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BA、聖女召喚の儀式に巻き込まれる
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第二王子に宰相に魔術師団団長。
ワア、コレナンテラノベ?
「鴇藤 蓮です。蓮が名前です」
「ほう、君も家名持ちなのか」
「君も?」
「聖女様の事だ。彼女もサクラダという家名をお持ちだった」
「ああ。って、そうだ! 彼女は無事ですか!」
他に気を取られ過ぎて、すっかり忘れてた。すまん、許せ。
「無論だ。聖女とは、どの国においても王族と同等、もしくはそれ以上の扱いを受ける。
この国では、国王の次に権力を持つ。
しかし、命の話ともなれば別だ。場合によっては、国王よりも優先されるだろう」
「国王よりも、ですか(何それ、国で1番勝ち組じゃん。あの子そんな偉い子だったの⁉︎) 」
「そうだ。極端に言えば、国王には替えがきく。幸い優秀な王子が3人もいらっしゃるからな。
だが、聖女は1人だ。彼女が死ねば、この国に聖女はいなくなる」
拉致して来たのにか?
また拉致れば済む話じゃーーーいや、拉致ダメ、絶対。No,more 犯罪。
「不思議そうな顔をするな。君の世界には、聖女はいないのかい?」
「貴方の言う聖女が何なのか、分からないので判断出来ません。
例えば、心が清らかな人を聖女の様だと評する事はありますけど」
「そうか。では存在しないのだな。
いいか、聖女とはそんな移ろいやすいものではないんだよ。
時には心を癒し、傷を治し。そして時には、存在そのものを消滅させる力を持つ者だ」
あれ、俺宰相さんの気に障る事言っちゃった?
雰囲気違くない? 一気にピリピリしてるんですけど。
あと、聖女恐い。存在を消滅させるって何、癒すだけじゃないの。攻撃も得意なの?!
「ジーク、マナが漏れている。彼は耐性がないんだ。抑えろ」
「申し訳ありません、殿下」
マナって何だ。そしてキラキライケメン王子、ありがとう。助かった。
おいコラ、爺さん欠伸すんな。見えてるぞ。
「レンと言ったか。すまない、突然別の世界に連れて来られて困惑しているだろう。
ジークが恐がらせた様で悪かった。
我がハルシファー王国において、聖女はそれほどの存在なんだ。神格化されていると言ってもいい」
今、とんでもなく重要な事を言わなかったか。
これは認めるしかないのか?
「さて。その尊き聖女だが、数百年に一度、只人では到底対処出来ない厄災が訪れる時、神がお導きになる。
人間が多いが、エルフや獣人として生まれる事もあった。
そして今回は人間。それも異界の者だ。
今までにも数度あったが、どれだけの歳月が経っても非常に困難を極める。
それが、レンがこの世界に来た理由、聖女召喚の儀式だ」
「っ地球は、日本はっ(ダメだ、認めるな。諦めてはダメだ)」
「残念ながら、ここは君が生まれ育った世界ではない。異世界だ」
「そんなっーーー」
夢なら覚めろ、早く覚めてくれ!
明日は顧客様が来店される予定なんだ。来月からは、石田さんのアシスタントとしてっ。
仕事がっ、実力が認められるチャンスなんだっっ!
「その、厄災とやらが片付いたら、帰してもらえるんですよね」
「不可能だ」
目の前が真っ暗になった気分だ。どうしてこんな目に遭わなきゃいけない。
俺は関係ないんだろう?!
仕事は? 親は? 友達は?
どうなんだよっ!?
「そんな無責任な話がありますか。アンタらが勝手に喚んどいて、無理矢理災難を押し付けて、解決したらお終い?
