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奪還作戦
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俺が掛け布団と勘違いして、リドさんの服を離すまいとガッチリ掴んでいた朝。
夢に見たのはイアンさんが過去に苦しみ痛ましく震える姿と、リドさんが暖かく励ましてくれた声だった。
起きてからすぐに、涙腺ゆるゆるになってしまった俺は、それを隠す様に貰ったスカーフで拭う。
(泣いてても状況は良くならない。早く気持ちを入れ替えなきゃ)
落ち着きを取り戻してから辺りを見回すけれど、既にリドさんは寝室には居なかった。
(もしかして、もう仕事を始めてるのかな……きちんと休めているのか心配だ)
仕事内容や立場は違えど、昼夜問わず働いているであろう姿を想像すると、社畜時代の自分を見る様で寒気がした。
そこに、これからイアンさんの件も加わってしまう。そう思うとやるせない。
寝室の扉を開くと、案の定リドさんは机に向かって何やら書き連ねていた。
「リドさん、おはようございます」
「ああ、ユウ。俺の服の寝心地はどうだった?」
背後から声を掛けると、リドさんはわざわざ手を止めて振り返ってくれた。
……しかもきっちり俺の醜態を目撃していたのか、煽り付きで。
あまりの恥ずかしさに引き返そうとしたが、リドさんの顔を見てその気も失せていく。
顔色が良くない上に、隈が出来ている気がする。
「リドさん、昨日寝ました?」
「まあな。あ、目元が赤くなってるぞ。また泣いてたのか……ほら、おいで」
(……話をはぐらかされた気がする)
抵抗する事でもないし……いそいそとリドさんに近づくと、目元に温かな指を添えられた。
目尻を擽る様に撫でられ、肩が跳ねる。
「ひゃ、なんですか!」
「元気はありそうだな。じゃ、食事して作戦を練るか……今日は薬草屋に休むと伝えてある。心置きなくここにいて良いからな」
頭を優しく撫でられれば、もう何も追求も反論もできなかった。
(そうだ、今はいち早くイアンさんを取り戻さないと)
食事を早々に終えると、食卓に地図や資料を広げて、リドさんとイアンさん奪還のための話し合いが始まった。
「まずは、ユウ。新しい情報があるんだ、それから伝えよう」
「新しい情報?」
「今のイアンが置かれた状況についてだ……まずはイアンが連行された先はここ、王宮だ。だが、昨夜は特に大きな動きは無かったらしい」
「え、もしかして昨日の夜に王宮に行ったんですか……?」
昨日の今日で安否確認が出来たなんて、驚きの情報の速さだ。実際にその目で確かめてきたとしか考えにくい。
リドさんは面食らった表情をして、頬を掻いた。
「たまに妙に鋭いよな……ああ、そうだ。昨夜召集があって城へ向かったんだ。そこで地下牢に繋がれているイアンを発見した」
「え?!地下牢……って、なんでですか?」
勇者に怪我を負わせたわけでもなく、しかも気絶させられていた。
大して危害も加えていないのに、地下牢に入れられるなんて、おかしな話だ。
もしかして、半魔という事実があるから問答無用で投獄されてしまったんだろうか?
「城には良くあるものだからな。聞いたところによると、激しく抵抗された、と勇者が国王に進言した事がきっかけで投獄が決まったらしい」
「ぐっ、あのクレイジー勇者め……!」
あの飄々とした顔が頭に浮かび、沸々と怒りが込み上げる。
イアンさんを痛め付けておいて、そんなことを宣うか……!
