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1章 幸せの花園
21 貫くべきもの (2)
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両手をいっぱいに広げたノアは、にこっとイタズラっぽく笑った。
「だってここは、《永遠の魔女》の庵。魔女さまの聖域。ここでは、相手がたとえ“王族”であったとしても、魔女さまが味方である限りなんだってできる夢のような場所」
不安そうに自らを抱きしめたティアラに、ノアは1歩踏み出す。
「さあ、未来を悩み、選び抜け。君の選択肢は、無限大に存在しているのだから」
にっこりと仄暗く微笑んで手を伸ばしたノアに、ティアラ怯えたように身体を震わせる。けれど次の瞬間、ティアラはノアの手を取った。
———そう。それでいい。僕を恨み、妬み、その殺意に身を焦がすといい。それで、たったそれだけのことで、君に生きる意志が芽生えるのであれば、僕は喜んでこの命を差し出そう。君を、僕の民を、絶対に守り抜いて見せる。たった1人でも、救ってみせる。小さくて頼りないこの手でも、誰か1人でも救えることを示してみせる。
微笑んだままに決意を固めるノアは、ノアに抱きついたティアラの背中を優しく撫でながら、虚空を仄暗い瞳で睨みつける。
———待っていてくださいね、叔父さま。僕がここで、魔女の聖域で、あなたを殺して見せますから。卑怯だなんてこと、あなたにだけは言わせませんから。
手の甲にはっきりと青筋が浮かび上がるぐらいにぎじっと腕に力を入れたノアは、12時を過ぎてなお寝過ごしている魔女に苦笑をしながら、わんわん泣いているティアラの背中に優しく手を差し伸べ続けるのだった。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「だってここは、《永遠の魔女》の庵。魔女さまの聖域。ここでは、相手がたとえ“王族”であったとしても、魔女さまが味方である限りなんだってできる夢のような場所」
不安そうに自らを抱きしめたティアラに、ノアは1歩踏み出す。
「さあ、未来を悩み、選び抜け。君の選択肢は、無限大に存在しているのだから」
にっこりと仄暗く微笑んで手を伸ばしたノアに、ティアラ怯えたように身体を震わせる。けれど次の瞬間、ティアラはノアの手を取った。
———そう。それでいい。僕を恨み、妬み、その殺意に身を焦がすといい。それで、たったそれだけのことで、君に生きる意志が芽生えるのであれば、僕は喜んでこの命を差し出そう。君を、僕の民を、絶対に守り抜いて見せる。たった1人でも、救ってみせる。小さくて頼りないこの手でも、誰か1人でも救えることを示してみせる。
微笑んだままに決意を固めるノアは、ノアに抱きついたティアラの背中を優しく撫でながら、虚空を仄暗い瞳で睨みつける。
———待っていてくださいね、叔父さま。僕がここで、魔女の聖域で、あなたを殺して見せますから。卑怯だなんてこと、あなたにだけは言わせませんから。
手の甲にはっきりと青筋が浮かび上がるぐらいにぎじっと腕に力を入れたノアは、12時を過ぎてなお寝過ごしている魔女に苦笑をしながら、わんわん泣いているティアラの背中に優しく手を差し伸べ続けるのだった。
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