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15.悩みを打ち明けたら何故か婚約者様が困惑してしまいました

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「あ、あの!ジークハルト様には、わたくし以外に想いを寄せる相手がいらっしゃるのではないのですか?」

「…………。」

アマーリエの言葉に、今まで嘆いていたジークハルトが目を見開き見てきた。
瞳を潤ませて、涙を堪えながら言うアマーリエに、ジークハルトは、ぽかんとする。
そして、みるみる内に真っ青になると慌てだした。

「な、何を言っているんだ?」

何でそうなるんだ?と思わずアマーリエに詰め寄ると、彼女はジークハルトを拒絶するような事を言ってきた。

「か、隠さなくても大丈夫です。わたくし、覚悟はできておりますから!」

「ア、アマーリエ?」

その反応に、ジークハルトは絶望した様な顔をする。

「ジ、ジークハルト様は、サナ様がお好きなのでしょう?」

そして、アマーリエの発した言葉に、絶句するのであった。



「は?」



最初、何を言われたのかわからなかった。

私がサナを好き?

――そんなわけが無かった
彼女は同じ魔術師塔で働く仲間で
単なる部下だ
それ以上でも、それ以下でもない――

なのに何故、アマーリエはそんな勘違いをしたのだろうと、ジークハルトは胸中で首を傾げた。
その間にも、何も答えず黙ったままのジークハルトの反応に、アマーリエは図星を指されて何も言えなくなったのだと勘違いしていた。
そして、とうとう堪え切れずに涙を流してしまったである。
彼女が泣いている事に気づいたジークハルトは、はっとしながら慌ててアマーリエに手を伸ばしてきた。
しかし彼女の拒絶に遭い、更に顔色を悪くする事になった。

「ア、アマーリエ違うんだ!」

「誤魔化さなくてもいいです。わかっておりますから……。」

完全に勘違いしたアマーリエには、ジークハルトの言葉は届かない。
尚もさめざめと泣くアマーリエを見ながら途方に暮れる。
ジークハルトの頭の中は、今まで生きてきた中で類を見ない程の高速フル回転で、解決の糸口を探っていたのであった。

一体、サナとのやり取りの中で、何が原因で彼女をこんなにも勘違いさせてしまったのかと、思い出せるだけの記憶を搾り出していた。
そして、とある時期にアマーリエの反応が、おかしかった事を思い出した。
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