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27 ベアトリスのイケメン嫌い
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ベアトリスは諦めたように七色に輝く宝石のような瞳を細めた後、大きなため息をつく。
「あなたは私をエスコートしたいだけでしょう?」
ベアトリスはそう言うと、彼に預けるように右手を差し出した。
クラウゼルはベアトリスの右手を下から掬い上げ、腰に右手を回すと生徒会室へとエスコートを始める。
「ベタベタ触ってきて気持ちが悪い。あなたはエスコートもまともにできないわけ?情けないこと」
「ふっ、我儘で手厳しい婚約者なことだ」
「………………」
(本当に埒が開かない。ヒロインにさっさとこのうざったい男を引き取ってもらわなくちゃ)
モブ専転生悪役令嬢ベアトリスは、8年経っても安定のモブ専だ。よって、無駄にきらきらしい顔面偏差値の多いこの学園は、地獄でしかなかった。
(王城もきらきらしいのが多かったけれど、まだおデブとかツルテカがいたから我慢できたのに………。………ここにはおデブもツルテカもいない。………はあー、本当に地獄ね)
周囲の俗に言うイケメンを眺めながら、ベアトリスはピクっと眉間に皺を寄せる。
「………相変わらずのイケメン嫌いだな」
「? なんか言った?」
「いや。なんでも」
甘い微笑みの表情を維持したまま、クラウゼルはベアトリスから視線を外す。
「それにしても、あなたも表情を操るのが上手になったわね。出会った当初はすぐに不機嫌な顔丸差しになっていたのに、今はその砂糖だだ漏れ感満載の表情が人目のある場で崩れているのを見なくなったわ」
「砂糖だだ漏れ………、」
若干傷ついたかのような表情をした彼を見つめながら、ベアトリスは少しだけ罪悪感に苛まれる。
****************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈⬛🐈
「あなたは私をエスコートしたいだけでしょう?」
ベアトリスはそう言うと、彼に預けるように右手を差し出した。
クラウゼルはベアトリスの右手を下から掬い上げ、腰に右手を回すと生徒会室へとエスコートを始める。
「ベタベタ触ってきて気持ちが悪い。あなたはエスコートもまともにできないわけ?情けないこと」
「ふっ、我儘で手厳しい婚約者なことだ」
「………………」
(本当に埒が開かない。ヒロインにさっさとこのうざったい男を引き取ってもらわなくちゃ)
モブ専転生悪役令嬢ベアトリスは、8年経っても安定のモブ専だ。よって、無駄にきらきらしい顔面偏差値の多いこの学園は、地獄でしかなかった。
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周囲の俗に言うイケメンを眺めながら、ベアトリスはピクっと眉間に皺を寄せる。
「………相変わらずのイケメン嫌いだな」
「? なんか言った?」
「いや。なんでも」
甘い微笑みの表情を維持したまま、クラウゼルはベアトリスから視線を外す。
「それにしても、あなたも表情を操るのが上手になったわね。出会った当初はすぐに不機嫌な顔丸差しになっていたのに、今はその砂糖だだ漏れ感満載の表情が人目のある場で崩れているのを見なくなったわ」
「砂糖だだ漏れ………、」
若干傷ついたかのような表情をした彼を見つめながら、ベアトリスは少しだけ罪悪感に苛まれる。
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