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1章 幸せの花園
52 永遠の魔女からのプレゼント (2)
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「ふふふっ、ノアってば真面目ねぇ」
「?」
魔女のカラカラとした笑い声に、ノアは首を大きく傾げる。
「わたしがぁ、可愛い可愛いノアのためにぃ危ないものをぉ用意するわけないでしょぉ~?」
「………………」
一瞬、「自分の今までの行動全て振り返ってみろ」と言いかけたノアは、慌てて口を閉ざす。
面白半分でイタズラを仕掛けられることはよくあることで、しかも魔女は常識というものをあまり知らない。普通の人ならば絶対にやらないであろうことも首を傾げながら平然とやってしまうし、なんなら彼女の無意識の当たり前の行動のせいで死にかけたことも1度や2度ではない。
魔女は絶対に“嘘”をつかない。
けれど、魔女が“嘘だ”と思っていないことは、たとえ嘘であったとしても、本当のこととして加算されてしまうのだ。
何度このパラドクスに巻き込まれたことだろうか。
だからこそ、ノアは簡単に騙されたりなんかしない。
騙されたりなど、絶対にしないのだ。
「でぇ?使わないのぉ?」
魔女の不思議そうな表情に、黄金の、何もかもを見透かされそうな美しくて怖く的な瞳に、ノアはぎくっと身体を強張らせる。
「トワさーん、流石に代償の話なしじゃ魔道具なんて使えないって」
「えぇー?必要ぉ?」
「そりゃいるでしょ………、」
呆れたようなリュシエンヌの助けもあって、今回はどうにかなりそうだ。
「代償は特にないよぉ~。ただぁ、その魔道具を使った日だけぇ、魔力の効率が0.5ぐらい下がるのぉ」
「———すごいわね。こんな名作、聞いたこともないわ」
「当たり前よぉ~。わたしが作った新作なんだからぁ」
魔女の言葉に、リュシエンヌはものすごく驚いていた。
「あ、ありえない………、」
「だてに永遠の時を生きていないわよぉ」
ノアとリュシエンヌは、魔女の放った仄暗い微笑みと声音に、僅かに恐れ慄いた。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「?」
魔女のカラカラとした笑い声に、ノアは首を大きく傾げる。
「わたしがぁ、可愛い可愛いノアのためにぃ危ないものをぉ用意するわけないでしょぉ~?」
「………………」
一瞬、「自分の今までの行動全て振り返ってみろ」と言いかけたノアは、慌てて口を閉ざす。
面白半分でイタズラを仕掛けられることはよくあることで、しかも魔女は常識というものをあまり知らない。普通の人ならば絶対にやらないであろうことも首を傾げながら平然とやってしまうし、なんなら彼女の無意識の当たり前の行動のせいで死にかけたことも1度や2度ではない。
魔女は絶対に“嘘”をつかない。
けれど、魔女が“嘘だ”と思っていないことは、たとえ嘘であったとしても、本当のこととして加算されてしまうのだ。
何度このパラドクスに巻き込まれたことだろうか。
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ノアとリュシエンヌは、魔女の放った仄暗い微笑みと声音に、僅かに恐れ慄いた。
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