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1章 冒険の始まり

神のスキル

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頭さんの手にはどでかいハンマー
…さすがくらったらやばそうだ

今の俺はこの世界に慣れていないのか
上手く体を動かせず、避けることが出来ない
仮に出来たとしても
こいつは彼女達を狙うだろう
もうなりふり構わずってかんじだ

「フーッ…めちゃくちゃに…フーッ…しやがって」

完全に上がっちゃってるなこれは

さぁどうする…
避けることは出来ない
ガードも危険だ
攻撃も届かない
…下っ端達の武器なら!



「…ゴブッ!?」



最悪だ
こんなタイミングで異世界初のゴブリンと出会うなんて

ゴブリン達は下っ端の武器を全て持っていってしまったようだ




…絶対絶命だな
武器があればもう少しなんとかなるかとは思ったんだが
何か望みはないか…?


「フーッ…冒険者のくせにスキルの1つも使えないとは…舐められたもんだぜ…クヒヒヒヒッ!!」

頭は発狂ながらに笑う
もう手遅れだなこれ





…ん?
まてよ?


スキルがあった!神様から貰った唯一のスキルが!

…だが今の俺に使えるのか?
使えるか使えないかだったらそれはYESだと思う
だが肝心の使い方がわからない
やはりダメなのか…!

「お前も、こいつらも、このハンマーの前ではちっぽけな、
カスみたいな、存在なんだよッ!」

半狂乱の頭が叫ぶ

確かにあのハンマーの前ではちっぽけな存在だ
守りきれる自信がない

「さぁて…心の準備は出来たかなぁぁ?」

頭がハンマーを持ち上げる



「ぶっつぶれろぉぉぉぉぉぉ」





「助けて…」

男の怒号の中に消えてしまいそうな一言が聞こえた


ここで終わってしまうのか?

ここで終わるわけにはいかないんだ
自分の為にも、この子達の為にも!



その瞬間俺の拳の周りに光の渦が出来始める


「なんだ!?」


頭がうろたえる



「確かに俺らはそのハンマーのような大きな存在の前ではちっぽけなものかもしれない…」


「だがなそんなちっぽけな存在だろうと
毎日を、必死に生きてるんだよぉ!」


「それを邪魔するんじゃねぇ!」



「うるせぇぇ!黙ってぶっつぶれろぉぉぉ!」


光の渦を腕に纏う




「光を纏え!『イグニス』!」




光の渦が纏われた腕で繰り出された懇親のパンチはハンマーを打ち砕き頭を見えなくなるくらいまで吹っ飛ばした

「…ふぅー…」

俺は今度こそ終わったとため息を吐いた





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