1 / 9
第一話 ギルドの助っ人サービス
しおりを挟む
その日は、いつもの様に”彼”と依頼を熟して帰るだけだと思っていた――
「え、それってどういう……。」
「だから、さっきも言っただろう、お前は――」
”彼”はハッキリとした声で言うと、いきなり私に襲い掛かってきたのだった。
冒険者が集まるその街には、大きなギルドがある。
そのギルドには、毎日全国各地から依頼が寄せられ、その依頼を求めて大勢の冒険者がギルドを訪れていた。
また、訪れる冒険者の種類も多岐にわたり、種族や職業など多種多様な冒険者が集まるお陰で、館内はまるで博覧会のようであった。
しかも、各冒険者たちの等級も様々で、一攫千金を狙う上級者から、右も左もわからない駆け出しの初心者まで幅広く居たのであった。
そんな大勢の冒険者で溢れ返るギルドでは、依頼の量を遥かに超える冒険者たちが集まるお陰で、毎日依頼の争奪戦が繰り広げられていた。
全国各地から依頼が来ると言っても量にも限度がある。
その為、冒険者たちの間で依頼格差が生まれるという事態が起こり、ギルドでは問題になっていた。
簡単で報酬の良い依頼は、上級者やパーティーを組む冒険者たちに悉く取られてしまい、パーティーの見つからない冒険者や経験の浅い初心者達は、身の丈に合った依頼が見つからないという現状になっていたのであった。
運よく依頼があったとしても、報酬の安い依頼や一人で行くには危険を伴うものばかり……。
しかし、依頼を受けないと食っていけないという事で、無理をした結果、毎年命を落とす初心者たちが後を絶たなかった。
そこでギルドは、初心者クラスの冒険者たちの為に、画期的なサービスを始めたのであった。
それは、まだ経験の浅い冒険者たちに、上級者がサポート役として付いてくれるという『助っ人サービス』だった。
このサービスのお陰で、依頼で命を落とす初心者の数が減ってきたのだった。
そして今ここにも、その助っ人サービスを利用しようとしている冒険者がいたのであった。
「ようこそギルドへ♪ご利用は初めてですか?」
おずおずとギルドの扉を開いて入って行くと、眩しい程の笑顔で出迎えられた。
ギルドの看板娘である受付嬢の三人娘達は、おどおどとした様子でカウンターにやってきた小柄な少女を、訝しむことなく歓迎した様子で見てきた。
「……は、はい。」
少女は、受付嬢達の笑顔に圧倒され更に小さくなりながら、か細い声で返事をしてきたのだった。
「あら、もしかして初心者さんですか?」
その初々しい様子に、赤髪の受付嬢が小首を傾げながら訊ねてきた。
「は、はい……この前なったばかりで……。」
受付嬢の質問に、少女は更に小さく縮こまりながら掠れるような声で頷いてきた。
歳は15~16歳といったところか?サリーナと名乗ってきた長い亜麻色の髪を三つ編みにした小柄な少女は、冒険者になり立てですといった装いを隠すかのように恥ずかしそうにモジモジしていた。
そんな少女を微笑ましそうに見下ろしていた受付嬢の一人が、突然「あ!」と言いながら、ぱああと顔を明るく輝かせたかと思ったら、手を合わせて嬉しそうに言ってきたのであった。
「でしたら、当ギルドの『助っ人サービス』のご利用はいかがでしょうか?」
「助っ人サービス?」
笑顔でこちらを見てくる青髪の受付嬢に、少女は首を傾げながら聞き返す。
すると隣にいた金髪の受付嬢が、待ってましたとばかりに話し始めたのであった。
「はい!当ギルドでは~~(しばし説明)~~というサービスがありまして、凄腕の冒険者さん達がバディになってサポートしてくれるので安心ですよ♪」
「そ、そんなサービスがあるんですか?」
「はい~♪初心者の皆さんは、みんなご利用してくださっていますよ!是非サリーナさんも、試してみてはいかがですか?」
サービスの内容に少女が驚いていると、受付嬢達が是非にと勧めてきたのであった。
「あ、じゃ、じゃあ……お、お願いします。」
受付嬢の言葉に、サリーナと呼ばれた少女は素直に頷く。
「かしこまりました~!では、手続きをしますので少々お待ちくださいね♪」
そう言って、金髪の受付嬢が書類を持って奥の部屋へ消えて行ったのであった。
そして、笑顔が眩しいギルドの受付嬢達と雑談しながら、待つこと数分。
呼ばれて指定された待合室に行くと、そこには先客が居たのであった。
「お前が、今日のサポート対象か?」
「は、はい……。」
助っ人サービスで派遣されて来たという相手は、獣人族の少年であった。
姿形は人間とほぼ変わらない少年は、頭とお尻の部分に犬耳と尻尾を生やした銀毛金眼の小柄な少年だった。
サリーナよりも拳一つ分背が低いため、歳はサリーナと同じか年下位に見える。
この子が私の助っ人!?
