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7 婚約者について

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 周囲の環境に甘えている自覚のあるベアトリスは苦笑してから、再びアルフレッドへと視線を向けた。一見普通の馬車は、ベアトリスの特製魔道具によって全く揺れないし、防音効果を持っている。

「………君はどこにもやる気がなかったんだけど、兄上がどうしてもっていうからな………」
「………?お父ちゃまってもしかしなくとも王弟なの?」
「言ってなかったか?」
「言ってない」

 ズボラなアルフレッドのことを呆れながらも、ベアトリスはぷくうぅーっと頬を膨らませた。

「お父ちゃまって、いっつも肝心のことを教えてくれない」
「いや、リズが聞いてこないから………」
「言い訳は結構。とりあえず、初期情報頂戴」

 バッサリと言い訳をぶった斬ったベアトリスに、アルフレッドは泣きそうな顔をしながらも、整理された言葉を紡ぐかの如くゆっくりと言葉を発し始めた。

「君の婚約者は君の想像通り王子だよ。しかも王太子。私にとっては甥っ子になるかな。彼は金髪に藍眼を持っていて、魔法属性は水。王家、特に直系は基本虹の瞳を持って生まれてくる子供がほとんどだから、とっても珍しいことだよ。そして、彼もそもことをコンプレックスに思っている。そして、この瞳こそリズが近親婚をしてまで婚約者にならなくてはならない理由だ。分かったかな?」
「う~ん、なんとなくは分かった。つまり、王家の人間は私とお父ちゃまが持っている虹の瞳を持っていないといけなくて、王太子殿下はそれを持っていない。そして、今王太子殿下と結婚できる年齢の女子の中に私以外に虹の瞳を持っている子供がいない。よって私が選ばれた、そういうこと?」

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈‍⬛🐈


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