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147 ベアトリスの望む死

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「違うわよ。ただきらきらしたのが嫌いなだけ。きらきらしてる人って、眩しくて、自己中心的なように思えるのよ」
「………そうか」

 彼はそれだけを呟くと何事もなかったかのように、効率的な予習を始めた。質問だけを投げかけるだなんて失礼な人だ。自分を棚に上げたベアトリスは、ベアトリスも自分なりの方法で予習を始めた。だから、隣に座っているクラウゼルからじっと見つめられていたことにベアトリスが気づくことはなかった。

「席につけ~。授業を始める」

 一応真面目な生徒全員が席についている状況では不要な言葉を、あくびをしながら言ったローガンの言葉を聞いて、ベアトリスは手慣れた手つきで教本をしまった。初めの方は新鮮さを感じていた教室入室と同時に毎日発せられる彼の言葉に、ベアトリスは最近少々味気なさを感じていた。
 慣れとはとても怖いものだ。

「今日の授業はみんな楽しみ半月後に控えた集団宿泊研修についてだ」

 紙を読み上げる気怠げな先生にあるまじき声を聞きながら、ベアトリスはじっと彼の顔を見つめる。ゲーム内の集団宿泊研修で起きる大量殺戮事件唯一の生還者、特進クラスの教師であり非公式の王弟であるローガン・ウィーズリーを。
 ゲーム内での最大にして最も最悪なエンドと呼ばれる集団宿泊研修大量殺戮事件はヒロインマリアを筆頭としてベアトリスとクラウゼルを含む17名が死亡する。毒ガスのこもった部屋で全員が複数箇所を刺されて死亡してしまうのだ。
 返り血によって血だらけの部屋に、高位貴族の子供を含む子供たちがズタボロでいて虚な瞳で死んでいるのだ。最悪のエンドとしか言いようがないだろう。それに、ベアトリスはそんな薄暗い場所でいとも簡単に死にたくない。どうせ死ぬのならば、ド派手な場所で戦い抜いた上で戦士として死ぬか、暖かなベッドの上で大好きな人たちに見守られながら死にたい。

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈‍⬛🐈

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