自分より線の細い少年を見て、サリーナは少々不安になってしまった。
何処からどう見ても上級者には見えない少年を、ジロジロ見過ぎていた為か彼は鼻の頭に皺を作るとサリーナをジロリと睨んできた。
「なんだ?」
「い、いえ……!」
鋭い視線に、サリーナは背筋が凍る様な感覚に見舞われ慌てて両手と首を左右に振る。
「ま、まあ、まあ……こちらはアッシュさんと言って、助っ人サービスの中でも実力NO.1の方なんですよ!ほら、アッシュさんも、そんな不機嫌な顔していると怖がられちゃいますから!」
笑顔!笑顔!と、不機嫌そうに睨んだままの少年に、サリーナの付き添いとして一緒に来ていた受付嬢が慌ててフォローしてきたのだった。
「と、とりあえず自己紹介しましょう!こちらは助っ人サービスで、サリーナさんのバディをしてくれる狼獣人族のアッシュさんです。アッシュさん、初心者のサリーナさんです、よろしくお願いしますね!!」
「よ、よろしくお願いします。」
金髪の受付嬢から紹介され、サリーナは深々と頭を下げて挨拶をしてきた。
「……ああ。」
そんなサリーナに対して、アッシュと呼ばれた狼族の少年は、そっぽを向きながら返事をしてきたのだった。
「ま、まあ、仲良く行ってきてください!」
そんな二人の様子に、冷や汗を流しながら受付嬢が言ってくる。
ぜ、全然仲良くできる気がしないんですが~~!!
そんな受付嬢の言葉に、サリーナは青褪めながら胸中で不安を叫ぶ。
い、今からでも断れないかな~?
と、ちらりと少年を窺うとバチリと目が合ってしまった。
「お前……歳は?」
「へ?え、えと……じゅ、15です。」
「ふう~ん。」
目があった瞬間、獣人族のアッシュは何故かサリーナの年齢を聞いてきた。
素直に答えると、値踏みするような視線でサリーナを見てきたのだった。
その鋭い視線に恐怖を感じて震えていると、ややあってからアッシュが言ってきた。
「行くぞ。」
「へ?」
突然、言われた言葉の意味が解らずサリーナが聞き返すと、またしてもジロリと睨まれてしまった。
「ひええ。」
「依頼。」
引き攣るサリーナに、アッシュはそれだけを言うと、スタスタと待合室の出口へと向かって行ってしまった。
サリーナは、どうしていいかわからずオロオロしてしまう。
「早くしろ。」
すると、扉まで辿り着いたアッシュが振り返り急かしてきた。
「は、はいぃ!!」
有無を言わさぬ声に、サリーナは慌ててアッシュの元へ駆け寄る。
先程までサービスを断ろうかと思っていたが、獣人族の少年の顔を見た途端、脳内で激しく首を振ったのだった。
こ、断ったら何されるかわからないよ~~!!
