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雛汰と遥斗

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レディースアーンド、ジェントルメーン!!!どうもどうも、こんにちは!俺、雛汰は只今絶賛大ピンチ!
幼馴染にベッドの端っこに追い詰められてます。

これってどういう状況なん?!ちょ、誰か助けてー!!!




って、助け求められるような人いないわ。てか、この状況誰かに見られるのもだいぶマズイ…。うーん、どうしたものk「ねぇ」

「ひゃいっ」

「そんなに驚く?てか、何考えてんのさ。今は俺の事だけ見て俺の事だけ考えててよ。」

「ふぇ?」

「なにそれ、ふぇって。ひなちゃんはかぁいいねぇ。」

「俺は可愛くない!!!大体可愛いのは遥斗の方だろ!」

「え、そう?俺のこと可愛いって思ってくれてるんだぁ。もう可愛いなんて言われ慣れちゃったけど、ひなちゃんに言われると嬉しいな。ちょっと照れちゃう。って、違うー!いい?ひなちゃん、話を戻すよぉ、」

「う、うん」

「……ひなちゃん、俺と付き合ってください。」

「え?」

「だからぁ、俺と付き「わかったって!それは聞こえたってば!」

「えー、じゃあなんなのさぁ、」

「いや、だって、第一なんで俺なんだよ。お前なら我らがマドンナ高橋さんとも付き合えるだろ?」

遥斗すっげえ顔良いし。イケメンと言うよりかは可愛いよりだけど。The美少年って感じ。感覚麻痺しないというか、麻痺しても顔良いなって感じるぐらいには。

「あー、高橋さんねぇ。断ったよ」

「断ったぁ?!」「うん、断った。」

「なんで?」

「え?ひなちゃんの方が可愛いから」

「だから俺は可愛くないっ!じゃなくて、なんでだよぉ。」

「ひなちゃんの方が可愛いから」

「それはさっきも聞いたし、お前の感覚どうなってるの?!俺はどこでお前の育て方を間違えたの?」

「あいにくひなちゃんに育てられた記憶は無いなぁ。」

「そりゃないだろうな!逆にあったらこぇーわ!」

「だよねぇ。」



「……で、返事は?」

「ヘンジ?」

「うん、お返事」

「ナンノ?」

「俺のさっきの告白の」

「正気?冗談だろ?」

「正気だし、冗談なんかじゃないよ」

「だって、お前俺の事嫌いになったんじゃなかったのかよ。」

「え?なんでさ」

「だって、最近俺の事避けてたし、LINEも返してくれなかった。」

「それはごめん。ちょっとした準備を進めてて、」

「準備ってなんだよ、準備って!」

「それはまだ言えない。」

俺は遥斗の顔が見えないように布団を被った。遥斗の顔なんか見たくないし、今俺めっちゃブスだし多分·····。

「言えないってなんだよ、言えないって。もう、遥斗嫌い!あっち行け!」

なんで俺のことが好きとか言いながら隠し事するのさ、隠すぐらいなら正直に言って言い訳でもしてよ。遥斗訳わかんない。

「ひなちゃん…」

「ヤダ!お前とは絶交だから!」

「……雛汰」

「ヒェッ」

めっちゃ遥斗声低い。すっげー怒ってる時の声じゃん!でも俺悪く無くね?悪いのは全部遥斗じゃん!てかいっつも声高いのにそんな低い声どこから出てるの?!出し方教えて欲しいぐらいだわ!!



「……なんで怒るん」

「ひなちゃんが絶交とか言うから。」

「だって遥斗が悪いんじゃん!俺を避けてた上に隠し事するし」

「だから謝ったじゃん」

「そんなのじゃ許さないから」

「じゃあ、どうしたら許してくれる?」

やめてよ、そんな甘い声出すの。俺チョロいんだから。許してあげたくなっちゃうじゃん。

「……」

「教えて?ひなちゃん」

「……もう俺の事ひとりにしないで」

やっぱ距離取られるのは寂しいし、

「うん」

「LINEもちゃんと返して」

何かあったのかなって不安になる。

「うん。わかった」

「なら許す。」

「良かった。じゃあ、付き合ってくれる?」

「なんでそうなるんだよ!」

驚きすぎてまじで布団が吹っ飛んじゃったよ?!こんなリアルダジャレ展開誰も予想してないよ!!!てか、流れおかしくない?!

