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2章 森の遺跡

竜騎士と竜神

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「さてと…これからどうする?」
「お前と一緒に行ってみたいけどな…
まずは集落の皆に報告したい。」
「それがいいな。きっと皆喜ぶよ。
流石【騎士殲滅者】ドナン様だな。」
「やめてくれよマコト…」

ドナンが苦笑いする

俺が持ってるスキルや称号のことはドナン軽く説明した
それほど信頼に足りるやつだと思ったからな

ただ『神眼』や加護のことはそのまま伝えるのはやめておいた
変に混乱させても困るし

『神眼』については上位の視覚系スキル
加護のことは言わないことにした


それで先程ドナンのステータスを見たところ、【騎士殲滅者】という称号が加わっていた

取得条件は一度に30以上の騎士を相手に1人で勝つことらしい

効果は騎士に対するあらゆる攻撃の威力上昇、騎士からの攻撃に対する耐性上昇

対騎士用称号だ
これで今後魔法を覚えて、騎士バカが来ても
ドナン1人でどうにかなるだろう

「じゃあ一旦ここでお別れだな。」
「そうだな…終わったら俺の集落に寄れよ!
ここ出て南の方に進めばすぐだからさ。」
「ああ。終わったら寄らせてもらうよ。」

そうして俺達は別れ、俺は探索を再開した





「どこまで続くんだよ…」

俺はひたすら廊下を歩き続けていた
時折曲がるが終わりが見えない
外から見た時はそこまで広くなかったんだけど…
見かけは当てにならないってことか

どこまでも続く赤いカーペット
横には銀鎧や竜の像が並んでいる
薄暗い廊下に所々にはランプがある

そんな光景をしばらく見て歩いていると
下に向かう階段が見えた

「やっと先が見えたな!」

喜びが溢れ、階段に向けて走り出す
階段まで後数メートル

その瞬間横に並んでいた銀鎧が
俺の背くらいの剣を取り、動き出した

「なんだ!?」

「我、竜神様ヲ守ル者也。
此処カラ先ヲ通ルナラ命ハ無イト思エ。」

キェァァァェェェェァァァァァァァァァァシャァベッタァァァァァァァァ!!

どうやって喋ってるんだ!?

驚きながらも俺は『神眼』を使った


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【銀鎧ノ竜騎士】

・スキル
『竜騎士剣術』
『天衝ノ斬撃』
『魔法耐性︰強』

・称号
【竜神の加護】
竜神⿴⿻⿸の加護


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「読めないところがあるな…竜神?」

『神眼』でも読めないところがあるのか
竜神…の名前がわからない
神と同等…あるいは…

「散レ!」

竜騎士が剣を俺めがけ振り下ろしてくる

「あぶね!」

竜騎士の剣が廊下にめり込む
くらったら流石にやばそうだ
神の加護持ちだしな


それよりやばいのは魔法耐性だ


「『ファイアアロー』!」


火の矢が竜騎士に向かう
竜騎士は正面からそれをくらう



「無意味也。」

ダメージは少しもないようだ

となると…『ガトリング・アロー』もダメか…
あれは数で攻めるものだ
アローである以上効かないだろう

「行クゾ!」
「やべっ!」

竜騎士が剣を横ぶりに大きく振る
俺はそれを後ろに飛び避けた

が、その行動がダメだった


俺が上に目を向けたその瞬間

竜騎士は剣を構え、そこにいた


「なっ!?」

やばい…このままじゃ…

「塵トナルガイイ!!」

剣が振り下ろされる

いけるかどうかわからんが…
こうなったら一か八かだ

「『ガトリング・アロー』!」

俺は剣に向けて一点集中の矢のイメージをし、矢を放った

「ヌゥ!!」

数百本の矢は竜騎士の剣を吹き飛ばした


やっぱりだ
やつは魔法の耐性を持っていて
魔法を使っても効果はないが
やつのは別だ
やつの剣自体には魔法の効果はある

「ヌゥ…」

竜騎士がたじろぎながらも剣を取りに行く

「さて…振り出しに戻る、だな。」

剣は防げた
あとは…やつ自身だ

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