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リクエスト企画 *本編と関係ありません。読み飛ばし◎

リクエスト フィン×ルーカス (R指定)

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※本編でフィンは攻要員ではありません。
読まなくても、本編には関係ありません。






 第1騎士団の官舎では、日課の訓練が行われていた。


「よし。そこまで」
「「「ハッ」」」
「各自持ち場に戻れ」


 先に訓練所を出たフィンの背中を、団員達は落ち着かない様子で見た。
 汗を拭い、訓練用の剣を片付けながら、1人が疑問を口にする。


「なあ。やっぱ最近、モンフォール団長の雰囲気変わったよな」
「お前もそう思うか」
「俺も気になってた」
「だよな」


 周りにいた団員も口々に同意する。
 氷の騎士の二つ名を持つ上司の変化に、彼等は言い知れない気持ち悪さを感じていた。


「だろ? なんか優しくなったっていうか。棘がとれたっていうか」
「分かる!」
「絶対なんかあったよな」
「……女だな」
「「は?」」
「女ができたんだ」
「「「なにぃ~?!」」」




ーーーー
ーーー


 以前は、残業する事も多かったフィンが、定時に真っ直ぐ帰る様になった。
その理由は、彼が膝に乗せている箱にある。



「「「おかえりなさいませ」」」
「ああ。ルゥはまだか?」


 帰るなり、フィンはキョロキョロと周囲を見回す。
目当てのルーカスは、まだ帰っていない様だ。



 夕食後、フィンはルーカスの部屋を訪ねた。


ーーコンコン


「ルゥ、私だ」
「はーい。どうしました?」
「土産だ、一緒に食べよう」
「わあ、嬉しいです! 今お茶、お願いしてきますねっ」


 フィンが土産と言った菓子は、実は本人が買った訳ではない。貰い物である。
 近頃様子のおかしいフィンに対し、副団長のゼノンは団員達と同じ様な誤解をしていた。
 だからゼノンとしては、気を利かしたプレゼントのつもりだったのだがーーーー…


「開けていいですか」
「ああ」


 赤いリボンのラッピングを、ルーカスはワクワクしながら解いた。
蓋を開けると、美味しそうなマドレーヌが。


「マドレーヌだっ。あれ、コレ何だろ」
「そのソースをかけて食べるらしい」
「へ~、オシャレですね」


 添えられているのは、ジャムの様なソースだった。ルーカスは試しに、少しだけかけてみる。
 容器から垂れた分を、指で拭って舐めた。


「んっ、ベリー味だ。うま」
「たくさんあるから、気にせず食べない」
「ありがとうございます、フィン兄」


 フィンがこうやって土産を渡すのは、今に始まった事ではない。
初めは緊張していたルーカスも、今では遠慮なくパクパクと食べ進めている。


「気に入ったか」
「はい、めっちゃ美味いです。フィン兄も食べて下さい。ほら、あ~ん」


 少し照れながらも、彼の頬は緩んでいる。
「これが弟のいる生活か」と、かなり偏った考え方をしつつ、フィンは充実感を覚えていた。
 血の繋がった弟は、甘えるどころか無愛想極まりない。
 フィンは元々、小動物の様な加護欲をそそられるものが好きだ。
しかし、触れようとすると、いつも怯えて逃げられてしまう為、満足に愛でる事が出来ない。
 そんな中に現れたルーカスを、彼が可愛がらないはずがなかった。


「ふむ、美味いな (ゼノンにお礼を言わないといけないな)」
「ですよね。ふぅ」
「暑いのか?」
「んー、なんか少し……」


 心なしか、さっきよりも顔が火照り、も潤んだ様に見える。
どうやら、部屋が暑いというよりは、身体が熱いようだ。


「紅茶を冷ましてあげよう」
「お願いします」


 差し出されたティーカップに、魔法で小さな氷の塊を入れて冷やす。


「やっぱ便利ですよね。俺も使えたら良いのに」
「今度教えてやろう。その前に適性を調べる必要があるが」
「本当ですかっ! やったぁ」


 瞳を輝かせ、興奮した様子でルーカスは冷えた紅茶を飲み干した。


「まだ火照るか? 先程よりも顔が赤いぞ」
「ーーひゃっ」
「ルゥ?」


 熱を測ろうと、額に触れた瞬間。ルーカスがビクッと震えた。


「うぅ、あつい……」
「具合が悪いのか。医者を呼ぼう」
「…まって、ください。なんか違う気がします、はぁ」


 息も上がり、いよいよ苦しそうだ。
 健康が取り柄だ、という者ばかりに囲まれているフィンは、焦った。
まさか、危険な病ではないか。滅多に慌てない彼が、落ち着きなく右往左往している。
 きっと団員が見れば、顔を真っ青にして気を失うだろう。


「しかし、普通じゃない。早く医者に」
「あつい。フィン兄……あついよ」
「……ルウ?」


 そこで初めて、ルーカスの異変に気づいた。
ルーカスのズボンが、不自然に膨らんでいるのだ。

 フィンは、ある可能性に辿り着く。
 この菓子を渡された時、ゼノンあいつは何と言っていたか。

「フィン、これやるよ。最近甘いもんばっか、買い漁ってるんだろ? きっと喜んでもらえるぜ。楽しいな」

 ゼノンの言う、楽しい夜というのは、つまり事であると。


「あのクズっ (女と勘違いしたな。私の弟をこんな目に遭わせるとは……ただではすまさん)」
「ふ…ん、フィン兄、あついぃ」
「ルゥ、自分で出来るか」
「んん。む、むりいっ」
「ーー分かった。すまないが、我慢してくれ」
「……う?」


 苦しそうにもがくルーカスを放ってもおけず、フィンは仕方なしに助けてやる事にした。


 シャツのボタンを緩め、ベルトを外し、前をくつろげる。
 擦れる衣服さえ刺激になるのか、ルーカスは小さく息を漏らした。


「ふっ……んん…はっ」
「大丈夫だ、ルゥ。じっとしていなさい」
「んっ、フィン…にぃ……?」
「触るぞ」


 一刻も早く、熱から解放させる為、フィンは性急にルーカスの昂りに触れた。


「は、んっ……ああっ………ふぇ」
「ルゥ、どうだ」
「あっん、やっ……あついっ、じんじんするようっ」


 既に先走りでぬるぬるになったそれは、限界の様だった。


「ほら、出しなさい。楽になるはずだ」
「んっ……あっあ、あ……フィンっにっ!」
「……ふう、出たな。ルゥ、身体はどうだ?」


 フィンの巧みな手によって、あっという間に達した。
これで一安心だと、フィンは安堵したが、そんな簡単なものではなかった。


「あちゅい」
「なに?」
「あついっ、おしり……ムズムズするのぉっ」


 普段のルーカスからは、想像もつかない舌足らずな話し方と、むわっと溢れる艶っぽい呼吸。
 ひどく扇情的に乱れたルーカスの姿に、思わずゴクリと喉を鳴らした。


「これは……危険だな。医療行為だ。これは医療行為だ」


 フィンは自分に言い聞かせ、ルーカスの望み通り、後ろの蕾に触れる。


「ルゥ、どうやら菓子に媚薬が入っていた様だ。疼くのは、ルゥのせいじゃない。薬のせいだ。だから、何も心配しなくていい」
「うん、うんっ……はやくぅ」


 ポロポロと瞳から涙を零し、助けを求めてルーカスは抱きついた。
 騎士団長として、ある程度の毒耐性があるフィンには、この程度の媚薬など意味を成さない。
そのはずなのに、ルーカスに求められた瞬間、ドクンーーと、身体全体が脈打った。


「まさか……あの少量で?」


 たくさん平げたルーカスと違い、フィンはまだひと口しか食べていない。
 強力なのか、はたまたルーカスに当てられたのか。
 仕事ばかりで、すっかりご無沙汰だったフィンのものが、熱を持った。


「んっ、フィン兄っ……もっとさわって、おく、奥がっ…じん、じんっ、して、ぇっ……」
「ルゥ……。この辺か?」
「やっ、わかんなーーぁ! あっ、あんっ」
「ここだな」


 フィンの指が、しこりを掠めた。
 ルーカスの喘ぎ声が一段と大きくなる。


「んんっ……はあ、きもち、もっと……」
「ルゥ、なんて事を。自分でそんな」
「だってえっ、むずむじゅすんだも……ん」


 ルーカスの手は、自然と自身の胸の飾りへ伸びていた。右手で身体を支え、左手でコリコリと突起を刺激する。
 両脚はフィンに大きく開かされ、蕾からはズプズプとフィンの中指と薬指が、激しく出たり入ったりを繰り返す。
 快楽に染まったルーカスは、とてもいやらしかった。
まだ、大人になりきる前の、初々しく、あどけない身体が、より一層、卑猥さを際立たせる。


「さわって、みぎが……さび、しいのっ」
「あとで意識がハッキリした時が大変そうだ」


 可愛らしく強請られ、フィンは太腿を押さえていた手で、空いていた突起を弄った。

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