「え?違うの、」

「そりゃ違うだろ!」 

許す=付き合ってもいいかな、とはならんのよ!もう、頭いいのにこういうとこだけぽんこつなんだからぁ。

「えー、」

不満そうな顔も可愛いんだよなぁ。ってダメダメ!すぐ絆されそうになるんだから!しっかりしろよ俺!

「えーじゃないっ!」


「じゃあ逆になんでダメなの」

「だって、俺なんかお前にはもっとふさわしい人がいるし」

「例えば?」

「それは…」

高橋さん…は振ったんだった。田中さんは……スタイルいいけどものすごいギャルだし、俺が怖いわ。特にあの長い爪、刺さったりせんのかな。折れたら痛そう。これらの理由から遥斗に近づけなくなる。佐藤さんは……美人なんだけど俺と遥斗を見つめる目が怖いんだよなぁ。狩人の目してる。狩人なんて見たことないけど。

「居ないよね?てか、俺にふさわしいって何?」

「だって、お前には幸せになって欲しいし」

今までずっと俺のお世話させちゃってたしそろそろ解放してあげなきゃ。俺には何もしてあげられないからせめて解放してあげたい。

「俺のためって言うなら俺の好きな人と一緒にいさせてよ」

「うっ、」

確かにそれは正論だわ……。

「ねぇ?ひなちゃん」

かわいい……っは!じゃなくて!

「やめろ!俺がその顔に弱いの知ってるだろ!」

あっぶねぇ。言いなりになるとこだったわ。
こいつほんとに顔だけはいいんだよ。遥斗の日本の経済回復する。

いや、顔だけじゃない。なんでも出来るハイスペックだった。

「知ってる。知っててやってるもん」

「お前ホント性格わっる!」

ただし性格だけはちょっとあれ。

「性格悪い俺は嫌い?」

「嫌いじゃないけどぉ…」 

嫌いじゃないから困ってるんじゃん。

「じゃあ好き?」

「うん、」

「じゃあ付き合おう?」「なんでだよ!」

「え?俺もひなちゃんが好きで、ひなちゃんも俺の事好きなんでしょ?じゃあ付き合おうよ」

いやいやいやいや、

「多分俺の好きとお前の好きは違うだろ。そもそも、お前の好きが恋愛感情とは限らないだろ。勘違いしてるだけかも」

「勘違いなんかじゃないよ。俺はひなちゃんが好き。初めて会ったときから好き」

「初めて会った時からって3歳だぞ?!」

あの頃の遥斗はまじで天使だった。ちっちゃくて目もおっきくてくりっとしてて、俺と目が合うと必ず花が咲くように笑ってくれるんだ。
どこで何をするのも一緒で、俺の後を一生懸命追いかけて来てくれて嬉しかったんだよなぁ。
今思うと俺が毎回転けるから心配で後ろを着いてきてくれてたんだと思う。うん、やっぱ遥斗はちっちゃい頃からしっかりしてる自慢の幼馴染だ。

「うん、そうだよ。3歳から今まで、16年間ずっと好き。」

「なっが!」

16年も何してるのさ!もっと他にもいい人いたでしょ!せっかく顔もスペックもいいのにもったいない!

