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蛇足①

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~帰りの馬車にて(可哀想なエリザベートはレオンハルトのお膝の上に乗せられております)~

「それにしても、なんで学園であんな意地悪をしたのですか?わたくし、おかげさまでまともな学園生活を送れず、しかもあなたをアイーシャに取られてしまうと戦々恐々と過ごす羽目になったのですよ?」
「あぁー、あれ?あれは嫉妬で今にも泣きそうになってるエリーの表情があまりにも可愛くってねぇ。でもあれは流石に虐めすぎたよね。ごめん」
「そうですわよ!というか、聖女が結婚できないっていうルール初めて聞いたのですが」
「暗黙の了解だから決定的なルールじゃないし、知らなくても無理ないね」
「それにしても、教会は何故わたくしが聖なる魔力を持っていると気づけなかったのでしょうか」
「教会もまさか100年に1度現れるか現れないかという聖女が2人同時に現れるなんて思ってもみなかったんじゃないかな?」
「成る程」
「まあ、本当のところは僕が全部根回ししたんだけどね。あははっ!!」
「レオンさまっ!?」
「大丈夫、大丈夫。今更君を奪おうとしてもできないから。もし奪ったとしても、教会が手に入れらることができるのは僕と君の屍だけだよ」
「………今思っても、わたくしは道を踏み間違えましたわね」
「そう?僕は名案だと思ったけど」
「あなたは自分がこの国唯一の王位継承者だという自覚をもっとしっかりとお持ちになってください」
「分かってるよ。でもね、僕は君のいない人生なんて考えられないんだ。もし君のいない世界に生まれていたら、この世界を滅ぼしていたかもね。あはははっ!!」
(乙女ゲームのあなたはヒロインと結ばれなかった場合魔王となって国を滅ぼすんですよなんて口が裂けても言えない)
「それにしても、アイーシャは教会でちゃんと暮らせるんでしょうか?」
「無理だろうね。聖女とはいえ禁呪に触れた証たる呪が救っている身体だ。良くて死刑ってところだろうね」
「………………」
「自業自得なんだし、君が気にすることないよ」
「レオンさまは本当にお気軽な方です」
「お褒めに預かり光栄です」

 ちなみに、エリザベートの此度お仕置きはレオンハルトの国王代理の際に、謁見の間の上座に座るレオンハルトの膝の上で4時間もの間、謁見に来た者たちに見られながらお砂糖だらだらに可愛がられることであったらしい。ちなみにエリザベートは次の日から一週間寝込むことになったとかならなかったとか。

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
予想外に長くなってしまったので2つに分けます。
よって次の話も蛇足で、次の次の話がキャラクタープロフィールになります!!

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