は? 有り得ないだろ、そんな話」
「言葉に気を付けろ、トキトゥ」
「よせ、ジーク。彼の怒りは最もだ。
レン、本当に身勝手な事だと思っている。それでも同じ事になれば、必ずまた召喚するだろう」
「ふざけーーー」
「私達には、国民を、この世界を守る義務がある。例え異界の誰かを犠牲にしたとしても。
許してくれとは言わない。…ただ、解って欲しい」
「何だよ、それ。そんなんアリかよ。俺の人生はどうなるんだよっ」
「すまない。出来る限りの生活は保障しよう。
このまま城で暮らしてもいいし、家が必要なら用意する。望むなら、私の保護下に置いてもいい」
「殿下、それはっ」
「いいんだ。私達はそれだけの事を彼にした。レン、どうしたい」
それだけの事、ね。異世界に連れて来られて、家族も仕事も失って、お詫びに保護します?
全然釣り合ってねえだろうが!
ああ、くそっ!
マジで何でこんな目に。
ーーーっはあ~、落ち着け。今だけを考えろ。
まずは衣食住の確保が先決だ。
「とりあえず、城でお世話になります。で、この世界の常識と、この国の文化、マナーを教えて下さい。自立出来る様になったら出るので、家と3ヶ月程の生活費が欲しいです」
「っ⁉︎ 君は、凄いな。
ーー自立までの世話と、自立後の資金だね。それぐらい構わないよ」
「お願いします」
「フフッ、面白い。勿論その希望は叶えるけど、やっぱり私の保護下に入らないか?」
「お断りします(願い下げだ)」
「そう、残念。気が変わったらいつでも言って、歓迎するよ」
「どうも」
「フフッ、気長に待つかな」
「(殿下にむかって、なんと太々しい態度なんだ。
しかし、聖女様と違い、取り乱したのは一瞬。肝が据わっているのか、見所のある奴ではある)」
「(ふむ。先程は存在感のない小僧だと思ったが、なかなかこれで豪胆な人間じゃな。
まあ、一度ぐらいは助けてやらん事もないか)」
「じゃあ、私は失礼するよ。細かい要望はジークに言ってくれ。
また明日会おう」
「おや、では私も。また会う事もあろう、ではな異界の者よ」
え、宰相さん置いてくの。リクエストしにくいんだが。
うわー。王子も爺さんもあっさり帰っちゃった。あと空気だった屈強な男達も。あれ王子の護衛だよね、きっと。
「トキトゥ、具体的な希望はあるか。
まずは王城での生活をどの様に考えている?
あとは、教師を雇えば良いのか? どんな教師が良い。何が知りたい」
「えっと、寝る場所と3食の食事、服を下さい。
教えてもらいたいのは、常識なんだけど、ん~何て言えば良いんだろう」
「今日中でなくとも構わん。よく考えるといい。
ところで、はじめからずっと手が止まっているが、腹がいっぱいなのか」
「………へ?」
「食事の手が止まっているではないか。話しながらで良いと言っただろう?」
いや本気? 無理に決まってんだろ。だいたい、ピリピリしてたくせに話しながら飯食っても良いんか!
王子の前でそれしても、お前は許すのか?
宰相さんって変!
「流石に、あの空気で食べづらかったというか。まあそんな感じです」
「ではもう食べられるだろう」
「はい?」
「食べなさい。育ち盛りの男が遠慮してどうする。成長出来んぞ」
オカン! 顔に似合わず、まさかのオカン!
もうギャップについていけない。違う意味でコワイ、この人。
「いただきます」
「よし」
「あの」
「何だ。嫌いなものでもあったか」
「いえ。もしかしたら勘違いされてるかな~と」
「何を」
「俺、成人してます。24です。成長も止まってます、身体的なやつなら」
「……24? 君が?」
「はい」
「ひょっとして君は童顔か」
「いいえ(たぶん。言われた事ないし) 」
「しっかり食べて、よく寝なさい。
マナーに追加して運動も取り入れよう。筋肉を付けるんだ」
一応言っとくけど、日本人の一般的な体型より、やや細マッチョな方だからな!
コレでも見た目は気を遣ってんだよ、美容業界の接客業舐めんなよ。
見た目の良し悪しで客数変わるからな!?