何故かずっと睨んでくる少年に、サリーナはサービスの辞退は無理だと泣く泣く諦めたのであった。
そして、異常に明るく振舞う受付嬢達に見送られながら、サリーナはアッシュという獣人の少年と共に、依頼へと向かう事になったのであった。
「え、それってどういう……。」
「だから、さっきも言っただろう、お前は――」
”彼”はハッキリとした声で言うと、いきなり私に襲い掛かってきたのだった。
冒険者が集まるその街には、大きなギルドがある。
そのギルドには、毎日全国各地から依頼が寄せられ、その依頼を求めて大勢の冒険者がギルドを訪れていた。
また、訪れる冒険者の種類も多岐にわたり、種族や職業など多種多様な冒険者が集まるお陰で、館内はまるで博覧会のようであった。
しかも、各冒険者たちの等級も様々で、一攫千金を狙う上級者から、右も左もわからない駆け出しの初心者まで幅広く居たのであった。
そんな大勢の冒険者で溢れ返るギルドでは、依頼の量を遥かに超える冒険者たちが集まるお陰で、毎日依頼の争奪戦が繰り広げられていた。
全国各地から依頼が来ると言っても量にも限度がある。
その為、冒険者たちの間で依頼格差が生まれるという事態が起こり、ギルドでは問題になっていた。
簡単で報酬の良い依頼は、上級者やパーティーを組む冒険者たちに悉く取られてしまい、パーティーの見つからない冒険者や経験の浅い初心者達は、身の丈に合った依頼が見つからないという現状になっていたのであった。
運よく依頼があったとしても、報酬の安い依頼や一人で行くには危険を伴うものばかり……。
しかし、依頼を受けないと食っていけないという事で、無理をした結果、毎年命を落とす初心者たちが後を絶たなかった。
そこでギルドは、初心者クラスの冒険者たちの為に、画期的なサービスを始めたのであった。
それは、まだ経験の浅い冒険者たちに、上級者がサポート役として付いてくれるという『助っ人サービス』だった。
このサービスのお陰で、依頼で命を落とす初心者の数が減ってきたのだった。
そして今ここにも、その助っ人サービスを利用しようとしている冒険者がいたのであった。
「ようこそギルドへ♪ご利用は初めてですか?」
おずおずとギルドの扉を開いて入って行くと、眩しい程の笑顔で出迎えられた。
ギルドの看板娘である受付嬢の三人娘達は、おどおどとした様子でカウンターにやってきた小柄な少女を、訝しむことなく歓迎した様子で見てきた。
「……は、はい。」
少女は、受付嬢達の笑顔に圧倒され更に小さくなりながら、か細い声で返事をしてきたのだった。
「あら、もしかして初心者さんですか?」
その初々しい様子に、赤髪の受付嬢が小首を傾げながら訊ねてきた。
「は、はい……この前なったばかりで……。」
受付嬢の質問に、少女は更に小さく縮こまりながら掠れるような声で頷いてきた。
歳は15~16歳といったところか?サリーナと名乗ってきた長い亜麻色の髪を三つ編みにした小柄な少女は、冒険者になり立てですといった装いを隠すかのように恥ずかしそうにモジモジしていた。
そんな少女を微笑ましそうに見下ろしていた受付嬢の一人が、突然「あ!」と言いながら、ぱああと顔を明るく輝かせたかと思ったら、手を合わせて嬉しそうに言ってきたのであった。
「でしたら、当ギルドの『助っ人サービス』のご利用はいかがでしょうか?」
「助っ人サービス?」
笑顔でこちらを見てくる青髪の受付嬢に、少女は首を傾げながら聞き返す。
すると隣にいた金髪の受付嬢が、待ってましたとばかりに話し始めたのであった。
「はい!当ギルドでは~~(しばし説明)~~というサービスがありまして、凄腕の冒険者さん達がバディになってサポートしてくれるので安心ですよ♪」
「そ、そんなサービスがあるんですか?」
「はい~♪初心者の皆さんは、みんなご利用してくださっていますよ!是非サリーナさんも、試してみてはいかがですか?」
サービスの内容に少女が驚いていると、受付嬢達が是非にと勧めてきたのであった。
「あ、じゃ、じゃあ……お、お願いします。」
受付嬢の言葉に、サリーナと呼ばれた少女は素直に頷く。
「かしこまりました~!では、手続きをしますので少々お待ちくださいね♪」
そう言って、金髪の受付嬢が書類を持って奥の部屋へ消えて行ったのであった。
そして、笑顔が眩しいギルドの受付嬢達と雑談しながら、待つこと数分。
呼ばれて指定された待合室に行くと、そこには先客が居たのであった。
「お前が、今日のサポート対象か?」
「は、はい……。」
助っ人サービスで派遣されて来たという相手は、獣人族の少年であった。
姿形は人間とほぼ変わらない少年は、頭とお尻の部分に犬耳と尻尾を生やした銀毛金眼の小柄な少年だった。
サリーナよりも拳一つ分背が低いため、歳はサリーナと同じか年下位に見える。
この子が私の助っ人!?