「イアンを実際に確認したが、深手は負っていなさそうだったから、ひとまずは大丈夫だろう。
それよりも気に掛かるのは勇者の言動だ……イアンが半魔であることは、国王に伝わっていなかった」
「へっ?」
イアンさんのことを珍しがっていたし、しっかりと記憶している筈なのに……なんでだろう。
「勇者については俺もあまり詳しくはないが、半魔だという事実がイアンにとって不都合だと配慮した可能性もあるな」
「配慮って……」
確かにその事実を伝えれば、異端としてイアンさんがどう言う待遇を受けるのか、想像に難くない。
リドさんが言っていたことが本当に当たっているなら、僅かだが、勇者に希望が見出せる。
(根は良い人パターン、だったり?いやそんな筈は……ますますあの勇者が何を考えているのか分からなくなったぞ)
「それと、例年通り、収穫祭に合わせて勇者パーティーを派遣するという話も出ていた。そこにイアンが組み込まれる予定だそうだ」
「え?地下牢に投獄した人間を勇者パーティーに入れるんですか。そんな馬鹿な」
「それほどに国王も追い込まれているんだ。ここ最近、魔物の襲撃も増えているだろう」
「あ、そっか。そうですよね」
脳内で、勇者パーティーに参加しているイアンさんを妄想してみる。
……いや、絶対ダメだ!
「やっぱりイアンさんは取り戻しましょう。まだ心に傷を負っていて、不安定なんです。魔王討伐だなんて、そんな事させられないです」
「同意見だな。そもそもイアンはかなり腕が立つ戦士だったが、今は不調と言っていい……しばらくの療養が必要だ」
リドさんは地図の上に、何やら文字を書き込んでいく。
「店、通る、勇者……なんですか?これ」
「収穫祭の催し物について詳しく説明していなかったと思ってな。軽く説明するから覚えてくれ」
リドさんの説明によると、収穫祭の人気の理由は出店だけではなく、催し物にもあるらしい。
ここまではカインさんに聞いていた話となんら変わりないが、さらに発見があった。
昼に作物や家畜を育てる生産者が出店で一年の豊作を祝い、街の人々がそれを購入することによって生産者へも還元される。
そこで出品された食べ物や薬草の一部は国に奉納され、その物資を元手に、勇者パーティーはポーションやらを魔術で精製して、魔王討伐に向かう。
その一連の流れを催し物として実施するらしい。
リドさんが地図に書き込んだのは、勇者一行が通る道や寄るだろう店のようだ。
特に、冒険者ギルドには何重にも丸がついていた。
「なるほど、この人達が今年の勇者パーティーですよ!っていう周知にも繋がるわけですね」
「そういうことだ。その後の夜の部に何をするかは聞いた事があるか?」
「あ、なんか皆で踊るとかいうアレですか」
思わず、うげぇという表情を作ってしまい、慌てて気を引き締める。
街の人は楽しみにしているって言ってたもんな。
人の楽しみはそれぞれって事だ。うんうん。
「はは、見るからに嫌そうだな。そうだ、勇者達も交えての交流会って名目だ。実際は民の出会いの場となっている……まあ貴族で言う社交界のようなものだな」
「うっわ、なるべく関わりたくないです」
「素直でよろしい。とまあそう言った催しがあるから、街が色めき立っているってことだ」
「……最近、香りものの薬草が良く売れる理由が、ようやく分かりました」
(皆浮ついちゃってたのね……!)
