む。
ああ、この子は本当に……、と王妃は感極まったように言って青年に手を伸ばした。その手を優しく受け止めながら、青年はガウェインを振り返った。
そして、口の端を魅力的な笑みの形に吊り上げて言った。
「はじめまして。お会いしたかったです、ガウェインさま」
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