【R20】螺旋の果て

雪田 瑠魔

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螺旋の果て(下)

第7章 【堕天使】

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メイドの料理は美味かった。

黒いタキシードで、花嫁を待つ。

沈む太陽が、湖の向こうの山を真っ赤に染める。

メイドがリビングに来た。

「御主人様、奥様のお仕度が整いました。
お庭にお越し下さい。」

私はメイドに促され、玄関を出た。

…そこには、

  逆光にシルエットが浮かび上がる。

紛れもなく、あのドレスを纏(マト)った裕希…

ああ…

美しい…

少し疲れた表情は、憂いを増している。

微笑み、私を見る真っ白な光。

しかし花嫁は、明らかに普通とは異なっていた。

  ドレスは、胸の膨らみを強調し、先端は透けて見えている。

前のパックリ空いたドレスのスリットの下は、ミニスカートを履いてはいるが、股間の繁みと形がクッキリと透けている。

美しく化粧された顔とは、対象的な露出した肌の様子。

手首のアザ。
胸元、肩、太ももの赤いミミズ腫れ。

何より、大きく空いた背中に走る、長く大きな鞭跡。

私は、美しく輝く裕希に近づき、抱き締めた。

『世界中で、ただ1人しかいない、世界一美しい花嫁だ。』

「……あっ……。」

背中の傷を指でナゾると、裕希は、あの時と同じ、恍惚の表情で吐息を漏らす。

  『行こうか…裕希…』

私の腕に裕希はしがみつくように…

長いドレスの裾は、メイドが持ち、後をついてくる。

森の細い道を数百メートル…

狭い道行きに、数台の車が停まっている。

その脇を抜け、正面の建物。

薄暗くなった森に、四角いビルが浮かび上がる。

窓から、怪しく揺らめく光が漏れ、それは、明らかに放置ビルの様相である。

入り口には、裾を持つメイドと同じコスチュームの女が二人…

  入り口で歩みを止める。

暫くして、中からパイプオルガンの曲が聞こえ、二人のメイドは、廃屋のドアを開けた。

私は、裕希の絡める腕をほどき、

『ここで待ちなさい。』

裕希に囁き、1人で中へと歩み入った。


中には…

             ……………
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