「そうかもねぇ」

「……俺のどこがいいんだよ。お前に勝てるとこひとつもないのに。」

俺と付き合ったっていい事あるとは思えない。
顔もスタイルも平凡だし、もちろん女の子みたいに柔らかくないし。女の子触ったことないからわかんないけど。ボンキュッボンでもない。ストンッだ。

「ひなちゃんの好きなとこ?全部だよ。強いて言うなら可愛いとこかな」

「だから!お前の方が可愛いだろ」

「顔の話じゃなくて、ひなちゃんのなんでも一生懸命なとことか、自分が大変な時でも困ってる人を放っておけないとことか、美味しいもの食べた時の笑顔とか、あとあとー「もういいからっ!わかった!わかった!」

「えー、言い足りないよぅ」

「これ以上は俺が恥ずか死ぬ。」

「ひなちゃん耳まで真っ赤じゃん、かっわいい~」

「ぐぬぬ」

ほんと、いっつも余裕そうなのムカつく。そこがまたかっこいいんだけど、


べ、べつに遥斗のことが好きとかじゃないんだから!!!……多分。

「それで、付き合ってくれる?」

「それは…」

「まあ、付き合ってくれるまで言い続けるけどね」

「で、でも俺卒業後県外行くんだぞ?」

遥斗とは離れちゃうじゃん。寂しいけど、遥斗離れするためにわざわざ県外選んだんだから。

「うん、俺も一緒に行くよ?」



「……は?」

「ゆかさんにひなちゃんのこと頼まれてるし」

「はぁっ?ちょ、まって、母さん???」

聞いてない!俺なんにも聞いてないんだけど!!! 

いや、そういえばちょっと前に部屋探す時は遥斗に決めてもらえば?みたいなこと言われたわ。俺が頼りないから、遥斗に勧められたところなら安心って話かと思ってたよ!そういう事か!一緒に住むから遥斗に決めてもらえってことだったのね!勘違いしてたわ!でもこれは母さんの言い方も悪いと思う!!!1番は頼りない俺のせい!

「うん、ひなちゃん料理できないでしょ?それすっごい心配してたよ」

「そりゃ出来ないけどさ、コンビニで「ダメだよ」

「はい」

「俺がいた方がいいでしょ?家事も分担できるし、家賃もちょっと安くなる!ひなちゃん朝苦手だし、ちゃんと毎朝起こしてあげるよ?」

「で、でもぉ」

「まあ、これは決定事項だから。さっきも言ったけどゆかさんにお願いされてるし」

「まじ?」

ちょっと母さん、俺の知らないところで勝手に決めないでよぉ。俺に決定権はー?
でも確かに俺が決めるより遥斗が決めた方が心配はないよな。って、俺が納得してどーするんだよぅ

「まじまじ。これで言い続けられるってわかってくれた?」

「わかったけどさ」

でも、絶対飽きるというか嫌になるって。同い年の男の世話を毎日するんだぜ?遥斗だっていやだろ。

「俺これまで割と頑張ったんだよ?ひなちゃんに振り向いてもらおうと努力したんだからぁ。結局全然気づいてくれなかったけどね。
昔ひなちゃんが頭いいのかっこいいって言ったから勉強して学年1位になったし、ひなちゃんを守れるように柔道も極めたし、ひなちゃんが苦手って知ったから料理もひなちゃんの好きな物はレシピ見なくても作れるようになったし、ひなちゃんが笑ってくれるって考えたらなんでも頑張れたんだぁ。」

「え?」

「ゆかさんの信頼を得るためにもいろいろ頑張ったんだからぁ」

「はぁ、」

「ぶっちゃけちゃうと最近避けてたのはひなちゃんの友達に協力を仰いでたから。俺がひなちゃんのこと好きなの伝えていざと言う時に協力してねって。あと物件探しとその辺の土地調べてて忙しかったんだよね。ついでにバイトで資金調達。LINEは思わず好きって言っちゃいそうだったから。準備進めてるとどうしてもひなちゃんのこと考えちゃってさ、ついうっかり言っちゃいそうだったんだよねぇ。実際何回か文字打って消した。ひなちゃん結構いろいろ悩みこんじゃうでしょ?だから今まで言いたくなかったの。卒業直前ならもう他に悩むことないしいいかなって、卒業後は俺と一緒に住むんだし」

遥斗お前……

「俺の事めっちゃ好きじゃん」

「うん、好きだよ?これからもずーっと一緒だね。」










「え?俺って思ってたより愛されてた感じ?」

「そうだねぇ。ちょっと逃げるのが遅かったねぇ、ひなちゃん」

完璧外堀埋められちゃってるし、よく考えてみれば今の生活から遥斗いなくなったら何にもできないじゃん。やば。

「はぁ、あーもう降参降参、俺の負けです。」

「負けとかじゃなくてちゃんとお返事が欲しいなぁ。」



「……俺も」

「俺も?」

「お前が、遥斗が好き。」

「うん。俺と付き合ってくれる?ひなちゃん」

「俺でなんかでよければ」

「なんかじゃないよ!ひなちゃんじゃなきゃヤダ!」

ギュッって遥斗が急に抱きついてくる。あ、めっちゃいい匂いする。なんて言うの、あのー、えっと、……わかんないっ!けど落ち着く匂い!

「き、急に抱きつくなよ」

「ひなちゃんが俺なんかって言うから」

「……ほんとお前変わってるよな」

「どこが?」

「いろいろ」

「いろいろってなにさぁ、」

「だから、いろいろは色々だよ」

俺のことが好きなとこが1番変。

「なんなのーもう、」

俺今まで気づいてなかったけど、「好きだよ遥斗」

「もう、そんなんで誤魔化されると思わないでよー!俺も!ひなちゃんのこと大好きだよー」

しばらくそのまま抱き合ってたけど、心臓バクバクでこれ以上は俺の身がもたない。心臓から太鼓みたいな音鳴りそう。というかもう既に鳴ってる。

バッっと遥斗から離れる。多分今俺めっちゃ顔赤い。

「よ、よし。飯、飯くいに行こうぜ」

「やった!ひなちゃんの奢り?」

「なんでだよ!割り勘に決まってんだろ!」

「えーひなちゃんのケチー」

「ケチじゃない!ほら、さっさと行くぞ!」

急げ俺!遥斗に顔を見られる前に玄関へダッシュだ!

「待ってよひなちゃん!って、はっやいなぁ」
 


「絶対離してあげないから。覚悟してね雛汰」







「さっきなんか言ってたか?」

「なんでもないよぉ。ほら早く行こー!」


━━━━━━━━━━━━━
ここからは読まなくても大丈夫!作者の独言コーナー



最後まで読んでくださったそこの方、本当にありがとうございます。作者のパワフル6世です。私昔から本を読むのが好きで、最近自分も書いてみたいと思うようになり、ついにちょっと書いちゃいました。
本当はエロ書きたかったんですけど、さすがにそこまでの技量は持ち合わせてなかったので今回は断念させて頂きました。
これから練習してえろ書けるように頑張ります!

そして、もし良ければまたこの子達を主人公としたこの後の話&ifの短編集を書こうと思っているので見ていただければ嬉しいです。場所はここじゃなくて、もうひとつ作品をつくってそっちに書いていく予定なので、よろしくお願いします。こっちは更新することは無いです。多分。

今予定しているのはDomSubものとかですね。
本作の途中の遥斗の「教えて?ひなちゃん」の所にすごく〈say〉とか〈speak〉とか入れたくなっちゃって!!!どうにかこの疼く右腕を抑えましたが、封印がとかれるのも近いでしょう。
可愛い系執着Dom×平凡鈍感Subとか絶対尊い(◜¬◝ )推し作家に書いてもらいたい。
作者すごくDomSub好きで、飢えているんです!最近推し作家様が何作か書いてくださって、もうウハウハです。( ◜ω◝ )ニチャアが止まりません。
長くなってしまいすみません。本当に最後まで読んでくださった貴方様に最大の感謝を。
さすがに長くなりすぎちゃいましたね。それではこの辺で。またお会い出来ることを願っております。

8/2 22:41
独り言の1部を削除させて頂きました。すっげぇおこがましいこと言ってたので。
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