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DLC本編
理想の王子様 ※
しおりを挟む⚠︎attention!
ドスケベ(直球)
いつものごとく、読まなくても問題ございません。
苦手な方はパスしてください。
**********
「そっ、そもそも…据えられてないつもりなんだけど」
「う~ん、田中のそういう所、嫌いだけど好き」
里田は嫌味なくらい王子様然とした顔面を歪ませ、俺の服を剥ぎにかかる。
少しでもふざけないと、自分の中の理性が危うい方向へ振り切れそうで色気のない抵抗を試みた。
「ぎゃっ!追い剥ぎ!」
「おいはぎ…?」
「それは分からないのかよ!」
言われた側はさして気にしていない様子で、すっぽんぽんになった俺の腹筋に舌を這わせる。
いや、筋肉はないんだけども。
「ひぅ!」
「アイスの味がしておもしろい」
「それはっ、里田の舌にアイスが残ってるだけ…っあ!」
アイスで冷え切った舌は、まるで生命を感じさせない異物のようだった。
何度か舐められたことはあるが、それのどれとも違う。
弾力のある冷たさが、逃げようと身体を捩る俺の肌を追いかける。
胸に差し掛かった瞬間、ビリッとした刺激が表面を駆けた。
「うあっ!!」
「ん、田中、顔真っ赤だよ。気持ちよさそう…」
コイツ…思ったこと全部口に出しやがってぇっ!
実況中継でもしてんのか、恥ずかしくて隠れたい。
「田中って、誰にでも優しいし、甘えただし…そのくせ誰にも頼らないし。
クラス変わったの、俺は凄く悲しいのに、田中は楽しそうにしてるし」
「…っ、里田ぁ」
「はあ~田中と結婚するって思ってたのに、両思いじゃないなんて…」
舐める舌のしつこさは変わらず、里田は愚痴をこぼしている。
いや、舐め続ける必要ある?!
「あの茶色い髪の子、友達なの?」
「ん、え…えすみ?友達っ…ぁ」
「ふぅん、そっか。じゃあ主人たちは?」
そう問われた瞬間、快楽もどこかへ飛んでいくほどの衝撃を受けた。
(あんなことまでして、主人達とは…友達、なのか?)
数秒で頭を思考が駆け巡る。
しかし、出せる答えなんて、俺には存在してなかった。
「…わかんない」
「へぇ、じゃあ俺も?わかんない?」
「っ、いじわる!!」
「…はぁ~、そういうとこだって」
里田は俺のパンツに手をかけ、覚束ない手付きで下げていく。
いつになく真剣な顔付きに、抵抗らしい抵抗が出来ないまま、その様子を見ていた。
「…こっちは全く慣れないのに、田中はなんか落ち着いてるよね。他の奴ともこういうこと、してんの?」
「う、」
「あーあ、先越されたのか…ムカッとくる」
俺だけの田中だと思ったのに…なんて苦々しい表情で、恨み言を溢している。
(こんな表情を、俺がさせてるんだな。)
ここに妹がいたらきっと『王子になんて顔させてんの!』と怒られそうだ。
「里田、俺…どうしようもない奴だよな。皆に嫌われても仕方ないよ」
最初は、クリアに必要だしゲームの中だからいいか、なんて甘い考えだった。
でも、前回のクリア条件を満たすタイミングで思い知った。
皆はこの世界で"生きて"いるんだ。
里田のシャツをギュッと握る。
「俺、俺…」
ふと手に重なる熱を感じて、見ると力を入れすぎて白くなってしまった指を、運動部らしい太い指が擽っていた。
顔を見ると、里田はあっけらかんとしていた。
…あれ?
「いいよ、別に。俺らが勝手に好きになっただけだし」
「え?」
「俺、主人にも、黒木にも負けないから。俺のこと以外考えられないくらい、好きになってほしい…っていうのが目標」
「そんなの、俺が許せない」
「うーん、でも、それで俺と居続けてくれないと悲しいなぁ…悔しいより、悲しいの方が辛い。」
そんな俺に甘いことを囁きつつ、里田は俺の窄まりに指を埋めてくる。
そんなのは俺が甘えていることになる、と反論をしようとしたが、顔に似合わず無骨な指を中で感じてしまい、思考が奪われていく。
長くて太い指が、入口と特別感じる場所を行き来する。
「ん、っぁ…そこ、だめ」
「痛くならないようにするって書いてあったから。俺に任せて」
「あぁ…っ!」
おい、初めてなのに、なんでこんなに的確に突いてくるんだ…!!
てか何を読んだんだ!!
永遠とも感じられる時間、腹の中でぐちぐちと指を動かされ、たまらず嬌声を上げ続けた。
「、俺もう、結構辛くなってきた」
そう苦しそうな声を上げた里田は、昂りを押し付けてくる。
「ぁう、も…挿れて」
「っ、ごめん」
短く謝罪の言葉を述べて、里田は俺の中に分け入ってきた。
何度経験しても慣れない感覚。
一杯一杯になってしまうから、自分がどんな声を上げてるのかなんて分かりようもない。
里田も里田で、腰を進めるうちに表情が固くなっていく。
「は、っ…これやばい、気持ち良すぎるじゃん」
「んぁあ、っ」
「…動くね」
慣らす時間なんてないも同然で、里田は猛烈に動き始める。
部屋に歪み軋むベッドの音と、水音がこだまして、羞恥心が煽られる。
昨日の今日だからか、俺の体は受け入れ体勢に切り替わるのが嫌に早かった。
登り詰めるのは一瞬で、感じたことのない気持ちが膨らんでいく。
里田達への罪悪感から来る、背徳感。
それも一瞬で、疲労感もあり頭が靄が掛かっていく。
「っ、はぁ、出そう!」
「っ」
俺は声が出せないまま、その快楽に身を委ねて精を放った。
「田中…俺のこと、嫌わないで」
意識を手放す瞬間、里田の懇願する声が頭に響いた。
何を言ってるんだ、それは俺の台詞で…思考がまとまらないまま、俺は目を閉じた。
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