時代錯誤の錬金術師

suke

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適正無し

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「遂にこの日がやってきた!」

晴れ渡る空、穏やかな風
雄大な自然が広がるこの村で
俺ユキトは12歳となり、『儀式』である今日を迎えたのだ

「ユキト!準備は大丈夫なの?」
「何か必要なものとかは無いよな?」
「教会まですぐそこだし大丈夫だよ父さん、母さん。」

このやや過保護気味な2人が俺の親だ
儀式が行われる教会まで歩いて4、5分なのにこの慌てふためきようだ
昔は2人とも凄かったらしいんだけど
ほんとうだろうか…

「ほんとうに大丈夫なの?」
「大丈夫だって!いってきます!」

そう言って家を出て、少し歩くと教会に着いた
小さな村の教会ではあるが、本で見た都市の教会と比べてもしっかりしたものになっている

周りにはこの村で俺と同じく12歳となった子供たちとその家族が集まっている
儀式自体の参加は子供だが、家族もそれを見ることができるのだ
俺の場合、あの親だから置いてきたのだけれど…
そんなふうに考えていると教会の中からが出てきた

「お待たせしました、皆さん。私はこの教会を管理する司祭です。それでは中へどうぞ。」

そう言われ俺たちは教会の中へと入った

「では皆さんにご説明させていただきます。この儀式を受けることで魔法適正がわかります。簡単に言えばあなた方の将来に出来ることがわかるのです。」

司祭の話によると魔法はこの世に5系統あると考えられており、この儀式ではそのどれを使うことが出来るのかというものらしい

「それでは順番にこちらへ。」

司祭は説明が終わると壇上に立ち、一人一人儀式を行なっていく

「君は火と水だね。」
「二つかぁ…」
「君は…すごい!風と水と雷と土だ!」
「よっしゃ!」

他の子達の様々な声が聞こえてくる
魔法適正は基本2系統以上で4と5は稀なんだとか
まぁ贅沢は言わないし、1、2つあれば十分だ
それでもやっぱりどの系統になるのかな
早く俺の番にならないかなぁ…

なんて思えてた間は幸せだった

「君は…適正が、無いみたいだね。
魔法は使えない。」

当たり前にあると思っていたものがなかったのだから
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