って言えたら良いのに。宰相さん達がガタイ良過ぎて言えねえ。
「お手柔らかにお願いします」
「ああ、私も時々様子を見るとしよう」
完全に病弱か保護対象認定されてないか。
良い事なんだけどね、これからを思えば。でも何か違う。
そのまま完食するまで見守られ、メイドを呼び戻してアレコレ指示を出し、宰相さんは去って行った。
メイドさんは、また初めましての人に変わっていた。
ミレーさんが良かったな。ごめんなさい。
ちなみにお風呂の世話は断固拒否した。パンピーには無理です。
パンピーって死語か。美少女JKは知ってるのかな。 通じなかったら、ちょっとショックかも知れない。
さて、5つ星ホテルもびっくりの、ふかふかなベットに横になったわけだが、異世界か~。
メイクアップアーティストになりたかったなぁ。せっかくBAになったんだし。
明日の早番、俺だけなのに店大丈夫かな。オープン出来なかったら、百貨店から罰金請求されるんだっけ。
無断欠勤したら、試験もアシスタントの話もなしだよな。
そういや、もう1年実家帰ってねぇわ。母さん、元気かな。父さんは相変わらずコーヒーに凝ってるんかな。
姉さんは、旦那と上手くいってーーるな。うん。旦那を尻に敷いてるだろうし。あの姉は。
和樹達はどうだ。飲みに行く約束してたけど、アイツ最近彼女出来たから、どうせ惚気話で決まりだ。
あー、コイツらは大丈夫だわ。
本当にもう会えないんだな。
あの子は大丈夫だろうか。俺はまだ大人だけど、彼女は高校生だ。
しかも聖女という大役付き。泣いてないと良いけど。
明日、会えるか聞いてみるか。きっと爺さんあたりが過保護に構いまくってウザがられてるだろうし。
なんせ国王より大事な命だからな。
爺さんと言えば、魔術師だっけ。
俺も使えたりすんのか?
こういう時は何て言うんだ。うーん。
「ファイア」
ーーシーン
知ってた。知ってたよ。でも言ってみたいじゃん。恥ずかしい。
そうだ、どうせならアレも試そう。誰も聞いてないから恥ずかしくなんかないやい。
「ステータス、オープン」
ーーブオンッ
「はっ、マジ? 」
出ちゃったよ、ステータス。
ワア、コレナンテラノベ?
「鴇藤 蓮です。蓮が名前です」
「ほう、君も家名持ちなのか」
「君も?」
「聖女様の事だ。彼女もサクラダという家名をお持ちだった」
「ああ。って、そうだ! 彼女は無事ですか!」
他に気を取られ過ぎて、すっかり忘れてた。すまん、許せ。
「無論だ。聖女とは、どの国においても王族と同等、もしくはそれ以上の扱いを受ける。
この国では、国王の次に権力を持つ。
しかし、命の話ともなれば別だ。場合によっては、国王よりも優先されるだろう」
「国王よりも、ですか(何それ、国で1番勝ち組じゃん。あの子そんな偉い子だったの⁉︎) 」
「そうだ。極端に言えば、国王には替えがきく。幸い優秀な王子が3人もいらっしゃるからな。
だが、聖女は1人だ。彼女が死ねば、この国に聖女はいなくなる」
拉致して来たのにか?
また拉致れば済む話じゃーーーいや、拉致ダメ、絶対。No,more 犯罪。
「不思議そうな顔をするな。君の世界には、聖女はいないのかい?」
「貴方の言う聖女が何なのか、分からないので判断出来ません。
例えば、心が清らかな人を聖女の様だと評する事はありますけど」
「そうか。では存在しないのだな。
いいか、聖女とはそんな移ろいやすいものではないんだよ。
時には心を癒し、傷を治し。そして時には、存在そのものを消滅させる力を持つ者だ」
あれ、俺宰相さんの気に障る事言っちゃった?
雰囲気違くない? 一気にピリピリしてるんですけど。
あと、聖女恐い。存在を消滅させるって何、癒すだけじゃないの。攻撃も得意なの?!