自分より線の細い少年を見て、サリーナは少々不安になってしまった。
何処からどう見ても上級者には見えない少年を、ジロジロ見過ぎていた為か彼は鼻の頭に皺を作るとサリーナをジロリと睨んできた。
「なんだ?」
「い、いえ……!」
鋭い視線に、サリーナは背筋が凍る様な感覚に見舞われ慌てて両手と首を左右に振る。
「ま、まあ、まあ……こちらはアッシュさんと言って、助っ人サービスの中でも実力NO.1の方なんですよ!ほら、アッシュさんも、そんな不機嫌な顔していると怖がられちゃいますから!」
笑顔!笑顔!と、不機嫌そうに睨んだままの少年に、サリーナの付き添いとして一緒に来ていた受付嬢が慌ててフォローしてきたのだった。
「と、とりあえず自己紹介しましょう!こちらは助っ人サービスで、サリーナさんのバディをしてくれる狼獣人族のアッシュさんです。アッシュさん、初心者のサリーナさんです、よろしくお願いしますね!!」
「よ、よろしくお願いします。」
金髪の受付嬢から紹介され、サリーナは深々と頭を下げて挨拶をしてきた。
「……ああ。」
そんなサリーナに対して、アッシュと呼ばれた狼族の少年は、そっぽを向きながら返事をしてきたのだった。
「ま、まあ、仲良く行ってきてください!」
そんな二人の様子に、冷や汗を流しながら受付嬢が言ってくる。
ぜ、全然仲良くできる気がしないんですが~~!!
そんな受付嬢の言葉に、サリーナは青褪めながら胸中で不安を叫ぶ。
い、今からでも断れないかな~?
と、ちらりと少年を窺うとバチリと目が合ってしまった。
「お前……歳は?」
「へ?え、えと……じゅ、15です。」
「ふう~ん。」
目があった瞬間、獣人族のアッシュは何故かサリーナの年齢を聞いてきた。
素直に答えると、値踏みするような視線でサリーナを見てきたのだった。
その鋭い視線に恐怖を感じて震えていると、ややあってからアッシュが言ってきた。
「行くぞ。」
「へ?」
突然、言われた言葉の意味が解らずサリーナが聞き返すと、またしてもジロリと睨まれてしまった。
「ひええ。」
「依頼。」
引き攣るサリーナに、アッシュはそれだけを言うと、スタスタと待合室の出口へと向かって行ってしまった。
サリーナは、どうしていいかわからずオロオロしてしまう。
「早くしろ。」
すると、扉まで辿り着いたアッシュが振り返り急かしてきた。
「は、はいぃ!!」
有無を言わさぬ声に、サリーナは慌ててアッシュの元へ駆け寄る。
先程までサービスを断ろうかと思っていたが、獣人族の少年の顔を見た途端、脳内で激しく首を振ったのだった。
こ、断ったら何されるかわからないよ~~!!
何故かずっと睨んでくる少年に、サリーナはサービスの辞退は無理だと泣く泣く諦めたのであった。
そして、異常に明るく振舞う受付嬢達に見送られながら、サリーナはアッシュという獣人の少年と共に、依頼へと向かう事になったのであった。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
彼が選んだ結末は
かわもり かぐら(旧:かぐら)
恋愛
地球から見て宇宙の果てにある、魔法が存在する惑星。
そこでは様々な神が存在し、各々の神を主神と崇める国がいくつも存在していた。
山岳の神である俺もそのうちの一柱。
…その同じ神の仲間で、今回やらかした神がいる。
お陰様で俺の相棒兼女房役の治水の女神は大層お怒りだ。
彼女がわざわざ地球から招聘した、聖女を引き受けてくれた稀有な女性を守るために遣わした治水の眷属である白蛇の彼も。
無論、巻き込まれた俺も怒っている。
だが今は白蛇くんの感情の揺れが面白いので、やらかした神のことは正直どうでもいい。
さて彼が選ぶのはどちらだろうか?
