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第三章 いざ、ロピック国へ
★タキトゥスとネロ
しおりを挟む中に注がれた液体は熱をもっており、オネストとの隙間を埋めるように広がっていく。
「っ、……はぁ……」
行為によって上がった体温を確かめるように強く抱き合う。
同色の瞳と視線が交わり、引き寄せられるように唇を重ねた。先程とはうって変わって優しいキス。甘い雰囲気が漂っていたが、足を支えていたタキトゥスの手が腹へと回され、無理矢理抱き寄せられた。
「んんっ、……ぁ…」
まだ硬さを失っていないオネストのモノが抜け、口から洩れたのは驚きの声ではなく喘ぎにも似た吐息だった。絶頂したばかりの俺は、背に温もりを感じながら息を整える。
秘部から尻にかけて透明に近い液体が伝っており、シーツに小さなシミができていた。色が変わった部分を見て満足げな表情をしているオネストを見て、タキトゥスは頬を膨らます。
「ネロちゃん。次、俺ね」
項に触れるだけのキスを落とし、オネストの方に体を傾けていく。
後半になるにつれて支えているというよりも覆いかぶさるようなかたちになり、戸惑いながらも手をシーツについた。
目の前にはオネストの雄雄しいモノがあり、反射的に目が限界まで開く。
初めて人族になった時に一瞬だけ見たことはある。恥ずかしさのあまり直ぐに視線を逸らしてしまったのだけれど、こんなに太いモノが自分の中に入っていたのだと思うと、驚かずにはいられなかった。
「ネロちゃん。オネストの見ててもいいけど、尻突き出してくれる?」
「えっと、こう……ですか」
「そうそう。そのままな」
僅かに背中を反らし、秘部が見えるように突き出す。漏れ出ている液体を塗り込み、“挿れるぞ”という一言もなく刺し込まれた。
「ひあぁっ!っ、あっ……いっ、きなりっ…」
後ろから挿れられたことが無い俺は、今までと違う感覚に思わず腰を引く。
しかし、タキトゥスの手によってすぐさま元の位置に戻され、オネストの液体がタキトゥスのモノをすんなりと奥へと誘ってしまう。
オネストに太さは劣るが、長さは優っているタキトゥス。内臓が突き上げられているような感覚のせいで、途切れ途切れでしか息を吐くことができない。
「初めてする体位でいきなり突っ込むな。ネロが苦しそうだ」
「オネストが中出ししたから滑りがいいだろうし、大丈夫かなって」
「前からとは角度も向きも違うんだぞ?全く……」
シーツを見つめたまま微動だにしない俺の頬を両手で掴み、上を向かせる。
直ぐ近くに胡坐をかき、眉尻を下げて様子を伺うように唇を合わせてきた。触れるだけのキスを繰り返し、親指の腹で頬を撫でる。
「鼻から吸って、口から吐く。繰り返して」
突然襲ってきた感覚に混乱していた俺は、その言葉でほんの少し落ち着くことができた。目の前にある整った顔をみながら何度か呼吸をし、小さく頷く。
「タキトゥス、いいぞ」
「了解。ネロちゃん動くぞー」
オネストに怒られたからか、恐る恐る腰を動かすタキトゥス。正常位では前側に先端部分が当たっていたが、今の体制では真逆だ。
「ヴぐっ、ぁ…ぁ…ぅあっ」
ただ引いているだけだというのに、まるで内部を抉られているような感覚。
俺の口から出ているのは呻き声に近く、タキトゥスが萎えてしまうのではないかと心配になった。
「うわー……いいね。なんか犯してる感じがしてすげー興奮する」
俺の考えとは裏腹にタキトゥスの声は熱っぽく、言葉通り興奮しているようだった。入口付近まで抜き、同じ時間をかけて押し進めるというのを幾度となく繰り返す。
「んっ、ぁ……ふっ、…っ」
喉に息が詰まり低音しか出ていなかったというのに、いつの間にか鼻から抜けるような甘い声が漏れ始めていた。
最初は唇を噛んでいた俺も、今は口を半開きにして与えられる快感に身を委ねている。表情の変化を見ることができるオネストは安堵の表情を浮かべ、頬に触れていた手を離して胸の突起に触れた。
「あっ、…んっ!」
刺激を与えられたことで反っていた背中が丸まり、当然の如く視線も動いた。
人差し指と親指でねじっているのが目に映る。そして、タキトゥスの動きに合わせて揺れる自分のモノも。
見慣れている筈なのに、角度が違うだけで全く違う物のように感じた。こんなにも卑猥に見えるものなのか。ゾクゾクッと脳内に効果音が聞こえるほど興奮していた。
「んっ…はっ、んっ…っ、ひあっ、あっ、はっ…んんっ!」
声で感じているのがわかったのか、徐々に律動を速めていく。
「やばっ……気持ちよすぎ…っ、止まんね」
「あぁっ、あっ、…ダメっ、そこ…っ当てちゃ…ひあっ」
動きは激しさを増し、オネストとしていた時以上に厭らしい音が響いていた。
シーツを掴んでいた手にタキトゥスの手が重ねられたかと思えば、手首を掴まれ後ろに強く引かれた。必然的に上体が起き、腹の辺りまでオネストに見えていた。
「お前、それは……」
オネストが呆れたように何かを言いかけたが、タキトゥスの顔を見て無駄だと察したのか、横に移動して俺のモノを手で激しく扱く。
「ああぁっ!んっ!…それ、ダメっ、…奥に…お、くに当たっ、て…ぁ、そんなにしたっ、ら…イっ、く。イっちゃう!」
前立腺を刺激しながらも最奥を突上げ、押し入れられた時とは桁違いの快感に涎を垂らしながら喘ぐ。
「勿体ない」
顎を通って首を伝う唾液を舌で舐めとるオネスト。その熱は敏感になった俺を絶頂へ誘うには十分で。
「だめ、だめだめっ…、イちゃう…イ、く……ひあぁぁあぁっ!」
扱いていたオネストの手に、己の欲望を吐き出した。
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