「話を戻そう。何時、どうやってイアンを奪取するか、だが……」
「普通に王宮に忍び込むのは無理、ですよね?」
「発想は悪くはないが、騎士団やら勇者に即見つかるだろうな。そしてユウもろとも王宮に囲われる」
「ぎゃっ!」
「そんなことは俺がさせないがな」
(何それ、イケメンだけに許される発言だ……)
少し鼓動を早めながらも、軽く笑みを作ったリドさんに食ってかかる。
「じゃあどうしますか!」
「そんな怒るなって、そうだな。狙い目は……収穫祭当日だ」
「へ?収穫祭当日って、この催し物の最中って事ですか?」
リドさんは地図上のある一点を指す。
指し示した先を見てみると、そこには冒険者ギルドと書かれていた。
「流れの者も多く出入りするギルドなら、幾らでも紛れ込める。人を隠すのも簡単だ」
そう言って、リドさんはさらに一際大きく、丸を書き込んだ。
夢に見たのはイアンさんが過去に苦しみ痛ましく震える姿と、リドさんが暖かく励ましてくれた声だった。
起きてからすぐに、涙腺ゆるゆるになってしまった俺は、それを隠す様に貰ったスカーフで拭う。
(泣いてても状況は良くならない。早く気持ちを入れ替えなきゃ)
落ち着きを取り戻してから辺りを見回すけれど、既にリドさんは寝室には居なかった。
(もしかして、もう仕事を始めてるのかな……きちんと休めているのか心配だ)
仕事内容や立場は違えど、昼夜問わず働いているであろう姿を想像すると、社畜時代の自分を見る様で寒気がした。
そこに、これからイアンさんの件も加わってしまう。そう思うとやるせない。
寝室の扉を開くと、案の定リドさんは机に向かって何やら書き連ねていた。
「リドさん、おはようございます」
「ああ、ユウ。俺の服の寝心地はどうだった?」
背後から声を掛けると、リドさんはわざわざ手を止めて振り返ってくれた。
……しかもきっちり俺の醜態を目撃していたのか、煽り付きで。
あまりの恥ずかしさに引き返そうとしたが、リドさんの顔を見てその気も失せていく。
顔色が良くない上に、隈が出来ている気がする。
「リドさん、昨日寝ました?」
「まあな。あ、目元が赤くなってるぞ。また泣いてたのか……ほら、おいで」
(……話をはぐらかされた気がする)
抵抗する事でもないし……いそいそとリドさんに近づくと、目元に温かな指を添えられた。
目尻を擽る様に撫でられ、肩が跳ねる。
「ひゃ、なんですか!」
「元気はありそうだな。じゃ、食事して作戦を練るか……今日は薬草屋に休むと伝えてある。心置きなくここにいて良いからな」
頭を優しく撫でられれば、もう何も追求も反論もできなかった。
(そうだ、今はいち早くイアンさんを取り戻さないと)
食事を早々に終えると、食卓に地図や資料を広げて、リドさんとイアンさん奪還のための話し合いが始まった。
「まずは、ユウ。新しい情報があるんだ、それから伝えよう」
「新しい情報?」
「今のイアンが置かれた状況についてだ……まずはイアンが連行された先はここ、王宮だ。だが、昨夜は特に大きな動きは無かったらしい」
「え、もしかして昨日の夜に王宮に行ったんですか……?」
昨日の今日で安否確認が出来たなんて、驚きの情報の速さだ。実際にその目で確かめてきたとしか考えにくい。
リドさんは面食らった表情をして、頬を掻いた。
「たまに妙に鋭いよな……ああ、そうだ。昨夜召集があって城へ向かったんだ。そこで地下牢に繋がれているイアンを発見した」
「え?!地下牢……って、なんでですか?」
勇者に怪我を負わせたわけでもなく、しかも気絶させられていた。
大して危害も加えていないのに、地下牢に入れられるなんて、おかしな話だ。
もしかして、半魔という事実があるから問答無用で投獄されてしまったんだろうか?
「城には良くあるものだからな。聞いたところによると、激しく抵抗された、と勇者が国王に進言した事がきっかけで投獄が決まったらしい」
「ぐっ、あのクレイジー勇者め……!」
あの飄々とした顔が頭に浮かび、沸々と怒りが込み上げる。
イアンさんを痛め付けておいて、そんなことを宣うか……!