***********
※ 思いついた場面から書き始めたので設定ガバガバ
※ 視点がコロコロ変わります
ずっと色黒だと思っていた幼なじみの彼女はダークエルフだと告白された! でもそれがなにか問題あるのかと思っていたら……
ぱぴっぷ
恋愛
幼なじみのエリザとずっと親友以上恋人未満だったシュウ。
そんなある日、シュウの自宅で2人きりになった時にお互いの想いを告白して、晴れて恋人同士になったシュウとエリザ。
だが、ずっと色黒だな~と思っていたエリザはなんと、実はダークエルフだった!
エリザはずっとその事を気にしていたみたいだが……
えっ? ダークエルフだから何?と思っていたシュウだが、付き合い始めてからだんだんとその理由に気づき始め……
どんどん暴走するエリザに、タジタジながらもエリザを受け止めるシュウ。
そんな2人のちょっぴりHな甘々イチャラブコメディ!
※1話1500~2000文字でサクサク読めるようにしています。
※小説家になろうでも投稿しています
大きな騎士は小さな私を小鳥として可愛がる
月下 雪華
恋愛
大きな魔獣戦を終えたベアトリスの夫が所属している戦闘部隊は王都へと無事帰還した。そうして忙しない日々が終わった彼女は思い出す。夫であるウォルターは自分を小動物のように可愛がること、弱いものとして扱うことを。
小動物扱いをやめて欲しい商家出身で小柄な娘ベアトリス・マードックと恋愛が上手くない騎士で大柄な男のウォルター・マードックの愛の話。
女嫌いな騎士団長が味わう、苦くて甘い恋の上書き
待鳥園子
恋愛
「では、言い出したお前が犠牲になれ」
「嫌ですぅ!」
惚れ薬の効果上書きで、女嫌いな騎士団長が一時的に好きになる対象になる事になったローラ。
薬の効果が切れるまで一ヶ月だし、すぐだろうと思っていたけれど、久しぶりに会ったルドルフ団長の様子がどうやらおかしいようで!?
※来栖もよりーぬ先生に「30ぐらいの女性苦手なヒーロー」と誕生日プレゼントリクエストされたので書きました。
あなたの愛が正しいわ
来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~
夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。
一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。
「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」
【完結】「聖女として召喚された女子高生、イケメン王子に散々利用されて捨てられる。傷心の彼女を拾ってくれたのは心優しい木こりでした」
まほりろ
恋愛
聖女として召喚された女子高生は、王子との結婚を餌に修行と瘴気の浄化作業に青春の全てを捧げる。
だが瘴気の浄化作業が終わると王子は彼女をあっさりと捨て、若い女に乗
り換えた。
「この世界じゃ十九歳を過ぎて独り身の女は行き遅れなんだよ!」
聖女は「青春返せーー!」と叫ぶがあとの祭り……。
そんな彼女を哀れんだ神が彼女を元の世界に戻したのだが……。
「神様登場遅すぎ! 余計なことしないでよ!」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿しています。
※カクヨム版やpixiv版とは多少ラストが違います。
※小説家になろう版にラスト部分を加筆した物です。
※二章に王子と自称神様へのざまぁがあります。
※二章はアルファポリス先行投稿です!
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて、2022/12/14、異世界転生/転移・恋愛・日間ランキング2位まで上がりました! ありがとうございます!
※感想で続編を望む声を頂いたので、続編の投稿を始めました!2022/12/17
※アルファポリス、12/15総合98位、12/15恋愛65位、12/13女性向けホット36位まで上がりました。ありがとうございました。
ただの政略結婚だと思っていたのにわんこ系騎士から溺愛――いや、可及的速やかに挿れて頂きたいのだが!!
藤原ライラ
恋愛
生粋の文官家系の生まれのフランツィスカは、王命で武官家系のレオンハルトと結婚させられることになる。生まれも育ちも違う彼と分かり合うことなどそもそも諦めていたフランツィスカだったが、次第に彼の率直さに惹かれていく。
けれど、初夜で彼が泣き出してしまい――。
ツンデレ才女×わんこ騎士の、政略結婚からはじまる恋のお話。
☆ムーンライトノベルズにも掲載しています☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる