ゼロから始めたいテンプレ生活

1章 冒険の始まり

はじまりはじまり

地面にめり込んで一夜明けた

「よいしょっと」

ようやく抜け出せた
体のあちこちが痛い
早くベッドで寝たいなぁ…

「まずここどこだ？」

辺り一面平野と言った感じで
周りに人はいないようだ
というかこの世界に人はいるのだろうか
肝心な事を聞き忘れてしまった…

「とりあえず歩くか。そのうち人かなんかに会えるだろう」

テンプレ異世界なのだ
きっと何かあるはずさ
そう思い歩き始めた

この平野は草木が生い茂った自然豊かな場所のようだ
…なぜ自分が落ちた所には何も無かったのか
…神の加護あるんだよね、俺
まさか加護つけ忘れたとか？
まっさかー

…ないよね？ねぇ？
届きもしない気持ちを必死に訴える
そんな時

「やめてください！！」


そんな声が森の方から聞こえてきた

「第1村人発見か！？」
少し興奮気味にマコトはその場に駆けていった

「いいじゃねぇかちょっとくらいよぉ～」
「へへっ頭ァ、独り占めしないで下さいよォ」

the 盗賊な奴らが5人ほどいる
防具はつけてないようだが各々小刀や弓などを身につけているようだ

「やめて！」
「こんなことして済むと思ってるの！？」

対して縄で縛られた女性が3人
1人は絶望でもしたのか何も喋らない

「な～に、ちょっといい事したら売り飛ばすだけだからよぉ」
「頭！俺こいつにするわ」
「あっずりぃ！俺はこいつだぁ！」
「焦んなよお前ら、じっくり楽しめばいいのさぁ」
「ちょっとじゃないのかよ頭！ガッハハハ！」

めんどくさいことになってるな…
こちらは武器は持ってないし、
スキルの使い方もわからない
一方あちらは武器はあるし数は多く、
連携も取れるだろう
異世界に転生したばかりの身としては
ここで死にたくはないな…

「そろそろやるかぁ～？」


盗賊らしき集団の1人が女に手をかけようとする

「誰かぁ！助けてぇ！！」

彼女の声が森に谺響する

「そんなこと言っても誰も助けねぇよ。
ガッハハハ！」

男が希望をかき消すように嘲笑う

「ぐっ…」

彼女は黙った

「それじゃあ改めて…いただきま～すぅ」

男が再び手を伸ばす


助けてなんて言われたら…

「…んぁ？誰だてめぇ」



「助けないわけにはいかないわな」

マコトは男の前へ進んでいった