「イアンを実際に確認したが、深手は負っていなさそうだったから、ひとまずは大丈夫だろう。
それよりも気に掛かるのは勇者の言動だ……イアンが半魔であることは、国王に伝わっていなかった」
「へっ?」
イアンさんのことを珍しがっていたし、しっかりと記憶している筈なのに……なんでだろう。
「勇者については俺もあまり詳しくはないが、半魔だという事実がイアンにとって不都合だと配慮した可能性もあるな」
「配慮って……」
確かにその事実を伝えれば、異端としてイアンさんがどう言う待遇を受けるのか、想像に難くない。
リドさんが言っていたことが本当に当たっているなら、僅かだが、勇者に希望が見出せる。
(根は良い人パターン、だったり?いやそんな筈は……ますますあの勇者が何を考えているのか分からなくなったぞ)
「それと、例年通り、収穫祭に合わせて勇者パーティーを派遣するという話も出ていた。そこにイアンが組み込まれる予定だそうだ」
「え?地下牢に投獄した人間を勇者パーティーに入れるんですか。そんな馬鹿な」
「それほどに国王も追い込まれているんだ。ここ最近、魔物の襲撃も増えているだろう」
「あ、そっか。そうですよね」
脳内で、勇者パーティーに参加しているイアンさんを妄想してみる。
……いや、絶対ダメだ!
「やっぱりイアンさんは取り戻しましょう。まだ心に傷を負っていて、不安定なんです。魔王討伐だなんて、そんな事させられないです」
「同意見だな。そもそもイアンはかなり腕が立つ戦士だったが、今は不調と言っていい……しばらくの療養が必要だ」
リドさんは地図の上に、何やら文字を書き込んでいく。
「店、通る、勇者……なんですか?これ」
「収穫祭の催し物について詳しく説明していなかったと思ってな。軽く説明するから覚えてくれ」
リドさんの説明によると、収穫祭の人気の理由は出店だけではなく、催し物にもあるらしい。
ここまではカインさんに聞いていた話となんら変わりないが、さらに発見があった。
昼に作物や家畜を育てる生産者が出店で一年の豊作を祝い、街の人々がそれを購入することによって生産者へも還元される。
そこで出品された食べ物や薬草の一部は国に奉納され、その物資を元手に、勇者パーティーはポーションやらを魔術で精製して、魔王討伐に向かう。
その一連の流れを催し物として実施するらしい。
リドさんが地図に書き込んだのは、勇者一行が通る道や寄るだろう店のようだ。
特に、冒険者ギルドには何重にも丸がついていた。
「なるほど、この人達が今年の勇者パーティーですよ!っていう周知にも繋がるわけですね」
「そういうことだ。その後の夜の部に何をするかは聞いた事があるか?」
「あ、なんか皆で踊るとかいうアレですか」
思わず、うげぇという表情を作ってしまい、慌てて気を引き締める。
街の人は楽しみにしているって言ってたもんな。
人の楽しみはそれぞれって事だ。うんうん。
「はは、見るからに嫌そうだな。そうだ、勇者達も交えての交流会って名目だ。実際は民の出会いの場となっている……まあ貴族で言う社交界のようなものだな」
「うっわ、なるべく関わりたくないです」
「素直でよろしい。とまあそう言った催しがあるから、街が色めき立っているってことだ」
「……最近、香りものの薬草が良く売れる理由が、ようやく分かりました」
(皆浮ついちゃってたのね……!)
「話を戻そう。何時、どうやってイアンを奪取するか、だが……」
「普通に王宮に忍び込むのは無理、ですよね?」
「発想は悪くはないが、騎士団やら勇者に即見つかるだろうな。そしてユウもろとも王宮に囲われる」
「ぎゃっ!」
「そんなことは俺がさせないがな」
(何それ、イケメンだけに許される発言だ……)
少し鼓動を早めながらも、軽く笑みを作ったリドさんに食ってかかる。
「じゃあどうしますか!」
「そんな怒るなって、そうだな。狙い目は……収穫祭当日だ」
「へ?収穫祭当日って、この催し物の最中って事ですか?」
リドさんは地図上のある一点を指す。
指し示した先を見てみると、そこには冒険者ギルドと書かれていた。
「流れの者も多く出入りするギルドなら、幾らでも紛れ込める。人を隠すのも簡単だ」
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