「ジーク、マナが漏れている。彼は耐性がないんだ。抑えろ」
「申し訳ありません、殿下」
マナって何だ。そしてキラキライケメン王子、ありがとう。助かった。
おいコラ、爺さん欠伸すんな。見えてるぞ。
「レンと言ったか。すまない、突然別の世界に連れて来られて困惑しているだろう。
ジークが恐がらせた様で悪かった。
我がハルシファー王国において、聖女はそれほどの存在なんだ。神格化されていると言ってもいい」
今、とんでもなく重要な事を言わなかったか。
これは認めるしかないのか?
「さて。その尊き聖女だが、数百年に一度、只人では到底対処出来ない厄災が訪れる時、神がお導きになる。
人間が多いが、エルフや獣人として生まれる事もあった。
そして今回は人間。それも異界の者だ。
今までにも数度あったが、どれだけの歳月が経っても非常に困難を極める。
それが、レンがこの世界に来た理由、聖女召喚の儀式だ」
「っ地球は、日本はっ(ダメだ、認めるな。諦めてはダメだ)」
「残念ながら、ここは君が生まれ育った世界ではない。異世界だ」
「そんなっーーー」
夢なら覚めろ、早く覚めてくれ!
明日は顧客様が来店される予定なんだ。来月からは、石田さんのアシスタントとしてっ。
仕事がっ、実力が認められるチャンスなんだっっ!
「その、厄災とやらが片付いたら、帰してもらえるんですよね」
「不可能だ」
目の前が真っ暗になった気分だ。どうしてこんな目に遭わなきゃいけない。
俺は関係ないんだろう?!
仕事は? 親は? 友達は?
どうなんだよっ!?
「そんな無責任な話がありますか。アンタらが勝手に喚んどいて、無理矢理災難を押し付けて、解決したらお終い?
は? 有り得ないだろ、そんな話」
「言葉に気を付けろ、トキトゥ」
「よせ、ジーク。彼の怒りは最もだ。
レン、本当に身勝手な事だと思っている。それでも同じ事になれば、必ずまた召喚するだろう」
「ふざけーーー」
「私達には、国民を、この世界を守る義務がある。例え異界の誰かを犠牲にしたとしても。
許してくれとは言わない。…ただ、解って欲しい」
「何だよ、それ。そんなんアリかよ。俺の人生はどうなるんだよっ」
「すまない。出来る限りの生活は保障しよう。
このまま城で暮らしてもいいし、家が必要なら用意する。望むなら、私の保護下に置いてもいい」
「殿下、それはっ」
「いいんだ。私達はそれだけの事を彼にした。レン、どうしたい」
それだけの事、ね。異世界に連れて来られて、家族も仕事も失って、お詫びに保護します?
全然釣り合ってねえだろうが!
ああ、くそっ!
マジで何でこんな目に。
ーーーっはあ~、落ち着け。今だけを考えろ。
まずは衣食住の確保が先決だ。
「とりあえず、城でお世話になります。で、この世界の常識と、この国の文化、マナーを教えて下さい。自立出来る様になったら出るので、家と3ヶ月程の生活費が欲しいです」
「っ⁉︎ 君は、凄いな。
ーー自立までの世話と、自立後の資金だね。それぐらい構わないよ」
「お願いします」
「フフッ、面白い。勿論その希望は叶えるけど、やっぱり私の保護下に入らないか?」
「お断りします(願い下げだ)」
「そう、残念。気が変わったらいつでも言って、歓迎するよ」
「どうも」
「フフッ、気長に待つかな」
「(殿下にむかって、なんと太々しい態度なんだ。
しかし、聖女様と違い、取り乱したのは一瞬。肝が据わっているのか、見所のある奴ではある)」
「(ふむ。先程は存在感のない小僧だと思ったが、なかなかこれで豪胆な人間じゃな。
まあ、一度ぐらいは助けてやらん事もないか)」
「じゃあ、私は失礼するよ。細かい要望はジークに言ってくれ。
また明日会おう」
「おや、では私も。また会う事もあろう、ではな異界の者よ」
え、宰相さん置いてくの。リクエストしにくいんだが。
うわー。王子も爺さんもあっさり帰っちゃった。あと空気だった屈強な男達も。あれ王子の護衛だよね、きっと。
「トキトゥ、具体的な希望はあるか。
まずは王城での生活をどの様に考えている?
あとは、教師を雇えば良いのか? どんな教師が良い。何が知りたい」
「えっと、寝る場所と3食の食事、服を下さい。
教えてもらいたいのは、常識なんだけど、ん~何て言えば良いんだろう」
「今日中でなくとも構わん。よく考えるといい。
ところで、はじめからずっと手が止まっているが、腹がいっぱいなのか」
「………へ?」
「食事の手が止まっているではないか。話しながらで良いと言っただろう?」
いや本気? 無理に決まってんだろ。だいたい、ピリピリしてたくせに話しながら飯食っても良いんか!
王子の前でそれしても、お前は許すのか?
宰相さんって変!
「流石に、あの空気で食べづらかったというか。まあそんな感じです」
「ではもう食べられるだろう」
「はい?」
「食べなさい。育ち盛りの男が遠慮してどうする。成長出来んぞ」
オカン! 顔に似合わず、まさかのオカン!
もうギャップについていけない。違う意味でコワイ、この人。
「いただきます」
「よし」
「あの」
「何だ。嫌いなものでもあったか」
「いえ。もしかしたら勘違いされてるかな~と」
「何を」
「俺、成人してます。24です。成長も止まってます、身体的なやつなら」
「……24? 君が?」
「はい」
「ひょっとして君は童顔か」
「いいえ(たぶん。言われた事ないし) 」
「しっかり食べて、よく寝なさい。
マナーに追加して運動も取り入れよう。筋肉を付けるんだ」
一応言っとくけど、日本人の一般的な体型より、やや細マッチョな方だからな!
コレでも見た目は気を遣ってんだよ、美容業界の接客業舐めんなよ。
見た目の良し悪しで客数変わるからな!?
って言えたら良いのに。宰相さん達がガタイ良過ぎて言えねえ。
「お手柔らかにお願いします」
「ああ、私も時々様子を見るとしよう」
完全に病弱か保護対象認定されてないか。
良い事なんだけどね、これからを思えば。でも何か違う。
そのまま完食するまで見守られ、メイドを呼び戻してアレコレ指示を出し、宰相さんは去って行った。
メイドさんは、また初めましての人に変わっていた。
ミレーさんが良かったな。ごめんなさい。
ちなみにお風呂の世話は断固拒否した。パンピーには無理です。
パンピーって死語か。美少女JKは知ってるのかな。 通じなかったら、ちょっとショックかも知れない。
さて、5つ星ホテルもびっくりの、ふかふかなベットに横になったわけだが、異世界か~。
メイクアップアーティストになりたかったなぁ。せっかくBAになったんだし。
明日の早番、俺だけなのに店大丈夫かな。オープン出来なかったら、百貨店から罰金請求されるんだっけ。
無断欠勤したら、試験もアシスタントの話もなしだよな。
そういや、もう1年実家帰ってねぇわ。母さん、元気かな。父さんは相変わらずコーヒーに凝ってるんかな。
姉さんは、旦那と上手くいってーーるな。うん。旦那を尻に敷いてるだろうし。あの姉は。
和樹達はどうだ。飲みに行く約束してたけど、アイツ最近彼女出来たから、どうせ惚気話で決まりだ。
あー、コイツらは大丈夫だわ。
本当にもう会えないんだな。
あの子は大丈夫だろうか。俺はまだ大人だけど、彼女は高校生だ。
しかも聖女という大役付き。泣いてないと良いけど。
明日、会えるか聞いてみるか。きっと爺さんあたりが過保護に構いまくってウザがられてるだろうし。
なんせ国王より大事な命だからな。
爺さんと言えば、魔術師だっけ。
俺も使えたりすんのか?
こういう時は何て言うんだ。うーん。
「ファイア」
ーーシーン
知ってた。知ってたよ。でも言ってみたいじゃん。恥ずかしい。
そうだ、どうせならアレも試そう。誰も聞いてないから恥ずかしくなんかないやい。
「ステータス、オープン」
ーーブオンッ
「はっ、マジ? 」
出ちゃったよ、ステータス。
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